2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する

制作 : 船橋 洋一  東江 一紀  峯村 利哉 
  • 文藝春秋
3.54
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レビュー : 130
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163755007

作品紹介・あらすじ

一九六二年に日本の経済大国化を予測し、見事に的中させたグローバルエリート誌が、今後四〇年を大胆に予測。ビジネスに、教育に、あなたの未来に関するヒントが満載。

感想・レビュー・書評

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  • 読了。 さまざまな分野にわたり40年後の世界を推察するという野心的な本だった。
    日本という国については人口動態からダメな方向に向かうことが予測されており、その点以外については比較的アッパーなことが書かれているので、まぁ読んでみてくださいという感じ。

  • イギリスの有名な経済誌『エコノミスト』が2050年を予測する。内容は、国際関係から科学・文化にいたるまで幅広い。2050年までの台風の目は衆目の一致するところ中国であり、台頭するアフリカであり、世界は貧富の差を縮めていき、アメリカ絶対優位の図式も崩れていくだろう……と予測している。


    一つ一つを読むのは骨が折れるけれども、章ごとにまとめが用意されているので、疲れたらそれを読んでもいいかも。さて、日本はどうかというと、2050年には超高齢化社会になっていて、経済的にも停滞、中国との差が拡大していき国際的な存在感を失っていく……という感じ。ちょっと世の中に詳しい人であるなら、そういう見通しは水晶玉を観るよりも簡単だと思う。


    でも、この本の最後にマット・リドレー(この人が書いた『繁栄』は超面白かった)が書いているように「予測は外れる」わけだし、そういう意味において、没落する日本という未来は回避が約束されているのではないかな……と思うわけなのだ。もちろん、マット・リドレーが言うように、「レールの上で向かってくる列車を呆然と観ていたらそうなる」わけだから、日本は率先して変化の荒波に立ち向かう必要があるのだけれど。


    世の中の潮流を総合的に知りたい人にオススメ。でも、エコノミスト誌だけあって、文章は超硬い。読み慣れない人はかなり苦労するだろうと思う。

  • インターネットが知性を持つのはなにもSFの専売特許ではない!読んでて2050年、自分は生きているかわからないとふと気がつつく。日本は高齢化が先進国中、一番進む。経済や温暖化は不確定要素が多すぎて、予測は不可。核戦争の危険は冷戦時代より高い。宗教は緩やかに衰退する。(アメリカが例外とは改めてアメリカの特異性を教えられる)

  •  「世界を変革するトレンド」によって「2050年の世界を予測する」という本書は実に説得力がある。
     しかも本書の描く世界は、大きな変化はありつつも、悲観的・破滅的な世界ではなく、「2050年の世界はそれほど悪い場所ではない」という。変化を予測しつつ、世界を見つめる視線を持つ本書は、ひょっとして「必読の書」なのかもしれないと読後に思った。
     「人口動態はある程度確実に未来が予測できる指標であり、すべての予測の基礎となる」とはまさにそうだろう。しかし「出生率は世界的に低下する・・・。2050年以降、人口の増加率は急減速し、ゼロに近づいていくだろう」とは、本当にそうなるのだろうか。
     「宗教はゆっくり後退する」という。「原理主義的勢力は退潮し、最終的に地球を受け継ぐのは無宗教の勢力だ」との予測が正しければ、現在世界の一部で猛威を振るう原理主義勢力は衰えるのだろうか。
     本書の「貧しければ貧しいほど宗教に帰依する割合が高くなる」との指摘はそのとおりと思えるが、世界はこれからもっと豊かになることができるのだろうか。
     そして「不確実性が高まる」や「教育が生産性を高める」など、多くの指摘に納得する思いを持ったが、「2050年までに経済の世界規模で上位7ヵ国に残るのはアメリカのみ。あとは中国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコ」とは驚きとしか言い様がない。
     また、世界は「アジアの発展途上国全体で世界の生産高の半分近くを占めるようになる」という。この世界へと進む過程の政治的経済的軋轢は相当のものになるだろうとの感慨を持った。
     「各国間の格差は縮小し、国内の格差は拡大」するというが、日本は人口の減少により「人口一人あたりGDPも、米国を100とすると、韓国の105に比べて日本は58に沈んでいく」という。
     どうやら「2050年の世界」は、日本にとっては住みやすい世界ではなさそうである。
     本書は400㌻以上のボリュームで「人口・言語・宗教・経済・ビジネス」等を詳細に予測しているが、このような企画を実現しているイギリスの週刊誌はすごいとしか言い様がないと驚嘆した。本書を高く評価したい。

