おいで、一緒に行こう 福島原発20キロ圏内のペットレスキュー

  • 文藝春秋 (2012年4月23日発売)
4.04
  • (32)
  • (62)
  • (17)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 308
感想 : 73
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784163753003

みんなの感想まとめ

福島原発20キロ圏内に取り残されたペットたちを救うために活動するボランティアの姿を描いた作品は、震災後の人々と動物たちの切実な物語を伝えています。避難を余儀なくされた飼い主が愛するペットを残して去る中...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  ヒヤマトモヒロさんが読まれてたので気になった作品、前作の「君と一緒に生きよう」とあわせて読むことをすすめていただきありがとうございました。ホント、色々考えるきっかけにこの2作がなりました。

     この作品は福島原発から20キロ圏内に残された動物を救うべく、自ら圏内に潜入して保護活動を続けてきたボランティアを取材したものです。東日本大震災発災後に避難を余儀なくされた住民たち…他者に迷惑をかけられない、落ち着いたら迎えに来るとペットを残したまま避難したのでした…。それまで、飼い主に可愛がられて大事に育てられただけに、その後の立ち入りが制限され満足に食べられない状況に突然おかれるのって…本当に辛いです。なので、保護活動もペット達の警戒が強いこともあって大変だったようです。

     保護後、飼い主と再会できたペットもいたけれど、再会しても以前のように一緒に暮らせない環境で、ペットも飼い主もお互いを求めあっているのに、元通りになれない「カイ」のケース…「原発事故さえなければ…」と飼い主のおばあちゃんは嘆きます。ちなみに、おじいちゃんは福島での仮設住宅での生活、おじいいちゃん以外の家族は茨城で避難生活をと、一家バラバラの生活でした。保護活動に現在も尽力されているボランティアの皆さん、尊敬します。森絵都さん自身も書くことに悩まれたことのことですが、私は知ることができたので本当に良かったです。「絶望に向かって希望を拾う」まさに、そういうことでした。

    ※平成23年の東日本大震災発生当時、避難指示区域で飼われていた犬と猫はおよそ1万6,500匹いました。 しかし、まだ同行避難の原則が広く知られていなかったこともあり、飼い主とともに同行避難したのはわずか1,670匹でした。 自宅に残され、津波や家屋倒壊などで犠牲となったペットも多数報告されています。同行避難が推奨されるようになったのは、その反省を踏まえてということのようです。

    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      そうですよね!
      家族と同じように一緒に生活してきたのに
      それが突然奪われる悲しみは、受け入れが...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      そうですよね!
      家族と同じように一緒に生活してきたのに
      それが突然奪われる悲しみは、受け入れがたいでしょうね…。
      その気持ちを察してボランティア活動を
      続けてくださっている方々には感謝しかないです。
      2024/10/07
    • 1Q84O1さん
      様々な場面で活動されているボランティアの方々はすごいですよね!
      尊敬です!
      様々な場面で活動されているボランティアの方々はすごいですよね!
      尊敬です!
      2024/10/07
    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      ホントそうですね!!
      ペットレスキューだけでなく
      発災後、さまざまな形で
      ボランティアさんが...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      ホントそうですね!!
      ペットレスキューだけでなく
      発災後、さまざまな形で
      ボランティアさんが活躍されていますもんね!
      2024/10/08
  • 福島原発の20キロ圏内では現在でも取りのこされているペット達がいる。
    そしてそのペット達を一匹でも多く救おうと活動を続けるボランティアの人達がいる。
    森絵都さんはその様子を取材し一冊の本にまとめた。

