中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

  • 文藝春秋 (2012年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163759302

作品紹介・あらすじ

絵で知るキリスト教はこんなにも面白い!



旧約【アダムとイブ、バベルの塔】から新約【受胎告知、最後の晩餐】まで、絵で読み解く21編の聖書物語。絵はすべてカラー掲載。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

絵を通じてキリスト教の物語を深く理解できる魅力的な作品です。旧約から新約にかけての21の聖書物語が、カラーの美しい絵とともに紹介されており、視覚的にも楽しめます。著者の文章は明快で、特にブリューゲルの...

感想・レビュー・書評

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  • 『知識ゼロからの キリスト教絵画入門』(幻冬舎 池上英洋著)と同時に2冊を並行して読んだ。
    図書館で次に借りたい方がおらず、年末年始を挟んで1ヶ月間借りることができたので、隅から隅まで熟読した。

    コロナ禍でどこにも出かけられなくなったこの2年間、趣味で西ヨーロッパの歴史(自分の興味のわく地域と年代のみ)を独学しているが、必然的に地理・教会・絵画・世界遺産などについても学ぶことになる。
    すると更には、どうしてもキリスト教や聖書のイロハがわからないとどうにもならなくなってくる。
    この2冊は、そんな私にぴったりの書籍だった。
    (プロテスタントの学校に通っていて毎日礼拝が有り、週1で聖書の授業も有ったが道徳の授業のようなもんで、キリスト教や聖書のイロハなど一切教わったことが無い)

    新型コロナなどという世界中がこんな状況になる以前に、いくつか既に旅行で観てきてしまっていた。
    それと同時に、時間と知識の無さとで、いくつか見逃してきてしまっているとも思われる。
    歴史もキリスト教も全く勉強せずに、知識ゼロの状態で、とてももったいないことをした。
    今となってはそれが本当に悔やまれる。

    コロナ禍でイタリア語の独学もだいぶ頑張ったので、歴史の勉強もしっかり継続していつかまた行けたらいいのだけれど、現実問題なかなか難しいものがある。

  • 聖書やキリスト教については、浅学非才な私でもとても面白く読めました。
    むしろ、知らなければ知らない方が、さらに面白く読めるような気もします。
    中野京子女史らしい、硬軟取り混ぜた絵画紹介が今回も冴えています。
    キリスト教の辻褄が合わない点や、日本人ならではの価値観の違いを突いていて、
    ともすればキリスト教関係者に叱られそうなギリギリなんですが、無関係者からはそれが痛快だったりして…。
    勿論、女史に嘲笑の意図があるわけではないと思いますし、
    むしろそんな具合では
    到底、知り得ようのないほど、きっちりした知識が垣間見られ、
    初心者でも基礎の部分が知れる内容になっていると思います。

  • もはや中野京子さんのおっかけ状態で読んでいる。あらためて記録を見直すとすでに8冊…。しかも、どれも本当に面白い。
    前作『ギリシャ神話』に続いて、待ってました!の旧・新約聖書版。「宗教画を読み解く」本は好きで、数冊読んでいるがやはり読みやすさは中野さんが一番。異教徒の日本人としては「え、なんで?」とひっかかる聖書の矛盾をユーモラスにつっこんでくれる。
    中野さんの比喩のすごさ。ブリューゲルの『バベルの塔』のまがまがしさを人面痘に例えた文章を読んだときはのけぞった。

  • この本を読んでからブリューゲル展にいけば、もっと楽しめたのに…。
    聖書の世界を知らずして西洋絵画は楽しめないなと思いました。
    中野京子さんの本、読破したいと思います。

  • 中野京子さんが、名画を紹介しながら
    わかりづらく近寄りがたい聖書の世界を
    かつて一世を風靡した磯野家の謎ふうに解説してくださっています。

    結構わらいます。


    前に中野京子さんの怖い絵三冊をよんだとき、そのうち二冊で
    「じっさいに見てみたいのはブリューゲルの作品です」
    とブログで書きました。

    それがきっかけで、「一生海外にいくことはないだろう」とずーっと思っていた私が、ついにパスポート申請

    ウィーン美術史美術館に行き7時間滞在。

    生意気にも「日本の美術館じゃ物足りないわ…」なんて語るようになってしまった

    中野京子さんはヨーロッパの偉いかたから賞をもらってもいいと思います。

    今回もブリューゲルにあらためて惚れました。
    ベツレヘムの人口調査。
    ベルギーに行かなくちゃいけませんね。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-341.html

