やわらかなレタス

著者 :
  • 文藝春秋
3.83
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本棚登録 : 1546
感想 : 202
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163736808

作品紹介・あらすじ

ここにあるのは幸福な魂の食事。食べものをめぐる言葉と、小説、旅、そして日々のよしなしごと。

感想・レビュー・書評

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  • 江國香織さんの食べ物の描写にやられました。
    読みながら、とにもかくにも新鮮なフルーツをほおばりたい!…という気持ちにさせられました。
    特に、びわ。
    本を読んでいて、あのやわらかな色合いのみずみずしい果物を、こんなにも食べたくなったのは初めてです。

    それから、江國さんの抱く、魚のイメージが素敵なのです。
    「かますは几帳面」とか、「鯵は真面目だけれど、やや自分本位」とか、「かわはぎはナルシスティック」とか。
    そしてその最後に「私なら、断然鱈になりたい」と言う江國さんが最高にキュートで、なぜかちょっと色っぽいとも感じるのでした。

    食べることが大好きな人のエッセイを読むのは、なんでこんなに気持ちがいいのでしょう!

  • 江國さんの食に関するエッセイ。雰囲気は先日読んだ安野さんの「くいいじ」に似ていた。食の表現が本当にお上手で…一つ一つ想像しては「美味しそうだな~食べたいな~」と顔を綻ばせながら読んだ。
    そう言えば本文中にグレープフルーツは半分に切り砂糖をかけて食べるものだと思っていたとあったが、私は今でもそう思っているのだが(笑)世間は違うのだろうか。

    小学校低学年の時に一度だけ音楽の先生がお休みになり、代講に女性の教頭先生が来て教えてくれた『びわの歌』。私はその一度が大変嬉しかったようで、音楽の教科書のそのページに「○○教頭先生が教えてくれた!」と書いたくらい大好きな思い出の曲なのだが、最近その事をふと思い出していた。そうしたら、この本の中にまさにその歌の事が書いてあって驚いた。本を読んでいると、こういう偶然がたまに起こるのが嬉しい。

  • もう一度読みたい。

  • リラックスして、穏やかな日差しの中、窓辺で読みたい本。
    美味しいものがいっぱいつまっている。
    江國さんの食べ物に対する愛情が伝わってきて、えも言われぬ心地になる。
    題名の「やわらかなレタス」というところから、何とも言えない心持ちになる。
    年末の慌ただしい時期にふっと自分に立ち帰れる1冊だった。

  • 食にまつわるエッセイ集。
    おいしいものがたくさん登場するときいて読んでみました。

    でも、読んでみて感じたのは「おいしそう!」ということよりも江國さんがいかに言葉にこだわりをもっているのか、ということ。
    いろいろな場面で、そこにある言葉に気がいってしまって考え込む、というシーンが登場するんだけれど、なんとなく、それが、いいな、と思ったのでした。
    あとは、注文するのがこわい、というのは共感。
    なんとなく先延ばしにして底をつかす、というのがすごくよくわかる。

    なんていいながら、読み終わった今はちゃんとおなかがすいています。
    やっぱりおいしそうなエッセイだったんだな。

    • 円軌道の外さん

      おはようございます(^O^)

      少し遅くなったけど、
      ハートマーク
      ありがとうございました!

      スゴくやわらかで
      優しい文...

      おはようございます(^O^)

      少し遅くなったけど、
      ハートマーク
      ありがとうございました!

      スゴくやわらかで
      優しい文章書かれるんですね♪


      ボクサーなのに(笑)
      自分も食べることに目がなくて
      沢山の料理が出てくる
      お腹が減る小説に弱いので、
      この作品も近々
      チェックしてみたいと思います♪


      これからもよろしくお願いします☆
      2012/05/08
    • shinboshiさん
      円軌道の外さん

      コメントありがとうございます!
      そしていつもレビュー読んでいただいてありがとうございます。

      私もおいしいものが書かれた本...
      円軌道の外さん

      コメントありがとうございます!
      そしていつもレビュー読んでいただいてありがとうございます。

      私もおいしいものが書かれた本が大好物で、ついついそういう本をおなかをすかせながら読んでしまいます。

      ぜひこの本も読んでみてくださいね。

      こちらこそ、これからもよろしくお願いします!
      2012/05/09
  • 多分、一、二時間で軽く読める分量だと思うけれど、三週間もかかって読んだ。

    彼女の編む文章と紡ぐ世界が大好きで、エッセイであれ何であれ細切れに読まされるのが嫌で、短編集には基本的に手を出さないようにしている。だけど、隣で奥さんが楽しそうに読んでいるのを見て、つい手を出してしまった。
    案の定、短い一つのエッセイを読んですぐ出てくる次の一つに移れなくて、もう少し没頭したくてパタンと本を閉じる。それを繰り返している内に、結局三週間かかってしまった。

    食べ物のエッセイを集めたもの、と言うことに気がついたのは(知ったのは)読み終わった後。日常的な目の前の食べ物が、彼女にはそう見える情景が美しく描かれていて、たくさん堪能した。お腹いっぱい。

  • もう、江國さんのユニークな表現に思わずクスッと笑わされてしまう。
    どの節の食べ物の話もおいしそう。お酒飲みたくなる。
    かろやかに読めてしまう。
    そして、江國さんの本を読むと自然にひらがなを多用したくなる。
    ひらがなってやわらかい。
    やわらかなひらがな。

  • いいなあ。文章そのものが好き。滋味がある。
    果物をめちゃくちゃ食べるらしい。
    ピーターラビット、そういえば読んだことないから読んでみたい。

  • 日々の生活の、とくに食べ物を中心に描いたエッセイ集。
    江国さんらしい目線と、やわらかな文章で、ひなたのような心地よい話ばかり。移動中にぴったり。

  • 久しぶりにエッセイを読んだ。
    江國さんのエッセイを読むと、ちょっと書こうとした文章がすごくエッセイ的になる。
    文章が似てしまう。
    良くも悪くも影響があるなあ。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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