    ボランティアをする事が正しいのか正しくないのか、本を出版することが正しいのか正しくないのか。
    森さん自身も何度も戸惑い苦悩する様子が伝わってくる。

    離れ離れになってしまったペットとその飼い主。
    過酷な環境下にあっても餌を与え続ける地元住民や、ペットを救おうと警察の目をかいくぐって活動するボランティア。
    森さんは感情を入れずに淡々と記録しようと努力はしているが、取材対象は救おうとする側に限られる。
    そうなるとなぜ20キロ圏内がバリケードで封鎖されているのか、なぜ自治体によるペット救出が行われないのか、どうしても本質が隠れてしまうような印象を受けた。
    放射能レベルが高い地域でマスクを簡単に外してしまう記述や、キャンプを張ってまで動物たちを救出しようとする姿にどうしても違和感をぬぐいきれなかった。

    もちろん一匹の犬が飼い主の家族、とりわけおばあちゃんに再会する場面は涙なしには読めなかったし、飼いたくても飼えない状況下にある切なさには心が痛んだ。

    考えれば考えるほど分からなくなる。
    何が正しいのか何が間違っているのか。
    出来る限りフラットな状態で考える必要があるとは思う。
    でも最後の最後は己の信念に従うしかないのか。
    色々なことを考えされられる本だった。

    最後に、ブクログ仲間さんは猫好きが多いようなので・・・。
    猫は絶対に置いてきてはダメだそうです。
    猫は捕獲が非常に難しいみたいです。
    万が一(の事があっては困りますが)の時は、迷わず飼い猫連れて行くことをお勧めします。

  • 有川ひろエッセイより。

    今から約9年前に出版されたペットレスキューの本。
    当時立ち入り制限20㎞圏内に潜入して、取り残されたペット達を救出するボランティアの人達を取材したものだ。

    震災からもう少しで10年が経とうとしている。
    原発のニュースがテレビで放送されなくなり、広島原爆のように、○周年、とこの時期になると特番が組まれる程度。

    家が流されて、やっと建てたのに、また2021/2/13に震度6の地震…10年経っても余震が続く…
    日本はやはり災害大国であり、自然の猛威を畏れず住むことは難しい。

    そんな中で、有川ひろさんのエッセイを読んで、この本にたどり着く。
    当時自分は都心で無事にも関わらず、何もできず、故郷を失ったことにただ呆然としている中、
    全く現地に関わりがないのに、母性と義憤でペット達を助けようと奮闘した人達がいた。
    その事にまず衝撃を受ける。
    作品の中、猫シェルターの話があり、今どうしているかと調べたら、NPO法人SORAという名で、10年経ってもまだ存在していた。
    10年経っても被災ペットの保護が終わらない&運営が続いていた事に驚き、ささやかだが寄付を行った。

    警察や行政機関が悪のように記載されているが、
    彼らも仕事ではあるんだろう(実際にボランティアを装って避難所で事件を起こしたり、半壊した家から家財を持ち出す盗人は確かに横行した。ただ、立ち入り禁止区域に関しては遅すぎるという感想は確かにそうかもしれない)。
    でも、ペットを救いたいのに支援どころか、活動を認めてもらえず、救えるペットを救えない悔しい気持ちが、そのまま文中から伝わってくる。

    この本から森さん含め、現地の活動する彼らが、不足する資源や資金に悩んだり、立ち入り禁止区に踏み込んで、警察に捕まったり被爆する可能性も考えたり、保護したペットを引き取れない被災者達の状況を見て悩んだり、助けられなかった事を後悔したり、当事者にならなければ感じれないその時の感情が、森さんの視点からも感じられた。

    その母性と行動力の源はなんだろうか。
    かわいそう、何とかしなきゃ!という理由で動ける人達を少しでも見習って、自分の中でできることを少しだけ増やしてみようと思えた。

