生命の未来を変えた男 山中伸弥・iPS細胞革命

  • 文藝春秋 (2011年8月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163741703

みんなの感想まとめ

本書は、iPS細胞の研究とその重要性をわかりやすく解説しており、生命科学の進歩を実感できる内容です。著者の山中伸弥教授は、2011年に発表された本書の時点で既に多くの賞を受賞しており、彼の研究が社会に...

感想・レビュー・書評

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  • 推薦理由:
    「もはや生命科学を知らなくて済むという時代ではありません。iPS細胞は人類の未来を変える可能性があるのです」と山中伸弥教授は語る。iPS細胞がなぜ未来を変えるのか、その特性、将来性、問題点などについての論点が分かり易くまとめられている。

    内容の紹介、感想など:
    本書は、iPS細胞を様々な視点から考察する第1部「生命の未来を変えたiPS細胞」と、ジャーナリストの立花隆とキャスターの国谷裕子がiPS細胞の将来性や問題点などを山中伸弥教授にインタビューする第2部「iPS細胞と生命の神秘」から構成されている。
    第1部では、第1章「iPS細胞 発見までの道のり」で山中教授が臨床医から研究者に転向してiPS細胞作成に成功するまでの道のり、その背景や、iPS細胞にかける情熱などが紹介されている。山中教授の先入観にとらわれない考え方は、様々なことに挑戦する人の手本となるだろう。第2章「夢の再生医療の扉が開かれた」では、iPS細胞がなぜ人類の未来を変えるとまで言われるのかを、「再生医療」「創薬」「病態再現」の観点から解説する。第3章「万能細胞が開くパンドラの箱」では、iPS細胞を使った研究の倫理面の議論を検証する。自分の体細胞から研究のためにiPS細胞が作られた場合、どこまでが自分のものと言えるのか、異種の生物を結合させるキメラ動物の利用はどのように制御していくべきかなど、iPS細胞の研究にはこれから社会全体の問題として議論していくべき多くの問題がある。第4章「iPS細胞で深まる生命の謎」では、iPS細胞のなかでは何が起きているのかを解説し、iPS細胞のメカニズムの解明に世界中の研究者が日夜研鑽を積んでいることを述べ、第5章の「激しさを増すiPS細胞WARS」では、その熾烈な競争の中で日本が主導権を握り続けることの大切さと難しさが語られている。
    第2部「iPS細胞と生命の神秘」では、iPS細胞についての様々な疑問やこれからの研究の方向などについて、インタビュー形式で語られている。「民間企業にとって知財は独占するためのものだが、私達にとっての知財は独占させないためのもの」と言う山中教授が目指すのは、「一刻も早く医療への応用を可能にして難病に苦しむ多くの人を救うこと」であり、それが山中教授の医師としての信念なのだ。
    iPS細胞の研究には、難病の治療への大きな期待が寄せられるが、同時に生じてくる従来の社会常識や倫理観だけでは対応できない多くの問題について、生命倫理の議論をしっかり進める必要があることがわかる。それは、これからの社会でひとりひとりが考えていくべき事なのである。
    同タイトルのDVDも図書館にあるので鑑賞して欲しい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/58531

  • 山中伸弥教授は2012年にノーベル賞を受賞したが、本書は受賞前の2011年の発刊である。
    しかし、すでに重要な賞を数々受賞しており、社会的に大きなインパクトを与えている中で本書が発刊された。
    すでに10年以上前の時点での内容であるが、iPS細胞の基本をおさえるには良い本であった。生物に疎くてもその重要性と課題がよく分かる内容であった。
    驚きであったのはiPS細胞には4つの遺伝子が必要だが、その4つの遺伝子で細胞が初期化されるメカニズムが解明されていないということだ。研究が進めば進むほど生命の謎が深まるような現状と言う。
    「細胞というのは完璧なシステムである」と養老孟司先生は言ったが、まさに細胞というシステムは超複雑系で細胞同士の情報のやり取りによって、全てが有効に機能するという一つの完全なシステムであった。
    研究には運が必要だ。山中伸弥教授の真摯なお人柄がその運を引き寄せたのか。それもあるだろうが、やはり努力が大きいのだろう。人の3倍働くと決め、実際に同時に3つの実験を行なっていた程の努力が運を引き寄せたのだ。

