お徳用 愛子の詰め合わせ

  • 文藝春秋 (2011年1月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163734200

みんなの感想まとめ

多彩なエッセイが収められたこの作品は、著者の人柄や交友関係を通じて、温かさとユーモアが感じられる一冊です。特に「私の交友録・忘れ得ぬ人たち」では、故人たちへの惜別の思いがしっかりと伝わり、感動を呼び起...

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかったー。練達の語りを満喫した。まずは最初の「私の交友録・忘れ得ぬ人たち」がいい。登場する方たちの多くが故人なのだが、愛子先生のこと、まったくじめじめしない書きぶりでありながら惜別の思いが伝わってきてほろっとする。遠藤周作さん、中山あい子さんのお二人がいかに「よき同志」であったかよくわかる。

    「旅・場所の記憶」「身辺・近況」「佐藤家のこと」等と章立てされて、それぞれにいくつかの文章がおさめられている。私が一番気に入ったのは「対談・往復書簡」という章の中にある上坂冬子さんとの対談だ。いやあ笑った笑った!こんなに笑ったのは久しぶり。上坂さんってあんまり知らなかったけどこんな方だったとは!

    愛子先生より十歳ほど若いせいか元気ハツラツ、「咲いてる梅に感謝みたいな気持ちが起きるのよ」とおっしゃる愛子先生に「そんなバカな!去年も一昨年も咲いた梅でしょうが!『それがどうしたっ!』ってなもんです。佐藤先生しっかりしてくださいよ」と叱咤激励なさっている。これはかつての「怒りの愛子」ですよ。思いだしても笑える。

    ただ一つだけ藤原正彦氏との対談だけはいただけない。フン!えらそうなオッサン(嫌)。

  • 佐藤愛子さんの、交遊録、旅の思い出、身近な出来事について、時代について、佐藤家について、皇室について書かれたエッセイ。
    さらには親しい作家さんとの対談、往復書簡もあり、さまざまな要素がつまlた本です。
    表紙にあるように、まるで幕の内弁当みたいで、「お徳用」と言えるかも。

    今回もプッと吹き出しました。
    そして「そう。そう。そうだよ~」と共感しました。

    『「感動しました」
    それで答として通用している。どんな所でどんなふうに感動したかは省略されている。答える方は楽だろうが、楽をしているうちに表現力が磨滅していく。
    「勇気をもらいました」
    というのもある。これも私は釈然としない。勇気とはそんなに簡単にもらえるものですかと訊きたくなる。
    心に思ったことを口に出す時、正確に表現伝達しようとすると答に手間取ったり、訥弁になったりしてしまうものだ。だが今はすべてに手っとり早ければいいという風潮があるからそれで通ってしまい、表現力は養われず、一過性の言葉が飛び跳ねつつ広がっていく。
    言葉は正確さを失った。面白半分のいい加減なものになっていく』

    同感!
    普段私もそう感じているけれど、それはただ「違和感を感じる」というだけで、こんな風に言葉にできない。
    だからこうやって書かれているのを見ると、自分の心がわかりやすく代弁されているようで嬉しくなる。
    そしてこの世の中には私と同じ思いの人がいるのだな~とも思いホッとする。

    佐藤愛子さんが上坂冬子さんの事を書かれている所で、上原さんが「今は戦争時代を最悪だったようにいうけれど、あの頃は日本人が一致団結して一所懸命に生きた時代だった。毎日が充実していたから少しも辛いなどと思ったことはなかった」と言うのに、「うん、でも、辛かったわよぅ・・・自由がなくて・・・」という声から力が抜けたというエピソードを見て、可愛いな~と思いました。

    こういう可愛さというのは生まれ持ってのものだと思う。

  • 北杜夫が亡くなったのでとてもさみしいなぁとおもいながら。

  • カツ入れになる。

  • さまざまなエッセイを集めたこの1冊は、本当にお徳用と言っていいと思います。
    また、北杜夫や上坂冬子、藤原正彦との対談、野坂昭如との往復書簡など、作者のお人柄でしょうか(笑)大変楽しく読ませてもらいました。

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著者プロフィール

大正12年、大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年、『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年、『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。平成12年、『血脈』の完成により第四十八回菊池寛賞、平成27年、『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞を受賞。平成29年4月、旭日小綬章を授章。近著に、『こんな老い方もある』『こんな生き方もある』(角川新書)、『破れかぶれの幸福』(青志社)、『犬たちへの詫び状』(PHP研究所)、『九十歳。何がめでたい』(小学館)などがある。

「2018年 『新版 加納大尉夫人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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