  • 1962年に日本の経済大国化を予測したエコノミストが2050年を予測したものをまとめたもの。全体を読んだ印象としては「世界の未来は明るい、日本の未来は暗い」である。将来の購買力が韓国の半分である
    日本がそうなる理由はいくつかあるが、最も大きな問題は高齢化社会と人口減少にある。当然のことであるが、これはすぐに回避できる問題ではないだけに厳しい。

    ・市場を国内ではなく海外に求めていかなければならない。
    ・高齢化社会を回避できないが、その財政負担を軽くする、海外へサービスを提供できるようなイノベーションを生み出さなければならない
    ・女性の進出を促進し、国力を増さなければならない

    日本は先人、成功経験を踏襲する傾向があまりに強い。それがイノベーションを阻害しているのではないだろうか。またオフショアで作成したモノを日本に売るというビジネスモデルは限界を迎えている。ここから変えていかなければならないのだろう

    メモ
    1章 人口の配当を受ける成長地域
    ・特定の国で人口増加率が高い。ナイジェリア、タンザニア
    ・中国は2025年に減少に転じる
    ・人口の増大、高齢化は政府のありようを一変させるだろう
    ・戦死者は1940年後半は10万人に20人の割合だったが、2000年には0.7人まで低下。これは平和な国の自殺率を下回っている
    ・日本は世界史上最も高齢化の進んだ社会であり、未踏の社会となる

    2章 人間と病気の将来
    ・高齢化、肥満化が進む
    ・途上国で癌が増える
    ・ワクチン開発、ゲノム解析が進んで新しい薬も開発される

    3章 経済成長がもたらす女性の機会
    ・高学歴女性の数が伸びた
    ・富裕諸国の女性はおおむね男性より成績が良い
    ・だが、いまだ多くの女性が「ガラスの天井」で昇進を阻まれている
    ・女性の方が平均勤務時間が短い。これは女性にはほかにやるべき仕事が多いため
    ・女性は男性より無給労働が二倍長い
    ・育児、高齢化の介護問題

    4章 SNSの可能性
    ・SNSが一つの国家となる
    ・意思決定に友人意見が強まる、集団英知の利用(WIKIなど)の度合いが強まる、マスコミに頼らずとも大規模な運動が可能

    5章 言語と文化の未来
    ・人は世界中から意見を手に入れることが出来るが、接触を望むのは自分と似た意見
    ・音楽が世界をひとつにして、みんなが理解できる言葉・・・という考えもあるが、依然強いのは地元の言葉で歌う地元の旋律
    ・今後100年で世界の半分の言語が死滅する
    ・今後英語に代わる世界言語はコンピューターである。
     だが英語の一極集中は崩れない

    6章 宗教はゆっくりと後退
    ・貧しければ貧しいほど宗教に依存する
    ・経済発展とともに宗教は相対化されていく
    ・唯一の例外はアメリカ。先進国で貧困国のパターンを有している