  • 日本人にとっては難解な宗教画。
    その「分かりにくい」ことを前提に、中野さんが旧約・新約聖書の世界にツッコミを入れながら、絵の読み解き方を指南してくれる本です。
    元々美術作品を見るのは好きですが、「美しい」「綺麗」だけじゃない、作品のバックグラウンドを理解して絵画を見る楽しさを改めて教えてくれる、素晴らしい美術書だと思います。
    堅苦しくなくて、フランクな語り方もステキ!

  • 中野京子さんは好きなんですけど、やっぱりキリスト教の考え方が根本的に理解できないからか、結構よみすすめるのが疲れてしまった...

    H30,1,4再読
    キリスト教はあまり好きではないけど、受胎告知の絵とか分かると楽しめる。旧約聖書の方が好みです。

  • いきなり、「おまえ、ヘソねぇじゃねぇか!」
    ミケランジェロのシステーィナ礼拝堂の「アダムの創造」で、「アダムが土くれから造られたなら臍(ヘソ)はないのではないか」
    これを厳密に実践すれば、どのヌード画―ボッティチェリーのビーナスでもゴヤのマハでも・・・・「おまえ、ヘソねぇじゃねぇか!」とヘソのないカエルの腹のようになってしまう。

    こんな風に冒頭から「えッ!」と驚くような、また「ぷッ」と吹き出してしまいそうな内容が各所に散りばめられてあり、かつまた、我々異邦人に其々の絵の背景にあるキリスト教の教えを解かり易く、かつ面白く解説してくれます。

    ミケランジェロから始まり、レオナルド・ダ・ビンチ、カラバッジョ、ルーベンス、レンブラント、ティツィアーノ・・・等々と続き、最後にまた、ミケランジェロの「最後の審判」で終わる。(ラファエロは何故か取り上げていない?)

    私は「最後の審判」での筋骨隆々なマッチョな力強いキリストが、長い間謎でした。
    これまで聞いてきた説明では、ミケランジェロは肉体崇拝者だから・・・マッチョなどと・・・???
    著者の説明によると、カール5世の「ローマ略奪」や「ルターの宗教改革」の後、カトリック側の危機感は相当なものがあり、その危機感の裏返しとして「異端は許さぬ」という強い決意があったそうです。
    その要請を受けて、これまでの「最後の審判」とは全く違う、怒りのエネルギーに満ち溢れたキリストが誕生したわけで、つまり「ローマカトリック以外を信仰すると、地獄に落ちてひどい目に会うぞ!」という見せしめでもあり、絵の中の誰も彼も只ならぬ表情で、「最後の審判」の恐ろしさがこれでもかと強調されています。

    この本を読んで、これまで疑問であった「力強く審判を行うマッチョなキリスト」がすんなり理解できた次第です。

    また後日談があり、「最後の審判」は、ミケランジェロのオリジナルは、全員が全裸でした。最後の審判の時には、死者は神の前で何も隠せない、つまり全裸であるというミケランジェロの考え方で描かれましたが、彼の死後、全裸の可否で侃侃諤諤の論争が起こり、三度にわたって腰布や衣装が描き加えられたそうです。

    という具合に、異教徒の我々でも、旧・新約聖書を基にした絵画の観賞がより深く、楽しく出来るようになることが請け合いの本です。

  • 西洋絵画に占める宗教画の割合はとても大きい。キリスト教徒ではない日本人が見ても背景がわからないものも多い。
    そんな人にオススメ。キリスト教にツッコミを入れつつ(disる)解説をしてくれているので楽しく読めます。

