宗教は震災後の日本を救えるか 聖書を語る

  • 文藝春秋
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本棚登録 : 206
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163743400

作品紹介・あらすじ

クロノスとカイロス、キリスト教は元本保証型ファンド、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論、『1Q84』は男のハーレクイン、日本は近代以前かポスト近代か、宗教に何が出来るのか…。共にキリスト教徒の二人が火花を散らす異色対談。

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんと中村うさぎさんの、キリスト教を軸にした対談集。
    お二人ともキリスト教徒なんですが、宗派は異なってるのかな。

    なお、中村さんの方が年上で、かつ、同志社大学で
    すれ違っていたかも、とはなかなかに示唆的でした。

    文庫は最近ですが、ハードカバー版は2011年7月の出版、
    それだけに、東日本大震災にも言及されています。

    ロシア人と日本人の“チェルノブイリ”に対する、
    その意識の比較がなかなかに興味深く。

    ロシアではニガヨモギ=チェルノブイリとし、
    それが故に“黙示録”とも紐付けたシンボルとして見ている。

    この文脈は、キリスト教徒でなければわからない、のかな。

    “メメント・モリ”、人は死ぬ、たいした理由もなく、
    それが故に「死を身近なもの」として意識する。

    キリスト教の死生観を垣間見たよう気がします。

    そうそう、エヴァンゲリオンや1Q84も題材にしていて、
    お二人の知識の幅広さが、なんとも凄いなぁ、、と。

    やはりキリスト教、知識として抑えねば、、です。

  • 私はキリスト教徒ではないし、聖書に関しても朧げな知識しかないのですが、それでも読んでいてとても興味深く、面白かったです。
    信者ではない人にもおすすめできる、というより違う世界を知るという意味で信者ではない人こそ読むべきだと思いました。

  • カルヴァン派は絶対他力なので浄土真宗に近い、バプテスト派は自己責任を尊ぶので禅宗に近いというお話が面白かった。

    宗教と文学のお話もよかった。

    佐藤優さんは知識豊富で難しい話を噛み砕いて解説して相手に興味をもたせるのがうまいと思う。

    中村うさぎさんはいい生徒役をやってらした。

    ときどき再読したい本。

  • 中村うさぎは、わかったフリをしたりしない。で、佐藤優は、投げかけられた質問に膨大な知識や経験を元に、構えずにさらっと応える。かくして、核心のようなモノに切り込んでいくのが、楽しい。

  • 他の人も書いているが、佐藤優氏の博学にはいつもながら驚かされる。

    基本は理性的で博学な佐藤優氏を教師役、感性である意味で一番人間的な生き方をしているうさぎ氏が生徒役になって、生徒が感性で真実を解き明かし、理性の先生がその理論的な説明をする感じでしょうか?

    内容は佐藤優氏の他の対談に比べてやや読みやすいと思います。また内容も簡単に読めるのでその分はいいかな?

    しかしながら、異色の組み合わせは、同志社大ですれちがったり、共にクリスチャンだったり、人間傍目からではわからないものですね。

    いろいろな意味で、面白かった。

  • 同志社大卒の佐藤優さんと中村うさぎさんがキリスト教を通して聖書、村上春樹、サリンジャー、東日本大震災を語る対談集。
    佐藤優さんの博学には今更ながらですが、さらにびっくり。
    アントニオ猪木が人質開放でイラクに行った時の話、クロノスとカイロスも面白かったです。
    500年以上も前の想像力を持つことができるのは文学を通してだけというところが印象に残りました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「村上春樹、サリンジャー、東日本大震災を語る」
      ふ~ん、、、読んでみようかな。。。
      「村上春樹、サリンジャー、東日本大震災を語る」
      ふ~ん、、、読んでみようかな。。。
      2013/02/27
  • 宗教
    思索

  •  ともにキリスト教徒である2人の異色対談(佐藤は過去の著作でも中村うさぎを高く評価していた)。

     知的刺激に富む、上出来の対談集。
     驚かされるのは、中村うさぎが佐藤優と対等に伍していること。もちろん佐藤優のほうが博学ではあるのだが、佐藤のレクチャーを中村がただ聞いているだけ、という感じではまったくない。
     呉智英が中村うさぎのことを「この人は頭がいい。マスコミがもてはやす女性大学教授連中など較べものにならないほどの優秀な頭脳を持っている」と評していたが、本書にはその頭のよさの本領が発揮されている感じ。

     タイトルは『聖書は語る』ではあるものの、『聖書』とキリスト教そのものがテーマというより、キリスト教を媒介にしていまの日本と社会を語った本、という印象。その中で、副題になっている「宗教は震災後の日本を救えるか」という問いも俎上に載る。

  • 2回目読了

  • 2011年、震災後の対談。あんまりパッとしない

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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