助けてと言えない いま30代に何が

  • 文藝春秋 (2010年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163731704

みんなの感想まとめ

現代の30代が直面する「助けて」と言えない現実を描いた作品は、自己責任の重圧や社会の期待がもたらす生きづらさを浮き彫りにしています。特に、男性に特有のプライドや孤立感が、彼らをさらに追い詰めている様子...

感想・レビュー・書評

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  • 2010年出版の本。まさにこの助けてと言えない世代の自分。努力、根性、競争に勝つ。頑張りは報われる、挫折は頑張りが足りないための自己責任。すり込まれたこの感覚は未だに自分を生きづらくさせているという自覚がある。そんな私でも、同じ世代でホームレスと聞いたら、やはりその人に問題があるのでは?と偏見を持ってしまう。孤立してしまった人が、「助けて」と言えるように、その「助けて」の声を聞ける社会が整わないと。ホームレス支援のNPOの奥田さんの寄り添い方、失敗しても「はい、次いこ〜」と言える伴走者が必要だ。

  • この本で取り上げる世代に合致する自分。

    自分の持ち合わせる感覚が、実は時代背景や世代で経験したことから来るものだと知って、驚いた。そして、腹に落ちた。

    明日、我が身。
    他人事とは思えない。
    書中にあるのと同じ呟きをしてしまった。

  • そういえば、当時だいぶ話題になっていたような気もする。北九州市で37歳の男性が自宅で「助けて」と書いた紙片を送れるばかりにしながら餓死していたのが見つかった出来事に端を発し、(他称)ホームレスやその予備軍となりそうな30代の姿を追ったルポ。
    ついついいつもの似非ジェンダー視点的な読み方になってしまうんだけど、これは30代の姿というより、30代男性の姿だろう。書中でも女性のケースを1例挙げているけれど、それはブラック企業で頑張っていたが、親の介護なども重なり職場をやめ、無職になったというもので、路上生活を送っている男性たちとはやや違うと思う。
     「バイオレット・ラプソディー」という歌に、「一人で死んでいけるのは男、一人で生きていけるのは女」というような歌詞があって、名言だと思っているんだけど、この本の30代男性たちもまさにこんな感じ。自己責任を背負うあまり、自分を無下に扱っている感じがしてならない。もちろん、社会が働き盛りなはずの30代男性に「助けて」と言わせない空気を押し付けてもいて、彼らもそれを認識してか、自分のプライドを守るためか「助けて」と言わないのだと思う。これが女性だったら、もっと楽に人を頼れるだろうし、その術を知っていると思うし、そうできる仕組みもあると思う。
    男って男に冷たいが、つらい状況に陥った時、本当に救ってくれるのは、同年代だったり同性だったりといった共通項があってこそだと思う。社会が年齢や性別で差別せず、本当に困っている人、術を知らなかったり見つけられなかったりする人を救う仕組みを作ることも必要だし、どうでもいいプライドなんか捨てて「助けて」と言える勇気を持つことも必要。
    でもさ、社会の仕組みといっても、自助を強いる安倍政権のもとで、今後公的にそういう仕組みができるのだろうか。書中の奥田知志さん(北九州ホームレス支援機構代表)みたいな人たちが手弁当でやっていくしかないの?

  • これは人ごとではない。
    自己責任論を押し進め社会の責任を放棄した結果、緩慢な自殺を招いた。
    20代30代のホームレスが増え始めた。小綺麗にしていて一見分からないが靴は汚れ切っている。彼らは頑なに助けを拒絶し、炊き出しにすら来ない。親友にも家族にも弱みを晒さない。
    「こうなったのは自分のせい」と自分を責め続けている。親にも心配をかけたくない。まだ頑張れる。なんとかできるはず。もう30を過ぎているのだから頼ってはいけない。そんな考えでどんどん窮地に立っていく。

    自己責任が何だと言うのだ。
    自分で自分のすべてに責任が負える人間など存在するのだろうか?
    頼ることは社会で生活する上で必要なことだ。

    一度職を失ったらそれだけで「普通」の生活からドロップアウトしてしまう。非正規でなんとか食いつないでいたら、スキルもコネも得られなかった。それは本人が100%悪いんだろうか?
    ただの一度のミスや挫折を許さない社会は本当に正しいのか?

  • 実家があり、親がいるのに、自分の苦境に、助けを求めることができない、という、これってまさに自分もその世代にはいっているよな。競争社会、自己責任の社会で、子どもの頃から勉強なりなんなり努力しないやつはダメ、頑張らないからダメ、という教育と言うかだったよね。もちろんそれは正論かもしれないけど、見栄をはってホームレスに見えないように、でも実は思いっきりホームレス、とか、餓死しちゃったりとか、うーん。悲しいよね。でももちろんなんだか気持ち、わかるような気もするけどな。

  • 「たすけて」と便箋に書いて、39歳の男性が孤独死した。 
    餓死だった。

    なぜ若者は餓死してしまったのか?
    兄も、友だちも、まわりの誰も
    彼がここまで追い詰められていることを
    知らなかった。

    誰にも言えなかった「助けて」の一言。
    「何が悪いって、自分が悪いから」
    「自分でなんとかしないと、やればできるから」
    若さのせいか、教育のせいか、
    『自己責任』という価値観が重くのしかかっていて
    最後の最後まで「なんとか自分で」と
    自分にしがみつく。
    人に頼ることは敗北で、自分の情けなさを認めることだから