  • 森さんが同行したのは福島第一原発から20km圏内の、立ち入り禁止区域。人間に打ち捨てられた動物たちを、それこそ命をかけてレスキューする人々。

    森さんの動物ルポです。311のあと、置き去りにされた福島の動物たち、とりわけ立ち入り禁止になったために飼い主たちですらどうにもできなくなってしまった原発から20km圏内のペットのレスキューに挑む人たちの思いをたどります。
    311や熊本地震などで避難生活が始まるとかならず行き場のない動物たちが生まれてしまいます。そうした動物たちを行政が救うはずもなく、必死になってどうにかしようとするのはいつも民間のボランティアだったりします。かねてから関心のあった災害のペットレスキューについて少しでも知りたかったので手に取りましたが、置き去りにされて餓死したり、ガリガリに痩せてさまよったり、お尻に蛆がわいたりと、目を覆いたくなる惨状が待ち構えている20km圏内で、少しでも多くの命を救いたいと、法を冒してまで動く人たちの姿には胸が熱くなりました。レスキューした動物たちは新しい居場所や飼い主を探さなければならないケースもあります。そんな中で半年以上経ってから再会を果たした犬とおばあちゃんのエピソードでは、その顛末も含めて涙が止まりませんでした。
    家族だったり大切な存在だったりするのに、置いていかなければならない心情や置き去りにされる動物たちの悲しみというのは察して余りがあります。軽妙な文章ながらも、やり場のない怒りと悲しみのにじみ出るルポタージュだったと思いました。
    こうしたケースにかかわらず、少しでも行き場のない動物たちが減りますように。同じく行き場のない動物たちに視点を当てた森さんのルポ「君と一緒に生きよう」と一緒にお読みください。

    • かなさん
      ヒヤマトモヒロさん、おはようございます。
      森絵都さんの作品なんですね…
      ちょっと意外な感じもしましたが、
      逆に読んでみたくなりました。...
      ヒヤマトモヒロさん、おはようございます。
      森絵都さんの作品なんですね…
      ちょっと意外な感じもしましたが、
      逆に読んでみたくなりました。
      ヒヤマトモヒロさんには愛犬がいらっしゃるんですね。
      これまで読まれた作品、犬をテーマに扱った作品が多いですね!
      この作品、図書館にありそうなので、いつか読んでみたいです。

      この度はフォローしていただきありがとうございます。
      これからどうぞよろしくおねがいします。
      2024/04/24
    • ヒヤマトモヒロさん
      かなさん、コメントとフォローバック、ありがとうございます。動物の本や絵本を多く紹介してくださっていたのでフォローさせていただきました。よろし...
      かなさん、コメントとフォローバック、ありがとうございます。動物の本や絵本を多く紹介してくださっていたのでフォローさせていただきました。よろしくおねがいします。

      犬と猫と暮らしていることもあって動物の話が好きです(どっちかというと犬派)。森絵都さんは保護犬の取材をけっこうされていたようで、確かに意外ですね。機会ありましたら「君と一緒に生きよう」もとても良いので読んでみてください。
      2024/04/24
  • 東日本大震災で福島の被災地に取り残されたペット達。ペットを救うために立ち入り禁止地域に何度も何度も向かい、自らを省みず命を救い続けた人々のルポタージュです。止むを得ずペットを残して非難した人たち。ペットも家族なので胸が痛みます。何故残したのかという人たちもいるでしょうが、そりゃみんなつれて逃げたかったでしょう。でも、他の人たちに慮って避難所につれていくことが出来なかった人が沢山います。文中でも迷惑なんて省みずにつれていけばよかったと後悔している姿が描かれています。非難した時はまたすぐ戻れると思っていましたからそりゃそうです。
    ペットレスキューをしている人たちは完全なるボランティアな上に、立ち入り禁止地域に入っている為警察や自衛隊からも冷たくされ、あまつさえ保護した犬猫を戻してこいという始末。どこの口が言った??と読みながら憤懣やるかたなしです。行政は人を救うことに精いっぱいだとしたら善意の人々のサポート位はするべきではないかと強く思いました。

    警戒して近寄れない犬も沢山いるようですが、人間を見ると嬉しそうに寄ってくる犬たちが沢山いたようです。犬は人間の友達ですよね。置いて行かれても飼い主を待っていえから離れようとしない犬も切ない。