    7章 地球は本当に温暖化するか
    ・正確に予想する方法は確立していない

    8章 弱者と強者となる戦争の未来
    ・無人飛行機など戦争のロボット化
    ・先進国は高齢化による税政悪化でかつてほど防衛費に予算を回せなくなる

    9章 おぼつかない自由の足取り
    ・先進国では後退、新興国で前進
    ・インドは複数政党制で苦しむ

    10章 高齢化社会による国家財政の悪化
    ・アメリカの債権は2035年で持続不能な185%となる。
     だが日本は2012年で219%である
    ・オランダは国家予算から加入者のリスクに応じた補助金を出して解決
     アイルランドはオランダを模倣とした改革を目指している
    ・未来の国家は効率化だけでなく、より高い歳入を得るための成長戦略
    ・世界的な高齢化によって、年金と健康医療保険の増大が大きな負担

    11章 新興市場の時代
    ・経済の長期予想角度は低い。だが間違った数字でも全く数字がないよりましであることは多い
    ・2050年にG7で経済規模に残ってるのはアメリカだけで、他は全てアジア勢に抜かれる
    ・GDPに占める工業と農業の割合は減る
    ・中国は2025年から急速な高齢化を迎える

    12章 グローバリゼーションとアジア
    ・グローバリゼーションは一般に考えられるほど進んでいない
    ・日本は2030年には韓国の約7割、2050年には5割強になる。
     日本が急速にプレゼンスを失っていく
     (購買力平価ベース)

    13章 貧富の格差は収斂
    ・新興国は伸びる
    ・先進国は高齢化により落ちていく
    ・結果として差は縮まる

    14章 シュンペーター
    ・イノベーション

    15章 バブルと景気循環

    16章 次なる科学
    ・次なる科学は生物学
    ・日本は科学のノーベル賞は15人。オーストラリアとほぼ変わらないが、人口は7%
    ・日本は先人の理論に迎合しがち。
     科学は権威に従うのではなく、挑むことで進展する
    ・日本はぬるま湯のような暮らしでぼんやりと日を過ごしている。

    17章

    18章 情報技術
    ・今後はハードのスペックではなく、人間の思考、発見、知識の共有
    ・情報不足ではなく情報過多の時代
    ・企業は上意下達型から知識共有型の組織に
    ・大衆化は今後早くなっていく
    ・だが、コンピュータの情報処理はまだ生体に及ばない。
     世界中のコンピュータが処理しても、それは人間の脳の5分程度にすぎない

    19章 距離は死に、位置が重要に
    ・国際間のテレビ会議は一般家庭に進出する
    ・距離が意味をなさなくなり、どこで何をするという位置が重要になる
    ・常時接続により人々は話すことに興味を失いつつある

    20章 予言はなぜ当たらないのか
    ・今後40年でエネルギーが低価格化する
    ・旧来の再生可能エネルギーは将来価格競争をしたり、必要量のエネルギーを算出する見込みはない
    ・通信は今後底を打つような価格になる
    ・政府は自分たちのコストを下げる努力は全くなしていない
     法、防衛、保険医療などは低価格化を受け付けないという言い訳もある
    ・進歩すべきはサービス分野
    ・絶滅種の復活。マンモス

  • 2050年というと37年後。僕は67歳で、まだまだ生きているはずなので、この予測は他人事でないです。

    英「エコノミスト」誌が編集する2050年の世界、20名の執筆者が人口、医療、SNS、文化、宗教、言語、経済、温暖化、テクノロジーについて予測している。

    予測は当たるか外れるか分からないが、それぞれの章は多くのバックデータに基づき論ぜられているので、疎い分野では特に基礎的な知識が身につく。

    個人的には「距離は死に、位置が重要になる」というテーマが気になった。

    最後の章が「予言はなぜ当たらないのか」。こんな本を編集して、ふざけてるのかと一瞬思うけど、この章は本当に的を得ている。つまり将来の予測が常に悲観的なのは、よいニュースは流行らないという、人間心理のバイアスがかかるから、そして何より人間は対策を講じれるから。

