こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション

  • 文藝春秋 (2012年7月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784163754505

作品紹介・あらすじ

希望退職を強いられたサラリーマン、パチンコ中毒の妻に悩まされる夫、交通事故で新婚の息子を亡くした父親、「婚活」に翻弄される男女……本書に登場するのはけっして特別な人ではありませんが、それぞれ心の中に物語を持っています。ベストセラー『友がみな我よりえらく見える日は』で、“日本のボブ・グリーン”とも評された著者・上原さんは、無名の人たちにそっと寄り添い、話を聞きます。さりげない筆致ながら、胸には静かな余韻が残ります。原稿を読んだある方は、「まるでアキ・カウリスマキの映画のようだ」と漏らしました。押しつけではない感動と、人生への再発見に満ちた傑作コラム・ノンフィクション集です。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の人生を振り返って「負け」だと感じている人、自分に価値がなく無意味だと感じている人、希望が見えない毎日につらい人、そんな人に是非読んでほしい本。

    色んな人がいて、それぞれが色んな悩みを抱えていて、毎日色んな想いで生きている。著者が様々な人にインタビューし、綴った23のコラム。「自分だけじゃない」「こんな自分でもいいんだ」と思えたら、つらい毎日も少し和らぐ気がする。

    特に、【声にならない悲鳴】の最後が1番印象的。(以下引用)「そんなんで、よく今まで生きてこれたな」と営業部長に言われた。自分の命は自分にとって唯一無二のものなので、そこにズカズカと入り込んで干渉するのは少し無礼なことだ。周りがどんなにいおうが、私の命まで責任を持ってくれるわけではない。私は私の好きなように、生きやすいように生きてもいいはずだ。」

    本当に、本当にその通りだと思う。

  • こんな日もあるさ、こんな人もいるさといったノンフィクション。

    「こんな人もいるのか。だから自分は大丈夫」と安心するのはその人を見下しているようだけれど、著者の眼差しにはそういうものがなく、人に寄り添う。根掘り葉掘りといったことをしていないようにも思う。むしろそうした著者のような人が人生を救い上げてくれる様子に優しさを感じるのかもしれない。

  • ストレートな題名通り、読んでいてこんな日もある、こんな人もいる、色んな人生があると思わせてくれる。
    自分の人生も少し距離を取って客観視できる、視野狭窄から少し解放してくれる、そんな本。

  • かつて読んだ「友がみな我よりえらく見える日は」と同じ筆者だと思って手に取る。同じく筆者が取材したノンフィクション。良いと思う。
    ただ、20年以上前の読書を思い出せたのは、歌人石川啄木の言葉の力。

  • 会話のつなげ方が文章上で少し変わったのだろうか。ちょいと気になる。
    内容自体は過去作と変わらず、市井の人々の悲喜交々を乾いた優しい描写で紹介されている。
    「日本酒『痴虫』」の最後のやり取りがよい。

  • 今でも心に残ってた本があったけど、この作者が書いた本だった。この本も心に残る本でした。不思議ですね☺️

  • 暗い話しが多い

  • 23のノンフィクション・コラム。この世の中で生きていくことは辛いけど、でもまた嬉しいこともある。そんなことを感じる。

  • 最近むずかしい本を読んだばかりだったから、
    読みやすくて頭が休まりました。

    誰でも皆、小説の主人公なんだ。
    だって人生はそれぞれみんな違うから。

    23のノンフィクション短編集。
    ひとつひとつ考えさせられました。

    何かに悩んでいる人、読んでみたら解決策が見えてくる、かもしれません。

  • ノンフィクション短篇集。
    自分がなかなか出会うことはないであろう人達の色々な人生が垣間見れます。
    タクシードライバー、ガーナ人労働者、リストラ宣告された商社マン、自然葬の立会人、ソ連崩壊を経験し日本人の妻を持つベラルーシ人、躁鬱病と共に生きるOL、バーのママetc