    まじめであればこそ、『自己責任』のことばが重い

    今まで、自己責任については繰り返し学んできたけれど
    人とつながっていること、頼ってもいいこと、
    そういうことを どこかで教えてもらっただろうか

    他人ごとではない
    とても重い内容だった

  • 都会で一人暮らしている私。周りには助けてくれる人がたくさんいる。でもお金のこととなれば、そうそう簡単に人にはすがれない。
    迷惑をかけるぐらいなら死んだほうがマシだ…。そう、思ってしまうであろうことに共感する、自分に戦慄を覚える。
    自分が生きていることの、世の中に対する貢献度の低さ、周囲の期待感の低さ、将来への安心感のなさ。
    本当はあなたが生きているというだけで、価値が、あるのに。

    一度つまずくと立ち直れない、いまの風潮を、どう変えていくか。社会が変わっていく間に、つまずいた人々をどうやって支えるか。大きな課題を投げかけてくる本だ。

  • 自分のことは自分でなんとかする。結果が出ないのは自分の努力不足。私もそう思ってきた。この本に出てくる30代は私にとって他人ではない。自己責任ってなんだろう。

    心に残った言葉。
    「彼らは、本当はぎりぎりのところまで追い詰められているんだけど、まだ自分で頑張れると思って、自分で頑張っている人たちなんだと思う。彼ら自身の思い込みかもしれないけれど、僕は社会がそうさせていると思うんですね。自己責任論ということを社会は言ってきた。この社会が、自分の責任だと言い続けてきたんですよ」

  •  約10年前の本であり、当時より景気自体は良くなっている。しかし、1億総中流ではなく、格差は拡大しており、貧困リスクは依然として存在する。生活保護と福祉がテーマの「護られなかったものたちへ」を読んだので、さらに怖いと感じた。

  • クローズアップ現代の単行本化
    2009年北九州で39歳男性が餓死した事件から、今の30台の状況に迫る。
    情報に深みがないのはいつものNHKブックスの悪い特徴。

  • 人は一人では生きて行けない。そんなことを改めて考えさせる本だった。
    しかし、自己責任教育の行き届いていること甚だしい。基本的人権は、自己責任では担保出来なかった歴史があるというのに。

  • ひとたび風向きが変われば、道端に人が溢れる世の中。社会の逼迫感と脆さを改めて痛感する。

  • 自分と同じ30代に起こっている問題として、一度読んでおいたほうがいいと思って読んでみた一冊。明日は我が身とならないように下地作りはしているものの、ここに出てくる人たちが何もしていなかったわけじゃないだろう。実態として、こういうケースもあることに身が引き締まる思いがしました。30代のインタビュー、気持ちはよくわかった。自分もお金がなくなったときに同じように考えたこともあった。人に助けてもらうこと、そしてその恩を少しずつでも返していくことが人間関係には必要だと思ったことを思い出しました。

  • 若い人のホームレス‥
    目の前にいるかもしれない、
    炊き出しボランティアに参加しよう。

  • 現在の30代は、「自己責任」という言葉で締め付けられ、みんなに助けてと言えない という事が書かれているノンフィクション。
    確かに、職場を見ても、30代の前半の人達は、自分で抱え込み、その結果仕事が進まないこともあり、なんとなく納得出来る。
    教育が原因なのか? 不況が原因なのか? バブル世代のつけなのか? 理由は分からないが・・・

  • 幻に終わった世代の連帯感

    世の中の仕事は人間の個性に応じて作られているわけではなく、人間の社会生活の必要に応じて作られている。

  • 30代が孤独死するという事件をもとに、その世代でホームレスとなっている人たちが、なぜそのような状況に直面しているのかを探る。
    この世代は自己背k人で何でもできると世間で思われており、努力が足りないと考えられがち。
    一方で、就職には一定レベルの技術が求められる世代にもなる。
    頼るのもプライドが許さない。頼るとしても、自分が自信を持てる状況になったり、前よりも何か進んでから頼ろうと思う、これには非常に共感できる。
    自分自身もそのような境遇になる可能性は十分にある。そのような要素も持っている。

  • 2013.7.16

  • 一時間くらいでサクッと読める。プライドと尊厳が足枷になって助けを求められない30代ホームレスの姿。発達障害では?という切り口があってもよかったような。

  • この本に出てくる多くの30代の持つ感想と同じく、共感と、今まで気づかなかった自己意識に衝撃を覚えた。

    助けてと言えない理由に、自己責任という言葉を刷り込まれていること。
    強いプライドを持ち、自分が自分であり続けるということに対する思い入れ
    があること。
    簡単に孤立状態に陥るが、実は心のどこかで一人でいることが心地いいのではないか。
    これらは同感なのと同時に、特に自分の意識を再認識した。

    また常に個性を発揮し、自己実現を要求される教育に対し、今の社会が、がんばってもあまり良いことがない、頑張りきれないのでなんとか助けてほしいと言っても、でもそれは自分の努力が足りないんでしょと言われてしまう、という平野氏の言葉は悲しいけど現実を言い当てていると感じた。

    平野氏の提唱する、個人を分ける「分人」論が書かれたドーンにも興味があるので、読んでみようと思う。

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