人魚はア・カペラで歌ふ

  • 文藝春秋 (2012年1月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784163748207

みんなの感想まとめ

多彩なテーマが織り交ぜられたこの作品は、知的な探求心を刺激しつつ、ユーモアとエロティシズムを交えた内容が魅力です。著者は、古今東西の文学や歴史、文化について深い洞察を提供し、時には意外な視点で読者を楽...

感想・レビュー・書評

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  • 確かに人魚に伴奏楽器奏者はいないだろう。
    丸谷才一のエッセイは、古今東西の本をもとに様々な話題を愉しく紹介してくれて、知的満足も与えてくれる。結構、エロ話も挟んでいるんだけどね。この人から下ネタは切り離せない。阿部定の検定問題なんていうのも作成していて、本当に阿部定が好きなんだねえと思う。
    ・蜀山人のすき焼きの食べ方は、旨そうだがめんどくさい。
    ・高島俊男の「漢字検定問題の馬鹿らしさ」に賛同していて、漢字協会なんかぶっ壊せと言っている。
    ・荘子の馬鹿でかい鯤の化けた鳥とシンドバットの怪鳥の話
    ・ドイツのエニグマ暗号機の話
    ・昔の邦画の俳優たちの話。伏見直江と月形竜之介、見てみたいなあ。
    ・足利尊氏のあの有名な絵は、別の人物らしい。尊氏はもっと品格があったとか。
    ・大名行列で槍を投げ上げて違う者が受け取る槍奴には、幕府も困っていたとか。大名行列の供の物のほとんどは周旋によるものだということは言わずもがなか。
    ・小村雪岱の挿絵はビアズリーの白黒対比の手法の影響を受けていた。ああ、雪岱の実物が見たい。
    ・世界の情勢を左右した満州の大豆事情。日本のものよりは品質は落ちるようだが。
    ・ハヤカワ・ポケミスの表紙の画家が変わったこと
    ・芥川龍之介がポルノ小説を書いたという話は違う。
    ・小股の切れ上がった女という表現は、花魁道中の花魁の切れのいい歩き方を言うとか。
    ・アメリカンフットボールの練習でモーツァルトの曲を流したのは、たくさんのフォーメーションを覚えさせるため?
    ・史記の孟嘗君の描き方は、民間の講談などの対話風を取り入れたので、生き生きとしている。
    ・信長のボタン付き前あきズボンの話
    ・ハプスブルグ帝国での文化爛熟の話

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      早速有難うございます、、、
      二首目の『さ夜ふくる窓の灯、、、』良いですね。
      チョッと光厳院関連の本を読みたく ←こ...
      goya626さん
      早速有難うございます、、、
      二首目の『さ夜ふくる窓の灯、、、』良いですね。
      チョッと光厳院関連の本を読みたく ←こればっかり。。。
      2020/11/15
    • goya626さん
      二首目とは、いいところに目を付けますね。こういう近代人の自意識とも通じるような和歌は、光厳院独特のものです。七首目などは、祖母の永福門院から...
      二首目とは、いいところに目を付けますね。こういう近代人の自意識とも通じるような和歌は、光厳院独特のものです。七首目などは、祖母の永福門院から受け継いだ歌風ですね。
      2020/11/15
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      goya626さん
      ニャー
      goya626さん
      ニャー
      2020/11/15
  • 尊敬する丸谷氏の新作。
    あちらこちらに話は飛ぶが、散らばっている感覚は全くなく、広いからと言って浅くもない。政治のようなお堅い話から猥雑な話まで満載で、笑いながらも勉強できる。87歳とは思えない柔軟な発想。文章を読むと、日本語のプロはこう書くのか、とつい考えてしまう。
    楽しい読書の時間を更に楽しくさせて頂きました。文句なしの★5つ。