    森絵都さんの優しいひとがらが良く出たとても意義のある本です。でも出来れば行政や国への突っ込みや取材も欲しい所でした。実際に見て参加した人でしかも直木賞作家という肩書も有るのだから、もっと影響力出して行ってもよかったのではないかと思った次第です。

  • 有川浩さんがエッセイの中で紹介してた一冊。
    東日本大震災の福島原発付近でペットレスキューの活動をしている人たちに密着したルポ。
    避難する時ペットを連れて行けなかった飼い主さんがたくさんいて、すぐ帰れるからと思ってたら、原発20km圏内は放射線の危険性があるから戻れなくなってしまった。そのせいで取り残されたペットや家畜の多くは餓死や衰弱で死んでしまったという事実。
    このような中でボランティアで活動してる人がたくさんいて、入ってはいけない禁止地域にこっそり侵入し、多くの犬や猫たちを保護し、里親に繋ぐなどしている。
    悲しいのは、被災者の飼い主さんたちは、ペットを取り戻したくても、避難所だったり仮設施設はペット禁止だから、取り戻すことができないこと。誰も悪くない。誰も悪くないけど、でも、原発事故さえなければ。というおばあちゃんの言葉。泣いてしまった。

  • 自宅に犬や猫、家畜たちを置いて避難した人々のことを思うと苦しくなる。ごはんと水を用意して出ていっても迎えにいけるのはいつなのか、人間がいない町で動物たちはどうやって暮らしていくんだろう……そう思いながら行政の管理するままに避難することに。
    ボランティアの方々が有刺鉄線やバリケードを越えて区域内に入るところは胸が熱くなった。私も同じようにしたいと思うし実際にするだろう。
    本の中には人間のひどい部分もあるし現実的に断念せざるを得ない事情もあったのかもしれない。今できることをする人、茫然とする人、未来に絶望する人…いろんな人がそれぞれこの震災を捉えたと思う。
    不満な点としては、行政は人間しか優遇しないところ。放射能のことがあるし責任や問題を抱えたくないのが目にみえた。人間は救って動物は見捨てるのか。動物たちの救助に率先できなくてもボランティアの方々に少しの援助や許可は出せるはずだ。たとえ一匹だけでもどんな状態でも飼い主は安心したり心の整理がつくと思うから。

  • 作家の森絵都さんの視点を通して語られる、福島原発20キロ圏内でのペットレスキューの現実。

    避難勧告に従い、ペットを置いていかざるを得なかった圏内の人達。
    置いていかれた、ペットや家畜たちを救出しようと潜入し続けているボランティアの人達。それを取り締まる警察や自衛隊。震災直後のニュースではその存在がとても頼もしく思えた警察や自衛隊が、なんだか恨めしく思えてしまった。
    もちろん、圏内へ無断で足を踏み入れるのは違法行為で、ボランティアの人達も自分たちの行いが正しいかは分からないと口にしている。
    それでも潜入し続けている、ペットを救出し続ける、その動機はなんなのだろうと森さんがボランティアの人達に訊ねると、皆が口を揃えたみたいに「母性」と答えていたのが印象的だった。そうか、母性か。なんて納得してしまうだけの説得力が「母性」って言葉にはあるんだなぁ。すごいな、母性。

    飼い主との再会の場面や、保護された犬から生まれた子犬を迎える家族、思わず顔が綻んでしまう写真が添えられている一方で、力尽きた猫の写真なども添えられている。
    森さんが、どこまでありのままに書いて良いのか思い悩んだ、その苦悩と共に、これらはすべて現実なのだと改めて痛感した。

  • 東北大震災の影響で取り残されたペット達のレスキューのお話。当時はボランティアの方々が身を挺してレスキューにあたっていて、その時の大変さや苦しさが著者がありのまま見た内容で語られている。これを読んで、動物保護活動の在り方について想像でしか状況を掴めていなかったと反省させられました。そして、今後深く携わっていきたいと思いました。

