- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163745800
作品紹介・あらすじ
鈴木貫太郎内閣を引き継いで、戦後初の首相となった東久迩宮稔彦王。日本の危機には「切り札」として、いつもこの名前が出た。日米開戦の直前には、東条英機も東久迩宮を首相にと望んだ。明治天皇の皇女を妃とし、陸軍軍人として重きをなす。その一方で、臣籍降下騒動、女性問題、右翼との危険な関係を抱える。その仰天の人生を初めて明らかにした傑作評伝。
感想・レビュー・書評
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戦前の皇室の「問題児」にして、戦後最初で最後の皇族首相となった東久邇宮稔彦王の評伝。前半生についてはよく調べているが、戦後の皇籍離脱後の後半生は全く言及がなく、評伝としては中途半端なのが残念。
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皇室・皇族研究の分野では定評ある著者による、「連作・伏見宮一族探求」の一。
明治天皇の女婿・昭和天皇皇女の舅・皇族総理・伝統になじめなかった「現代的」な性格等々、このジャンルに興味のない21世紀人に対するフック多めなキャラクターを取り上げてはいるが、やはりある程度の予備知識は前提とされる。
が、ハマる人にはものすごくハマる力作ではなかろうか。個人的にはめちゃくちゃ面白く読んだが(二度とも)、某所であまり感心していない風のレビューに接してそう思った。
そもそも最初のつかみからして、「稔彦王と鳩彦王の序列は実は逆だった!」と言われても、彼らのことを知らない人には「実は」も何もないであろう。ここで「えええーっ!」とのけぞる人を対象に書かれた本…と言ってしまうと、みずからニッチに堕しすぎだろうか。
2017/3/16再読