聖書を語る―宗教は震災後の日本を救えるか

  • 文藝春秋
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本棚登録 : 184
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163743400

作品紹介・あらすじ

クロノスとカイロス、キリスト教は元本保証型ファンド、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論、『1Q84』は男のハーレクイン、日本は近代以前かポスト近代か、宗教に何が出来るのか…。共にキリスト教徒の二人が火花を散らす異色対談。

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんと中村うさぎさんの、キリスト教を軸にした対談集。
    お二人ともキリスト教徒なんですが、宗派は異なってるのかな。

    なお、中村さんの方が年上で、かつ、同志社大学で
    すれ違っていたかも、とはなかなかに示唆的でした。

    文庫は最近ですが、ハードカバー版は2011年7月の出版、
    それだけに、東日本大震災にも言及されています。

    ロシア人と日本人の“チェルノブイリ”に対する、
    その意識の比較がなかなかに興味深く。

    ロシアではニガヨモギ=チェルノブイリとし、
    それが故に“黙示録”とも紐付けたシンボルとして見ている。

    この文脈は、キリスト教徒でなければわからない、のかな。

    “メメント・モリ”、人は死ぬ、たいした理由もなく、
    それが故に「死を身近なもの」として意識する。

    キリスト教の死生観を垣間見たよう気がします。

    そうそう、エヴァンゲリオンや1Q84も題材にしていて、
    お二人の知識の幅広さが、なんとも凄いなぁ、、と。

    やはりキリスト教、知識として抑えねば、、です。

  • カルヴァン派は絶対他力なので浄土真宗に近い、バプテスト派は自己責任を尊ぶので禅宗に近いというお話が面白かった。

    宗教と文学のお話もよかった。

    佐藤優さんは知識豊富で難しい話を噛み砕いて解説して相手に興味をもたせるのがうまいと思う。

    中村うさぎさんはいい生徒役をやってらした。

    ときどき再読したい本。

  • 中村うさぎは、わかったフリをしたりしない。で、佐藤優は、投げかけられた質問に膨大な知識や経験を元に、構えずにさらっと応える。かくして、核心のようなモノに切り込んでいくのが、楽しい。

  • 他の人も書いているが、佐藤優氏の博学にはいつもながら驚かされる。

    基本は理性的で博学な佐藤優氏を教師役、感性である意味で一番人間的な生き方をしているうさぎ氏が生徒役になって、生徒が感性で真実を解き明かし、理性の先生がその理論的な説明をする感じでしょうか?

    内容は佐藤優氏の他の対談に比べてやや読みやすいと思います。また内容も簡単に読めるのでその分はいいかな?

    しかしながら、異色の組み合わせは、同志社大ですれちがったり、共にクリスチャンだったり、人間傍目からではわからないものですね。

    いろいろな意味で、面白かった。

  • 同志社大卒の佐藤優さんと中村うさぎさんがキリスト教を通して聖書、村上春樹、サリンジャー、東日本大震災を語る対談集。
    佐藤優さんの博学には今更ながらですが、さらにびっくり。
    アントニオ猪木が人質開放でイラクに行った時の話、クロノスとカイロスも面白かったです。
    500年以上も前の想像力を持つことができるのは文学を通してだけというところが印象に残りました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「村上春樹、サリンジャー、東日本大震災を語る」
      ふ~ん、、、読んでみようかな。。。
      「村上春樹、サリンジャー、東日本大震災を語る」
      ふ~ん、、、読んでみようかな。。。
      2013/02/27
  •  ともにキリスト教徒である2人の異色対談(佐藤は過去の著作でも中村うさぎを高く評価していた)。

     知的刺激に富む、上出来の対談集。
     驚かされるのは、中村うさぎが佐藤優と対等に伍していること。もちろん佐藤優のほうが博学ではあるのだが、佐藤のレクチャーを中村がただ聞いているだけ、という感じではまったくない。
     呉智英が中村うさぎのことを「この人は頭がいい。マスコミがもてはやす女性大学教授連中など較べものにならないほどの優秀な頭脳を持っている」と評していたが、本書にはその頭のよさの本領が発揮されている感じ。

     タイトルは『聖書は語る』ではあるものの、『聖書』とキリスト教そのものがテーマというより、キリスト教を媒介にしていまの日本と社会を語った本、という印象。その中で、副題になっている「宗教は震災後の日本を救えるか」という問いも俎上に載る。

  • 2回目読了

  • 2011年、震災後の対談。あんまりパッとしない

  • 聖書を読むの後にこちらを読んだが、神学に疎い私にとっては非常に勉強になることが多かった。私は異教徒(キリスト者でないもの)であるから、西洋文化を理解しようとすると神とは何か、原罪とはなんであるか、のあたりで跳ね返される思いをすることが多い。それが悔しくて聖書を読もうとしているのだが、この本を読んで、わずかながらでもその辺の理解が進んだ気がする。

  • ちょっとタイミングを逃してしまったけど、震災後より宗教に興味が出てきた自分にはピッタリの本だった。歯に衣着せぬトークで大好きな中村うさぎさんと、博識で何事にも自分らしい視点をもっていらっしゃる(もう敬語しか使えません)佐藤優さんとの対談には、興味のある事がぎっちり詰まっていて、まるで喉の乾きを癒されるような感覚を味わう。自分の信仰している宗教に疑問を抱きつつも、肌感覚として染み付いているため「そういうものなんです」とキッパリ受け入れている佐藤さんの言葉が印象的。
    文中「神様の存在を前提にすると、物事はなんでもうまく説明できるし、神学者や宗教学者はすぐにそうするんだけど、それは間違ってると思うんですね。なぜなら、現代において神様は収縮して小さくなり、そのぶん人間に自由をくれたわけです。だから人間は、自由の限界まで自分たちの力でやらなければならない。そうして初めて宗教というものが我々の前に現れてくるんだと思うんですよ。」という言葉。宗教=思考停止という思いがある自分にとっては腑に落ちる言葉だった。
    村上春樹の「1Q84」に関して二人が語っているのも非常に面白かった。

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著者プロフィール

作家・元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対露外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し外務省を失職。05年発表の『国家の罠』で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

「2018年 『宗教と生命 シリーズ:激動する世界と宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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