  • もう涙しかなく…当時何も出来なかった自分を思い出した。あの日南相馬市にいた私はこの手の本を見るまでに11年かかった。これが正しいとか間違ってるとかではなく、ただ命の前に素直に行動された方々へ尊敬の念しかない。保護された子たちの幸せを願わずにはいられない。

  • 東日本大震災の時に実際にあったペットレスキューの話。
    カイの話が特に感動した。
    飼いたくても飼えない。その現実がとても胸にささった。
    こういうことが実際にあったんだと多くの人に知ってもらいたいと思った。そして、これをしることで自分が実際に災害にあった時、大切なペットをどうするか。どうすれば守れるか。一緒にいられるかを考えるきっかけになって欲しい。

  • 森絵都さん「おいで、一緒に行こう」読了。福島ペットレスキューのボランティア活動の実態を写真も交え描かれた本。福井県在住の女性「中山さん」の福島原発20キロ圏内のレスキュー活動を森絵都さんが取材。現地に残された犬、猫を保護したり、飼い主や里親探しの様子が描かれています。ペットと離れ離れになった飼い主の悲しみや後悔、誰もいない我が家を必死で守る犬など、ズシリと心に残る内容で、自分の想像以上のものでした。特に甲斐犬に似ている「カイ」の話に号泣。この本で森さんは福島の現状を、真実を少しでも多くの人に知ってほしいと綴っています。ペット好きな方以外でも、是非、多くの方に読んでもらいたい。感動しました。

  • 東日本大震災により被害をこうむったのは人間だけではありません。人間の伴侶とも言える犬や猫のペットから、家畜の牛や豚までがその被害をうけました。一緒に暮らしたくても元のように暮らせない、そんな苦しみ。人間もペットも早く元の生活に戻って幸せになるように願うばかりです(むしろ、願うことしかできないのが申し訳ないんですが…

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「願うことしかできないのが申し訳ないんですが… 」
      私も、、、でも忘れてないコトが大事かと(言い訳に聞こえる?)
      「願うことしかできないのが申し訳ないんですが… 」
      私も、、、でも忘れてないコトが大事かと(言い訳に聞こえる?)
      2014/06/12
  • 福島第一原発の事故により避難を余儀なくされた住民たちは、飼っていたペットを置いていかなくてはならなかった。

    避難生活が長くなり、餌や水がなくて命を落とす犬や猫がたくさん出てきた。

    その犬や猫たちを救出するべく全国からボランティアが活動していた。

    そのボランティアさんを森絵都さんが取材して、原発20キロ圏内のペットの現状をありのまま書いた話。

    ペットをレスキューするために避難地域に入るのは許されていないため、警察や行政に見つからないように、コソコソ活動しなければならないこと。

    時間が経ってしまい、ペットたちが警戒して暴れたり逃げたりして保護が難しくなっていること。

    保護した後の受入先が足りないこと。

    簡単ではないペットレスキューの大変さが伝わってくる。

  • 本日の返却本の中の一冊です。
    そして、予約が入っている本です。
    次の予約者は英語の教員ですが、このような本に興味を持っていただけるということが、個人的に嬉しく思います。

    司書宅には猫が4匹います。
    人から貰い受けた猫が1匹、後は捨て猫や野良猫です。
    司書宅の自治会では最近、猫がいるから保健所に連絡を、野良には餌をやらないで、ということが言われています。
    平和で、満ち足りている自治会で保健所・・・、困難に満ち溢れている福島原発20キロ圏内での、ペットレスキュー隊。ペットを助けるために必死な方々。
    この違いはどこにあるのでしょう。
    現場では多くの血が流れているらしいです。その血はペットを助けようとしている方々がペットにかまれたり、引っかかれたりした時の血。
    多くの生きとし生けるものが、助かりますように・・・。

  • 福島第一原発20㎞圏内に残されたペットの保護活動をしている市民団体に筆者が取材・同行したことを毎日新聞に連載されたものの単行本化。

    私は所謂「動物モノ」がダメだ。
    古くは映画「ハチ公物語」には本気で心身ともに具合が悪くなる程泣き、これは二度と見てはいけないと心に決めたのにも関わらずついついTVでそれもあのエンドロールだけを我慢できずに観てしまい案の定具合を悪くした。

