この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163758008

作品紹介・あらすじ

生き残りのカギは「教養」です!「日経新聞」人気連載ビジネスパーソン、学生から大反響。

感想・レビュー・書評

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  • 実は原爆を開発していた日本。世界地図から見える領土の本音。日本国憲法は改正すべきか?紙切れを「お金」に変える力とは…本書はあの池上彰氏が東京工業大学で行った講義を書籍化したものです。面白かったです。

    東京工業大学といえば、僕の身近にも1人進学をした人がいて、彼はコンパスを使わずにフリーハンドで円を描くという特技の持ち主で、無論、理数系の分野ではものすごく優秀な人でありました。読みながら彼のことを思い出し、もう会うことはおそらくないだろうなと思いながらページをめくっておりました。

    本書は僕も初めて知りましたが、あの池上彰氏が東京工業大学に教授として赴任し、リベラルアーツの講義を1年間に渡って行い。それを活字化、書籍化したものです。授業のはじめに
    「頭はいいけど『世間』に弱い」
    「『経済にうとくて』と言い放つ某首相を輩出した」
    といって学生たちを笑わせつつも、将来研究に関する分野や、『ものづくり』の最先端を支えるであろう彼等を相手に「教養という名の世界地図」というものを示しており、世間というものがいったいどうなっているのか?『教養』というものはどういうものか?ということについて縦横無尽に語られており、出来れば僕も聴講生として、授業を聞いてみたいなと思ってしまいました。

    授業の中身は就職活動をする学生にはきになるであろう「悪い会社・優れた経営者の見分け方」やここ最近は特にこの問題が新聞などをにぎわせる「領土問題や反日運動にどう対処すべき?」さらには「年金には入ったほうがいいのか?」本当に多岐にわたっており。読んでいてとても面白かったです。

    後半部にはいま、事件が風化し始めてこの問題を知らない世代が出始めたことに大変ショックを受けましたが、理系大学の最高峰だからこそ語られてほしかった「なぜ優秀な理系学生がオウム真理教に?」というお話や、即興のプレゼンテーション形式で賛否両論の活発な議論が行われた「君ならサムスンに移籍するか?」という技術者としての野心と『愛国心』に揺れる微妙なテーマを取り上げるくだりは『さすがだな』と思わずうなってしまいました。

    僕はこれが日経新聞に連載されていたときは読み飛ばしていたのですが、これが今回書籍化されたことによって、その内容に触れることが出来ました。それは本当にありがたいと思っていますし、ここに書かれていることが理解できればニュースなどを見ていても『あぁ、あのことを言っているんだな』と納得できることが多いでしょう。

  • 高校生以来ほとんど手を付けなかった国際情勢の話題を一気に整理してくれた本。社会系の知識がほぼない俺にとってはちょうどいいくらいの内容だったし、社会系の勉強に興味をもった。面白いし学べば学ぶほど味が出る。でもやっぱアラブあたりの話は分からんなぁ・・・

  • 池上彰さんの本なので、非常にわかりやすいです。世界の今が分かります。ご一読を。

  • 学問を続けるには、池上氏のようなわかりやすいナビゲートと、わかりにく過ぎてもとにかく食らいついてやろうというモチベーションの2つともが重要だ。前者だけでわかりきったようになるのも危険、後者だけで方向を誤った孤軍奮闘してもあんまり意味ない。

  • 日本周辺の事を極東と言う→英国にとって日本は極端に東にある為、中東→英国から見て、中位の東
    英国中心の世界地図
    紙幣は日本銀行の発行だが、硬貨は政府が発行
    古代ローマでは兵士に塩が給料
    塩はサル(sal)、給料としての塩はサラリウム→英語のサラリーが生まれた。
    工程歩合→日銀が民間の銀行に資金を貸し出す際の金利
    コール市場→民間の銀行同士の貸し借り
    お金を借りたい銀行が多いと金利上昇
    買いオペ→日銀が銀行の国債などを買い取る。
    →お金の量が増える  金利が下がる

  • 時事問題に対して、時代背景からの解説が分かりやすい。リーマンショックは建物を担保に建物を立てるための金を高利で貸したということが改めて分かった。
    北朝鮮の動きは改めておかしいことが分かった。

  • 稲はかつて「ネ」と発音されていた。米が貨幣の役割を担っていたので、「値」という言葉になった。中国では、子安貝が交換の媒体だったため、お金や財産に関する漢字には貝が入っている。古代ローマでは、兵士への給料として塩が支払われていた。英語のサラリーの語源となっている。

    多くの経済学者が認める経済学の定義は、「資源の最適配分を考える学問」。

    ムスリム同胞団は、西洋文明の拒絶とイスラム文化の復興を掲げたエジプト人のハサン・アルバンナにより、1928年に結成された。ムスリム同胞団から生まれた原理主義の思想家サイイド・クトゥブは、神こそが主権を持っており、人間が選挙でリーダーを選ぶことはイスラムの道に反するとして、ジハードを主張し、執筆した「道標」はアラブ社会に広く影響を与えた。パレスチナのムスリム同胞団の支部は、反イスラエル組織ハマスの母体となっている。

    大統領は国家元首で、首相は行政のトップ。王政が残る国には大統領は存在せず、首相が行政のトップとなる議院内閣制をとる。大統領が存在する国は共和制。

  • この本の中にはたくさんの情報が詰まっている
    昔の日本について
    憲法について
    経済について
    宗教について
    無知の自分にはどれも勉強になるけれど
    何よりも自分の考えの幅が広がりました
    .
    生き方は色々あるけれど
    個人は必ず社会と繋がっている

  • 池上先生が、東工大の学生に向けた講義の文字起こし本。

    全体的に、テレビの池上さんのノリだが、最終章の「日本の技術者がサムスンに行く話」での学生たちの議論の頭の良さにほとほと感心した。
    うちの大学では絶対にこんな鋭い議論にはならないような。。。

    さすが、日本を代表するエリートがいる大学の学生たちであった。

  • 正しいことを自分で見つける。物事を批判的に受け止めることが大切。
    固定観念に汚染されないように、自分の目で見て、自分の頭で判断する。
    アメリカの大統領戦は政策だけでなく、宗教も絡んでいるとのこと。そういう視点で見なければならない。
    宗教に鈍感では世界を見られないことがよく分かる。
    中国の国の成り立ち等も興味深く、読み進められた。
    社会は絶え間なく動いているので、時に立ち止まり、まとめて考えることが大切だ。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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