  • NHKスペシャルの内容を本にしたもの。わかりやすいだけでなく、生命科学の進歩が肌で感じられるようでとてもおもしろい。iPS細胞や再生医療について勉強するには最適だろう。

  • 資料ID:98110724
    請求記号:491.11||N
    配置場所:工枚普通図書

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB06643955

  • 山中「今の技術の進歩は、知らなくても良いことまで知ってしまう時代に突入しつつあるんですね。その時代を前にして、知らないままでもいようという考えもありますが、結局それは避けられなくて・・・」  このips細胞もひょっとして「知らないままで」いたほうが良かった発見かもしれない。地球に生きる生命の未来を握るのはもはや神ではなく、私たち人間の英知でしかない。 しかし、それにしても! 山中教授の語り口は真摯で誠実で希望に溢れている! そんな人たちにこそ、私たちの未来を託したい・・・!そう思わせてくれた一冊だ。

  • 490

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00182373

  • ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授のもたらした、iPS細胞革命について取材したNHKスペシャルがベース。番組ならば、イメージがわきそうな内容でも、文字で読むと難解に感じる部分はありました。再生医療や創薬に繋がる画期的な発見だったことは理解できました。未来を明るくできる技術として、発展してもらうことに期待したくなりました。

  • 所在:展示架
    資料ID:11102238
    請求記号:491.11||N71

  • (欲しい!)
    Book TV '11/10

  •  ノーベル賞受賞で一躍有名になった、京都大学の山中信弥教授のiPS細胞研究についてまとめられた本。

     読んで感じたのは、理系の、医学的な側面だけではなく、臨床や製薬、またその他どんな部分で役に立つか、また倫理的な面でこれから起こりうる問題など、広い視点で書かれていたことです。
     人間の受精卵から作ったES細胞に比べ、体細胞から作るiPS細胞にはクリアできる点が多いとは言いながらも、多様な臓器になることのできる細胞ゆえに新たな問題が現れてくる。
     それを充分にクリアしていくために京都大学iPS細胞研究所で、基礎研究だけでなく倫理問題を検討する部署があったり、新たな特許技術を研究所だけで独占するのではなく広く医学の進歩のために役立てられるような施策をとっているなど、科学の進歩発展に心がけられているのだと感じた。

     ALSなど、まだ治療法の確立していない難病の患者にとって、iPS細胞から病気の発生の仕組みを研究したり、新薬の開発にiPS細胞が役立つことで、治療の方法が開けることが期待されている。難病に苦しむ人が少なくなるように、一日も早くiPS細胞が医学に役立つ日が来てほしいと思う。

  • 【配置場所】工大一般図書【請求記号】491.11||N【資料ID】91112382

  • 山中教授がノーベル賞を受賞する約1年前にNHKスペシャル取材班によって出版された本。
    iPS細胞の基礎が分かりやすく説明されている。
    とてつもない可能性を持っている細胞だが、まだ実用化にはクリアしなくてはいけない問題(癌化の可能性など)や倫理的な問題なども数多くある事が良く分かった。
    何よりも「難病の患者を助けたい」と切に望み、そのために、多くの研究者に情報をオープンにしている研究姿勢を持つ山中教授の素晴らしさに頭が下がる。
    山中教授の研究が、多くの人々を救う日は遠くないように思えた。

  • 2011.8.発行と1年くらい前の本ですが、実は私自身、iPS細胞とES細胞、幹細胞と単語は聞くものの、違いをよく分かっていなかったのですが、なるほど…おおよそ分かりました。
    あ、この本自体はそれほどオススメではないです。iPS細胞のことを詳しく知りたい場合にはもっと別の適切な本があるでしょうし、山中教授について知りたい場合も(この後に発行された本があるという意味で)そうでしょう。

