絵のある自伝

著者 :
  • 文藝春秋
3.66
  • (14)
  • (30)
  • (29)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 240
感想 : 41
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163747002

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 絵はいいな~

  • 大正15年生まれ(=昭和元年)の著者の幼年時代から今日に至るまでの自伝エッセイ集。2011年2月(たまたま東日本大震災の前の月)掲載の日経新聞「私の履歴書」をベースに別紙掲載のいくつかのエッセイを加え加筆したものだとのこと。37の小品の一つ一つが人生の断片のスケッチで、印象的な数々のエピソードや挿絵と相俟って、まさに絵のある自伝となっている。
    著者はこの本の中で、記憶力は創造性とは関係ないというようなことを述べられていたが、この本を読む限りご自身の記憶力は相当なものだと感じた。最後の章でご自身の空想癖(妄想とは違う)について述べられているが、この空想力こそが記憶力と創造性の触媒として働いているように思った。
    特に印象的な章を一つ挙げるとすれば、「つえこのこと」を挙げたい。恵まれない境遇にありながらいつも笑顔を絶やさなかった幼馴染みのつえこに六十年ぶりに再会する話だが、著者の幸福観、人間観がよく見て取れて、著者の絵を見るときのように優しい気持ちになれる。

  • そもそも画家の文章が好きなので、この自伝エッセイも楽しく読めた。
    「絵のある」とタイトルになっている通り、美しく、文章にあった絵が数多くついているので、2倍楽しめる感じ。

    年代順に並んでいて、どのエピソードも時代や人や風景や・・・多くを写し取っていて味わいがあるが、特に、生まれ育った津和野時代の思い出が良かった。

  • 安野さん、好き。なんだか親近感湧いた。

  • ほのぼのとしたイラストがたくさん載っていてパラパラと見ているだけで楽しい。

    自伝の方は、思いつくまま語ったという風で、わかりにくいところも多々あるが、それはそれでいいのであろう。

    戦前戦中戦後と時代の波に翻弄されることもあっただろうが、気負いの無い淡々とした語り口とやさしいタッチの挿し絵が、いろいろな困難を何気ないものとして昇華させているような感じがした。

    昔買った絵本をもう一度ひらいてみようかなという気にさせられた。

  • 空想犯 の年賀状の話は面白く読みました。

  • 絵が何ともほのぼのとしていて、
    絵が載ってあるページに来ると、
    嬉しくなった。

    安野光雅さんの絵が
    たくさん載っている本を手元に
    置きたいと思う。

  • 安野さんの真っ直ぐで素朴な人柄の伝わる文章で、もちろん絵も素敵です。

著者プロフィール

安野光雅(あんの みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。

「2023年 『文庫手帳2024』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安野光雅の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×