中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163738505

作品紹介・あらすじ

『怖い絵』の著者が贈る神々と人間の20の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 有名な絵もあれば、初めて見る絵もあったが、どれについても面白く興味深い解説がついている。イカロスの墜落のある風景は有名だけど、最近は贋作ということになっている。前景の人物の足の向きがおかしいという指摘で納得。確かにピーテル・ブリューゲル(父)だったらありえないわ。

  • ”太り過ぎ?” こんな直球を名画に投げられるのは、筆者ぐらいだろう。そして、確かに・・とうなずく読者の気持ちを察するかのように、それは我々が「痩せ礼賛」の文化に浸かっているだけだと、筆者は説く。

    本書は厳選したギリシャ神話の20の物語からなり、名画たちがそれぞれの話の中に、数点おさめられている。ゼウスにまつわる話が4話、ヴィーナスにまつわる話が6話、アポロンにまつわる話が4話、その他の神にまつわる話が6話で構成されており、一話あたり83円だ。カラーページの絵画も含めてこの値段とは、実に安い買い物ではなかろうか。

    筆者は絵画を鑑賞する際、構える必要は決してない、と説く。当時の人達にとって絵画は「娯楽」であったのだから、もっと肩の力を抜いて、気軽に楽しむべきだと力説する。

    そうは言っても、現代人にとってギリシャ神話の絵画鑑賞となると、ある程度の基礎知識が必要であるし、物語を知れば知るほど、謎に満ちていて理解に苦しむ。それに加えて、じっくり鑑賞するにはヌードが多すぎて、凝視するのは抵抗がある。そんな我々を最高神のゼウスは天空から俯瞰し、絶対的な余裕でヌーディな美女を次々と口説き、確実に愛を満たしてゆく。羨ましくもあるが、かなり度を超えている。他の神々も負けてはおらず、不倫、近親相姦、ボーイズラブと自らの愛欲を貫く。もう、何でもありなのだ。人々が親しみ連綿と伝えてきた神話を堅苦しい道徳に当てはめるなど、ばかげているのかもしれない。やはり筆者のように、娯楽と思って楽しむべきなのだ。

    そんなギリシャ神話を、天才画家たちはそれぞれの想像と筆にまかせて、自由に描く。
    繊細で物悲しく、優美でやるせなく、官能的で忘れがたく、名画は語る。その悩ましい作品すべてを、余すことなく解説してゆく筆者はまさしく見巧者だ。日本人にとって縁遠いギリシャ神話は、本書を読んだ者にとっては遠い過去の話となる。心ゆくまで神々のいたずらな人生を堪能しよう。

  • 美術はやたらありがたがるのではなく、こうやってツッコミを入れながら鑑賞するのが正しい方法だと思う。でもツッコミを入れるには、深い知識や教養が必要。次の『陰謀の歴史篇』、『旧約・新約聖書篇』も楽しみ。

  • 中野京子氏の著書はすべからく面白い。
    名画に対する気負いめいたものが払拭され、作品の魅力がより一層よくわかる。
    加えて、ギリシャ神話の面白さときたら、現代の物語よりも理不尽で、恐ろしく甘美である。
    そのふたつが合わさったこの本が面白い事はいうまでもないことです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「そのふたつが合わさったこの本」
      依汐さんも上手く言いますね。読んでみようかな?(「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」と「歴史が語る...
      「そのふたつが合わさったこの本」
      依汐さんも上手く言いますね。読んでみようかな?(「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」と「歴史が語る 恋の嵐」しか読んでません)
      2012/03/22
  •  オリンポス12神の関係と人間像が分かって良かったなぁ。

     わたし、表紙にもなってるピグマリオンのお話が好きだな。

  • 中野京子さんの本を読むのは8冊目です。
    ここで初めて題名に彼女の名前がはいりました。
    これは池上彰さんと同様、西洋絵画の本に彼女の名前を入れると売れると出版社側がよんだからではないでしょうか。

    先日六本木にエルミタージュ美術館展で音声ガイドを借りたら、彼女の声が入っていました。
    TVでもしばしば拝見しますが、とても穏やかで清楚で綺麗なかたです。
    でも本は、面白い。
    同じタイプの本として、池上英洋さんの「恋する西洋美術史」は純情な私には刺激が強すぎたし、吉田敦彦さんの「面白いほどよくわかるギリシア神話」はちょっと子供っぽすぎで物足りなかったので、ちょうどよいのです。

    8月にはイエスキリストの本がでるそうで、私の興味あるところを次々紹介してくださっています。これからも楽しみにしています。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-338.html

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所:教員おすすめ図書コーナー(1階)
    請求記号:723//N39
    【選書理由・おすすめコメント】
    西洋絵画を見ても、キリスト教やギリシャ神話などに関する知識がないので、何の場面が描かれているのかさぱりわからない。そんな貴方の頼もしい指南役となる本シリーズ。とにかくわかりやすくて滅法面白い。これを読んでぜひ美術館に足を運んでください。(経済・小山真理子先生)

  • 読書記録です。

    兵庫県立美術館で「怖い絵」が始まる前に、イッキ読みしました。この手の本のレビューにはいつも書くんですが、美術品を鑑定する美女が出る某漫画を読んでから、美術館で絵を観るようになって、著者の本でさらに観るおもしろさを知りました。
    表紙の絵、素敵ですね~「ピグマリオ(ン)」といえば、某漫画のクルト君を思い出す昭和な私。どんだけ読んでたんだと自分でもあきれるくらい漫画漬けだったけど、雑学としてけっこう役に立つことをモチーフにしていたんだな~、漫画ばっかり読んでアホになるって親に言われてたけど、思いがけず人生の役に立ってるじゃん♪って。
    ギリシア神話にも興味を持つこともできて、ホント感謝してます。

  • ギリシャ神話が描かれた名画たち。
    それらに隠された真の意味とは?ぜひ、あなたも読み解いてみてください。

  • c

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著者プロフィール

ドイツ文学者、西洋文化史家

「2018年 『美貌のひと 歴史に名を刻んだ顔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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