  • 40年近く先の世界。現状のトレンドが基盤になっているので、さほど意外な分析は出てこない。ただ大きな方向性のようなものを確認する上では参考になった。基本的に一つのテーマごとの記事が割とあっさり終わるので、この本を出発点に各分野の「予測本」に進むのがベターかと思う。

  • 楽観的未来=無難な予想に終始しているのは、大きく外すのが怖いから?
    最近の通信技術革新は社会の在り方まで変革するインパクトがありますが、2050年までならさらにすごいことが起こりそうです。
    本書が文庫本化されて10年近くが経とうとしていますが、すでにインドとパキスタンの軍事的衝突は起こりました。(2019年2月26日インドがパキスタンを空爆し、翌日パキスタンも報復!)
    蛇足ですが、文庫本最後の近藤甘奈「エコノミスト訪問編集記」の学生作文のようなものは必要ですか?
    息抜きで堅苦しい内容の軽減にという狙いなのでしょうが、私には編集者の意図以上に本書の信ぴょう性やありがたみが希薄になったような気がしました。

  • 第1部 人間とその相互関係
    1 人口の配当を受ける成長地域はここだ
    2 人間と病気の将来
    3 経済成長がもたらす女性の機会
    4 ソーシャル・ネットワークの可能性
    5 言語と文化の未来)
    第2部 環境、信仰、政府(
    6 宗教はゆっくりと後退する
    7 地球は本当に温暖化するか
    8 弱者が強者となる戦争の未来
    9 おぼつかない自由の足取り
    10 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか)
    第3部 経済とビジネス(
    11 新興市場の時代
    12 グローバリゼーションとアジアの世紀
    13 貧富の格差は収斂していく
    14 現実となるシュンペーターの理論
    15 バブルと景気循環のサイクル)
    第4部 知識と科学(
    16.次なる科学
    17苦難を越え宇宙に進路を
    18情報技術はどこまで進歩するか
    19距離は死に、位置が重要になる
    20予言はなぜ当たらないのか=============================
    第1章人口の配当 
    人口動態はある程度確実に予測できる。
    出生率の低下は、ある世代のみが突出して多いる世代を生み出す。
    その世代がどこにいるかで、その国の経済が変わってくる。その世代が労働年齢ならば国は急成長する。逆にリタイアすればマイナスとなる。それを「人口の配当」という。
    これからそれらのプラスを受ける地域は、インドアフリカ中東である。正しい若年層のふくらみは、政治的な不安定要因ともなる。

    第2章 人間と病気の将来
    肥満化と高齢化が世界的な趨勢となる。
    前者はグローバル化により、発展途上国の国民もジャンクフードなど接するためである。
    後者はアルツハイマー病の増大をもたらす。老人の介護は国に多大な財政的圧力をかける。製薬会社は抗認知症病薬に力を入れるだろう。
    一方、新たな抗生物質の研究は縮小傾向であり、パンデミックの可能性もある。
    エイズとの戦いは今後も苦戦が予想される。

    第3章 経済成長がもたらす女性の機会
    富裕国では少子化により労働人口が減少した。技能と専門知識を必要とする職業では特に深刻化するため、女性たちはより多くの雇用機会をあたえられた。
    先進国における女性の地位は過去40年で著しく上昇した。それに伴ってキャリアを優先することもあり、出生率が低下した。
    サービス業の増大は、世界的傾向となり、女性と相性が良いが雇用が不安定である。
    1970年以降結婚率がほぼ半減し離婚率がほぼ倍増した。婚外子の割合は約3割から5割もある。未来においてこの傾向は加速するだろう。
    一方、イスラム圏で宗教的な制約が強い国々では、女性の選挙権すらまだない。

    第4章 ソーシャル・ネットワークの可能性
    インターネットは人類に与えた影響は、技術というより交流である。特に SNSではその傾向が強い。
    その興隆により三つのトレンドが予測される。
    1.意思決定に友人が影響力が強まる
    2.集団の英知を利用したウィキペディアの利用が盛んとなる
    3.新聞やテレビなどの大マスコミに頼らずとも大きな運動が起こせる