  • 著者ブログで発売を知る。
    最近、聖書関連をよく読んでるので、すごくタイムリー。すごく楽しみだ。

    購入:2012/12/18
    読了:2012/12/27

    姦淫の女も、イエスの足を髪でぬぐった女も、次々マグダラのマリアに統合されていく様は滑稽だった。中野さんのツッコミ、「姦淫する娼婦とはこれいかに。」まさに。

    「アブラハムの試練と言いながら、辛い思いや死にそうな目に遭うのはいつも彼の妻や側女や息子であって、彼自身ではなかった」

    「でもヨセフは、単なる養父ですよね?」

    ツッコミを楽しむ書でもあった。
    神話とか聖書とか、厳粛で崇高な雰囲気をかもしてふんぞり返っている印象を持つけれど、その中身はツッコミどころ満載の半分冗談みたいな世界なんだなぁ。

  • 西洋絵画を見る上で前提として知っておきたい聖書について、名画とともに解説をしてくれる。絵画に描かれている聖書の内容の知識だけでなく、絵画が描かれた時代のキリスト教の歴史についても知ることができる。相変わらず著者の脇道に逸れた話題のおもしろさが抜群。キリスト教的世界観を反映した映画の話題や日本史上の似たエピソード、タロットカードの絵柄の話などに急に飛躍したりと振り回されるのが楽しい。「神が作った人類であるアダムとイブに臍があるのはなぜなのか」などの「異教徒から言わせてもらうと……」なツッコミが随所にあるのも楽しい。

  • 最初に旧約聖書と新約聖書の違いが書かれていて
    自分が全然、聖書についての知識がないことを再認識。
    旧約聖書がアダムとイブで
    新約聖書にイエスのことが書かれていたのか…。
    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教がそれぞれなにを聖典としているのかも
    わかっていなかったので、これだけでも、だいぶすっきりした。

    作者の中野さんは、日本人が「?」と感じる価値観などを
    ちょうどよい、バランスで突っ込んでいる。

    宗教画を読み解くには、やはり最低限の知識がないと…
    時代ごとの遠近法の移り変わりや
    装束からわかる流行などに目がいってしまう…

    複数のチャネルがあったほうが
    より深く芸術について考えが深められるかな?と思った。

  • 聖書の解説が続くと飽きてしまうところを有名絵画と紐づけることで、脱落せず読み終えられた
    映画のワンシーンが紹介されるなど、たまに話が脱線するのも良い
    仕方ないが、絵とその描写が離れていることが多い点は残念だった

  • アトリビュート(描かれる人を定義する小物)だったり、人物や風俗については題材の時代に忠実にするのではなく描いた年代に合わせるのが普通だったり、面白い

  • キリスト教の知識がほぼ無い状態で読み始めましたが、とてもわかりやすく、勉強になりました。砕けた文章で、面白くあっという間に読み終わりました。

  • 旧約聖書も不思議と思うが、新約聖書はもっと不思議だった!!!笑
    元気になったらもう一度読みたい。
    中野京子さんの突っ込みと共にだからこそ最後まで読めた……!
    へそー!!!(※盲点でした)

  • 若い頃、ヨーロッパに行き、宗教画の多さにお腹いっぱいになりました。絵の見方もわからず…。
    絵を鑑賞する時も多様な視点を持つと楽しみ方も倍増するのね、と思わせていただきました。

  • 聖書に登場する人物や物語の名画(宗教画)を、名解説付で鑑賞できる贅沢な美術読本です。ミケランジェロの『アダムの創造』は、神とアダムの互いの指が触れ合う瞬間が描かれ、映画『E.T.』のスチ-ルでも評判になりましたが、粘土を捏ねて創ったアダムの鼻の穴に神が息を吹き込む『旧約聖書』では絵にはならなかったと、愉しい解説が満載です。聖書の語彙でも「イスラ・エル」=「神に挑む者」、「ペリシテ人」=「パレスチナ人」、「パブテスマ」=「洗礼」や「レオナルド・ダ・ヴィンチ」=「ヴィンチ村のレオナルド」など目から鱗です。

  • s1000-2013.6.11

  • 美術
    宗教

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野京子の作品

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