  • まあ再読三読になるだろうからあれだけど。調べ物が多くなってきたなあ。

  • 2012年1月刊。丸谷は12年9月に亡くなった。もとは「オール讀物」09年~11年連載。
    375ぺージ、全24篇。めくるめく展開が魅力。とても80代半ばの人が書いたものとは思えない。以下はマイベスト3。
    「人さまざま」。雑誌「日経サイエンス」の愛読者だという。その最新号の特集はいろんなものの「起源」。いくつもあるなかで、丸谷の目に留まったのは、調理とバイブレータ。前者についてあれこれウンチクを披露し、後者については、ヒステリーやフロイトを紹介したあと、しっかり下ネタで締めくくる。
    「歴史とレインコート」。考古学の森浩一がいうには、東洋史の江上波夫が着ていたトレンチコートがたまらなく恰好よかった。同じものがほしいと探し回り、はてはバーバリの本店まで行くのだが……。でもこれは枕。ここから、江上の騎馬民族説と、志賀島の金印(「漢委奴国王」)をめぐる森の説の紹介が始まる。(トレンチは塹壕の意。もとは第一次大戦でイギリス軍が着用していたコートだというトリビアも紹介している。)
    「人間的関心」。雑文とはなにか。旧友・野坂昭如がいうには、それは冗談・雑学・ゴシップの3本柱。丸谷、自分のエッセイ集『青い雨傘』をサンプルに分類を試みる。そのあとゴシップ(すなわち人間的関心)へと話が展開し、瀬戸内寂聴の『奇縁まんだら』中のエピソードの紹介へと続く(これが捧腹絶倒もん)。ほんと、寂聴はんはhuman interest(意訳すれば煩悩か)のかたまりだもんね。丸谷先生も同類だけど。
    残念なことに、まだ文庫になっていない。

  • 話題があちらに飛びこちらに潜り、読んでいて楽しく蘊蓄も増える。何より分かりやすいのがよく、挿絵も素敵だ。

  • 「博覧強記」がペンを持てば
    こんな 文章になるのでしょうね

    こっちかと思えばあちらへ
    堅いと思っていたらいつの間にか柔らかく
    縦にも横にも
    過去にも未来へも
    政治の話を読んでいたらいつの間にやら性事の話に

    縦横無尽に
    疾風怒濤の言葉達に
    振り回される
    それが実に気持ちよい

  • オール讀物に連載中のエッセイの最新刊。自身のエッセイを雑文として、野坂昭如の定義により雑文とは、ゴシップ、雑学、冗談(偏痴気論または猥談)としているが「人間的関心」、ここに収められている24編は、この3種またはその組み合わせで、いつも通り楽しめた。雑誌連載は、続いているので、知的好奇心旺盛な今年87歳の文化勲章受賞者のエッセイを読む快楽は、まだまだ期待できそうだ。

  • 丸谷才一のエッセイ集
    いつ読んでも良い
    「鍋の底を眺めながら」
    「検定ばやり」
    「象鳥の研究」
    「浮気な蝶」
    「007とエニグマ暗号機」
    「敵役について」
    「村上春樹から橋本夢道へ」
    「北朝びいき」
    「人さまざま」
    「槍奴」
    「古雑誌の快楽」
    「小村雪岱の挿絵」
    「赤い夕日の満州」
    「ハヤカワ・ポケミスのこと」
    「エロチックな方面」
    「新・維新の三傑」
    「歴史とレインコート」
    「小股の切れ上がつたいい女」
    「人間的関心」
    「モーツァルト効果」
    「歴史の書き方」
    「ズボンのボタン」
    「好きな帝国」
    「姦通小説のこと」

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著者プロフィール

大正14年8月27日、山形県生まれ。昭和25年東京大学文学部英文学科卒。作家。日本芸術院会員。大学卒業後、昭和40年まで國學院大學に勤務。小説・評論・随筆・翻訳・対談と幅広く活躍。43年芥川賞を、47年谷崎賞を、49年谷崎賞・読売文学賞を、60年野間文芸賞を、63年川端賞を、平成3年インデペンデント外国文学賞を受賞するなど受賞多数。平成23年、文化勲章受章。著書に『笹まくら』(昭41 河出書房)『丸谷才一批評集』全6巻(平7〜8 文藝春秋)『耀く日の宮』(平15 講談社)『持ち重りする薔薇の花』(平24 新潮社)など。

「2012年 『久保田淳座談集 暁の明星 歌の流れ、歌のひろがり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

丸谷才一の作品

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