    トヨタはトヨタ社とドライバーを結ぶ常時接続のネットを利用したソーシャル機能搭載の車を開発している。これは今後車だけにとどまらないだろう。

    SNSの業界において、1社支配は長くは続かない可能性がある。

    第5章 語と文化の未来
    音楽映画文学などの娯楽は非常にローカルなものである。通信の発達は世界の距離を収縮させるが、これらは引き続きローカルな各文化圏で優勢を保つだろう。
    そうした意味で人工の集積地には、映画産業が立地する。

    インターネットの発展により、テレビは映画のようなプロモーションを行う。
    番組の放映まりにさ様々なプロモーション行い、放映時には SNS を使ったざわめきが広がりを期待する形となる。
    紙の書籍は電子書籍にとってかわられるが、一定の役割で生き残る。
    英語の一極集中が崩れない。
    英語に代わる世界言語があるとすればそれはコンピューターである。
    中国をロシア語スペイン語ポルトガル語などは少数言語をほろぼしながら優位性を高めていく

    第6章 宗教はゆっくりと後退する
    宗教はゆっくりと後退する
    かつてはキリスト教が世界第1位であったが、現在はイスラム圏が追随している。1900年には12.3パーセント 1世紀後には21.1パーセント。これはイスラム諸国の人口爆発が原因である。
    貧しければ貧しいほど宗教に帰依する割合が高くなり、宗教性が高い国の出生率は高くなる。逆に豊かになればなるほど宗教に頼る人は少なくなる。したがって現在出生率が高く人工の配当を受け経済成長を続ける新興国も先進国化するに従って、宗教は相対化され、無宗教者の割合が増えていくだろう。
    唯一の例外はアメリカだが、この国は平均寿命世界34位、殺人の発生率、犯罪者の割合が先進国の中でも飛び抜けて高く、貧困層のパターンを有している。

    第7章 地球は本当に温暖化するか
    省略

    第8章 弱者が強者となる戦争の未来
    冷戦期米ソの対立によって戦争が逆に管理されており、戦死者の数は劇的に減っていた。だが、9.11以降その構図が変化している。
    技術の拡散によって不良国家やテロ組織がアメリカに非対称的な戦争仕掛けられるだけの力を持ってきている。
    一方、地域間の紛争の危険も高まっている。
    先進国は、高齢化にある財政悪化で、かつてほど防衛費をつぎ込むことができない。

    第9章 おぼつかない自由の足取り
    民主主義は2つのぜい弱性を持ったシステムである。
    一つは利権集団がのさばること、二つ目は衆愚政治なることである。
    そのアキレス腱は一つはお金一つはマスコミによる 民意の操作である。
    政治家は政治資金を集めることに苦慮しているが、そこにつけ込んで自身の利益を図るため企業が近づいてくる。結果、政治に圧力をかけることとなる。
    マスコミは様々な形で選挙の結果を左右する。テレビを味方につけると、選挙に勝ちやすい。
    これらに対抗するには公共心が重要であるが、経済第一主義ではなかなか難し。

    第 10 章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
    世界的な高齢化により、年金と健康医療費の増大は国家にとって負担となっている。
    年金については雇用期間の延長、富裕層には支払わないなどの措置が取られつつある。
    健康医療費はオランダのように、貧困層や弱者には政府が援助し、そうでないならば民間の医療保険に市場開放するなどして、費用削減の効果することもできる。

    第11章新興市場の時代
    40年前新興国市場は存在していなかった。その後、開発途上国が資本主義と和解し技術やインフラ資本を取り入れた。結果それらが市場となった。
    ある国の工業化の時期が遅れれば遅れるほどその速度は速くなるが、それには教育の程度がかかわってくる。