    最近では村上たかしさんの「星★守る犬」に漫画で泣かされ映画館でも「涙を流す」なんて可愛らしいものではなく嗚咽状態で大変な目にあった。
    あの時たまたま同じシネコンに居た人は「そこまで泣くか・・・?」とドン引きさせた上にそんなに泣かれてはこっちの涙が引っ込むわ!とツッコミたかったかもしれない。
    正直すまんかった_| ̄|○

    話を戻そう。
    この作品には壮絶な環境に置かれたペット達が、ある子は元の飼い主へ、ある子は新たな飼い主さんへと第二第三の犬生を送ることが出来たほんの一部のハッピーエンドなお話と、大多数の哀しい最期を迎えざるを得なかった子達の命が綴られています。

    twitterでは山路徹さんがとらまろ通信として同じ20㎞圏内ペットの保護活動をされている内容を垣間見ていましたが、実際は山路さん以外にももっと多くの小規模団体のペットレスキューが行われていて、でもそれらがメディアによって私の目に届くことは無く、探してまでそれらの情報を得てしまうと自分が何がアクションを起こさない事による罪悪感を恐れてなるだけ避けてきました。

    でも、知らないことには出来ない。
    放射能汚染も復興税のオカシナ使われ方も家畜の大量餓死も。

    図書館読書を始めて、ずっと好きな小説家を見つけては最寄りの図書館にある限りのその作家の作品を網羅する読書の仕方をしてきた。
    そして、重松清で3.11被災者の現実を、森絵都で取り残されたペット達の現実を見ることになった。

    何度も泣きました。
    時には嬉しい涙もありましたが、ほとんどは辛い辛い辛い涙でした。

    どうしようもないこともある。
    どうしようもない人がいる。
    どうにかしようとしている人もいる。

    誰にでも勧められる本ではありません。
    でも知って欲しいと思う気持ちもあります。
    巻末の写真のわんこ達の笑顔に救われる気持ちになれましたが、彼らが見てきた味わってきた不安や恐怖・飢餓や寒さを思うと「帰って来られて良かったね」なんて軽々しく言えません。

    済んでしまったことを言っても仕方ないけれどあの日以来何度思ったかしれない言葉をまた思います。

     原発事故さえなければ

    今は少しは行政のサポートがあるようですが、何よりも民間との連携が急がれると思います。
    20㎞圏内に未だにいるかもしれないペット達全てが、人間への不信感を無くしまた良いパートナー(人間)と巡り会えることを祈ります。

  • ええ話、本です。泣く。

  • 東日本大震災で被災地に取り残された犬、猫を保護するボランティア活動に、作家の森絵都さんが同行した約半年間を、包み隠すこと無く書いたルポルタージュ。
    本書を読むきっかけは、被災地のペットレスキューの話を馳星周さん短編集「ソウルメイト」で読み(なお「ソウルメイト」の文庫解説は森絵都さん)、有川浩さんの「倒れるときは前のめり」で本書が紹介されていたことです。

    私は、被災地にペットや家畜が取り残されていることは、震災直後から報道されていたことで知ってはいました。
    ですが、動物たちが結局どうなったのかについては、単に最悪の結末を想像していただけでした。
    しかし、現実は、命を救うための決死のボランティアの方々がいたのです。
    犬猫の保護に成功しても、保護された先はどうなるのか。
    初めて知ることだらけでした。

    本書で書かれていることは、賛否両論あるかもしれません。
    しかし、まずは事実を知ることが何よりも重要だと考えます。
    本書は、森絵都さんの作品では、マイナーなほうになるかもしれませんが、より多くの人に読まれるべき本であると思いました。

  • こういう人たちの存在って、ありがたいな。

  • ノンフィクション
    東日本大震災

全64件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森絵都の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×