  • 山中伸弥・iPS細胞革命~不器用で整形外科医を断念した山中医師が奈良で研究職を得,皮膚の繊維芽細胞に「運び屋」を使ってOct3/4・Sox2・Kff4・c-Mycという四つの遺伝子を入れた万能細胞に変化させた。人工多能性幹細胞induded pluripotent stemcell略してiPSと名付けた。分化後の細胞を消しゴムを用いて真っ白にすると考えられているが,仕組みは未解明。人の受精卵を使うEM細胞の倫理的問題を克服し,不死身の細胞となったが,その点は癌細胞と同様であり,病人の細胞を使ってiPSとし,必要な細胞に変化させて病人に移植すれば拒絶反応は起こらずに有効だが,癌細胞を移植することになってしまうかも知らない。また医薬の現場で特定の人から作ったiPS細胞から分化させた組織がが実験台となっており,当人が死んでもその細胞だけは生き続けているという倫理上の問題も存在する。山中教授は3万の中の24個から4つの遺伝子を使って成功はしたものの,偶然という側面もあり,見落としている部分もあり,成功率は1%,1ヶ月の期間を要することも課題だ。癌化の問題はc-MykをGlis1に置き換えることで,改善したが,国際競争は熾烈で,国の支援を受けて京都大学にCiRAを立ち上げたのは迅速だった。1つの遺伝子に起こったと思われる遺伝子異状による難病の再現と再生医療への応用を進め,将来的にはcommon disease一般的な病気に広げる~現京都大学教授・山中伸弥を追いかけたNHKスペシャルの書籍化。ノーベル賞を受ければ,もっと話題になっただろうが,研究を進めるには貰わない方がベターのような気がする。細胞をリセット・デフォルト化させる技術だったんだ。卵子と精子は特に分化した細胞だが,その特徴を合体した直後にまっさらに変え,細胞分裂を開始して,ヒトとして発生する・・・確かに不思議な仕組みで,神秘とも言える。その直後からテロメアが短くなるという老化現象が起こるのだが,若返りと不死という究極の夢を幹細胞は持っていて,人工的に作ることも可能になったから,細胞革命と呼ぶのだろう。人の体は200種類・60兆個の細胞からなる・・・憶えておくべき数字! 忘れるだろうなあ。山中さんは1962年生まれ。番組は2010年9月18日放送

  • ES細胞との違いを知ろうと思い読んでみました。日本独自の技術、秘めた可能性、他国の追い上げ等とても分かり易かった。

  • 山中先生、超スゴい!な本。。。超スゴい人なのは間違いないですが、あまりに惚れすぎて冷静さを欠いているような。。。
    そして、前半と、後半のインタビューと、書いてあることは大体同じです。半分読めば大丈夫。

    本としての出来はともかくとして、iPS細胞はかなり凄まじい。パンドラの箱を開けてしまったというような・・・。
    万能細胞の切り開く未来は、基本的には明るいように思いますけれど、この薄ら寒さはなんだろう?
    ここのところ、色々な動物実験の本を読んだので、大抵のことには慣れたと思ったけど、でも「腎臓の細胞から生物できちゃった!」とか、「マウスとラットのキメラ作れた!」とかには・・・うーむ。
    理論的には、iPS細胞から精子と卵子を作って受精させる、みたいなことも、できるかもしれないそうで。。。
    まったく、人間というのはとんでもない生き物ですな。。。

  • 科学って本当にスゴイ!…と、科学音痴バリバリのからっぽな感想を抱きつつ科学音痴なりに大興奮。
    途中、正直ついていけないような難解なところもあったけど、iPS細胞に関する輪郭はぼんやりと理解できたように思う。
    その上で、この世紀の発見がもたらした思ってもみなかったような倫理上の問題を自分なりに考えてみる機会にもなった。

    勉強することって、知らなかったことを知るって、面白くて興奮することなんだと幼い頃の自分に教えたい。
    こういう本を読むと、ちゃんと基礎から勉強し直したくなるけど、だったら今からでもやってやろうじゃないかって気にならないところがどこまでも凡人なんだよな…。
    少なくともこの回のNHKスペシャル見ておけば良かったなぁ。

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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