    第12章 グローバリゼーションとアジアの世紀
    グローバリゼーションは三つのシナリオが考えられる。
    リーマンショックや欧州危機などによって、市場経済に対する危機感から、一定の規制をグローバル化に対して課してはくるが、市場はそれなりに開かれている。これは「コントロールされたグローバリゼーション」の状態である。

    「後戻りするグローバリゼーション」というシナリオでは、保護主義の気運が高まる。コントロールされたグローバリゼーションよりやや冷え込んでいる。

    ちょう落したグローバリゼーションは、先の二つよりもさらに世界成長が減速し、悲惨な結果をもたらすだろう。
    一番可能性の高い最初のシナリオで考えると最も重要なのはアジアの経済となる。

    第13章 貧富の格差は収斂していく
    格差は二つある。国内間での格差、国同士の格差である。
    前者は今後も大きく広がっていくだろう。理由はグローバリゼーションにより富裕層の所得は爆発的に増大したこと、金融業の異常な次第である。
    後者は徐々に縮まっていくだろう。

    第14章 現実となるシュンペーターの理論
    シューペンターのいう、創造的破壊のスピードは高くなっていくだろう。それはあらゆるものがネットに結びつくことによる製造業が変ぼう、新興国の要求の上昇などによる。
    グローバル市場においては知識階級に富の偏在するようになり、労働者の勤務はグローバル化により過酷となる。


    第15章 バブルと景気循環のサイクル
    バブルの発生期にはそれをけん引する新興産業がある。チューリップバブルやITバブルなど。景気は上昇と交代を繰り返し、その都度メーンとなる産業は交代するが、過去に実績のある株価を買うというモメンタム理論は健在である。が、バブルの崩壊期などには損失をこうむる可能性もある。
    株式の投資家には、企業に成長要因を見つけて投資するグロース(成長株)派と、過小評価されている株を買うバリュー(割安株)派がある。前者は強気市場の最も勢いのある段階にかかわることが多く、後者は景気後退時に実力を発揮する。

    第16章 次なる科学
    次の科学のフロンティアは生物学である。など科学情報科学の天文学などが結びつくであろう。
    宇宙も生命の起源を知る意味で大切な領域となる。
    経済発展の著しい東アジアの国々でも科学分野は発展するであろうが、儒教的な上下関係中国の専制的な政治体制はマイナスに働く。

    第17章 苦難を越え宇宙に進路を
    宇宙の商業利用の時代がきている。GPSなど。
    軍事的な宇宙の利用は引き続き、情報収集である。
    民間会社の宇宙旅行は、NASAが一部アウトソーシングしており今後は、金持ちの娯楽となるだろう。
    銀河の動きを説明するために暗黒物質の正体を知ることが重要となる。
    太陽系以外にも生命の可能性がある惑星はいくつもある。

    第18章 情報技術はどこまで進歩するか
    今後は技術そのものよりもその使われ方に開発重点が移っていく。
    現代は情報過多である。
    マイクロチップの小型化と高性能化はあらゆるものをネットワークコンピューターにつなぐユビキタスを推し進める。
    以前は集められなかったデータが集められるようになりそれにより保険算定や経費のありようが変わる。
    企業トップダウン型から、インターネット使った知識共有型の組織に変わっていく。

    第19章 距離は死に、位置が重要になる
    距離は死に、位置が重要となる。
    距離が意味をなさなくなったことを利用し、住む場所も自由に選べるようになり、各地域、各文化圏の労働力、技術力の特徴生かした国際分業化やりやすくなった。その分、どこで何をする、という位置が重要になってきた。

    第20章 予言はなぜ当たらないのか
    予測が当たらないのは、人間が対策を講ずるからである。
    資源の枯渇、食糧の枯渇は技術革新による低価格化で補えるだろう。また、先進国の森林面積は増加しており環境は良化している。

  • vol.195 グローバルエリート誌の大胆予測。今後40年やいかに?
    http://www.shirayu.com/letter/2013/000393.html

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