    出てくる人々の生き方や考え方が本当に様々で感心したり、理解できなかったり。興味深い。

    この著者の主観をだしすぎず、淡々とでも穏やかに話を聞き見守ってる感じ、の文章が好きです。

  • 世の中どうにもならないことで溢れていて、真面目に働いている人が割りを食い、力を持った人がそれをかすめとり悠々と暮らしている。突然の事故や病気で人生の予定が狂うこともある。なんで俺が、なんで私が……そんな風に不条理な落とし穴がそこかしこに存在している

    そしてその落とし穴に自分が足を踏み外すないという保証は何もないのだ。そしてそのとき自分の身を守るのは誰でもなく自分自身なのだ

    辛い話や悲しい話も多かったけど、じんわりと心に染みる一冊だった

  • 主観がまったく入らず、淡々と著者に関わる人のありのままが静かに描かれている。落ち着いた気持ちになりたいときに。

  • 和製ボブ・グリーンと言われてるそうだが、まさにそんな感じ。でも、もっとシンプルな気がした。シンプルというか、もっと直球な感じ。人生とは、自分の物語をつくること。上原さんは、誰かの人生をなるべくいじくることなく、ストレートに伝えてくれている。無理に起伏をつくったり美化したりしてない。だから、じわじわと、沁みわたってくる。どんな人もみんな、生きてる。当たり前のことに、感動する。

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    23のノンフィクション・コラム
    早期退職や希望退職を迫られた男たち、婚活に翻弄される男女など

  • だめな人、かわいそうな人の話ばかりではない。街のスケッチ風、職場の情景、変わった趣味の持ち主……テーマも、文章のスタイルも多岐にわたる。だれもが上原さんを目の前にすると、おもわず自分のことを詳しく語ってしまうのだろうか。

  • 調子の良いとき、悪いとき。人間そんなもんだ、それで良いんだよ。こんな日もあるさ。

  • 文藝春秋の「本の話」の書評に出ていたので読んだ。
    自分の居場所を探すサラリーマン、婚活をする男性、女性、23のコラム・ノンフィクションと帯にあった。
    正論に2011年1月号から2012年4月号までに掲載されたものを1冊にした。

  • いろんな人がいることを今回もたくさん書いてあった。

  • ノンフィクションだから、当たり前だけど、ハッピーエンドばかりじゃない、救いがないこともある、それが人生だから。裏切られて会社のっとられ求職中でそのまま、パチンコ中毒の妻が諭しても口座を解約しても闇金からつまんだりして泥沼、事故で全身不随になったけれども生きていく。読んで重い気持ちのままになる話しもある。タクシーの運転手の「一歩表に出れば社長みたいなもんですから」「家族のために苦労するのは当たり前だから」「みんな、なんらかの失敗をしてここに来てる」「お客さんがいないと焦ってくるし、不安がこみ上げてくる」「くよくよしてたら病気になっちゃう」というつぶやき。「なんで」「生きたいって方向に気持ちをもっていってやれなかったのかって…」と妻の自死を思い起こす声。上司と「おい」「なんだよ」「タバコ吸い行こうぜ」「さっき吸ったよ」「そんなこというなよ、もう一回行こうぜ」とやりとりする小柄で活発だった急死した娘をめぐるものがたり。悲喜こもごも。明るいきざしが見える人もそうでない人も、よく話し合って向き合って相手のいいところがじんわりわかった人も。道に迷った時に、いろいろあってみんないい、みたいな気持ちになれて、需要があるのかな、と思ったり。

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著者プロフィール

1949年、神奈川県横浜市生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。エッセイスト、コラムニスト。記録映画制作会社勤務のかたわら、雑誌「思想の科学」の編集委員として執筆活動をはじめる。その後、市井の人々を丹念に取材し、生き方をつづったノンフィクション・コラム『友がみな我よりえらく見える日は』がベストセラーとなる。他の著書に思想エッセイ『「普通の人」の哲学』『上野千鶴子なんかこわくない』『君たちはどう生きるかの哲学』、ノンフィクション・コラム『喜びは悲しみのあとに』『雨にぬれても』『胸の中にて鳴る音あり』『にじんだ星をかぞえて』『こころが折れそうになったとき』『こころ傷んでたえがたき日に』などがある。

「2021年 『晴れた日にかなしみの一つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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