パナソニック・ショック

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163759609

作品紹介・あらすじ

二期連続で七千億円もの赤字を計上した「パナソニック・ショック」。日本的経営の象徴であり、日本を代表するメーカーが凋落してしまったのはなぜなのか。それは創業者・松下幸之助に発する根源的問題と、度重なる経営者の失策、そして技術の流れを大きく見誤った戦略ミスにある。二十年以上にわたり取材を続けた著者による渾身のレポートである。

感想・レビュー・書評

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  • 山下元社長を肯定、森下、中村、大坪元社長を否定、津賀社長を山下元社長の再来と設定。
    目新しい内容はない。

  • 『とくに失敗の経験のほうが、重要だと思います。そういう経験をしないで(個人や組織の)上に立ちますとね、やはり間違えるんですよ。そういう経験をしますと、他人の心の痛みが分かります。』
    山下社長は選任した理由を語る。

    労組活動で会社に睨まれ、出世コースから外れた佐久間を役員に抜擢した。
    失敗ばかりの私には勇気の出る言葉。

    たまには一発OKも憧れる。。。

  • 展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 542.09//Ta94

  • 【「経営は常識なり」神様の言葉を忘れた天罰】幸之助を神様にし、さらに幸之助の本当の教えを壊してしまったことがパナソニックの失策だった。経営は常識なりを取り戻せるか。

  • パナソニック凋落の原因がはっきりと書かれている本です。
    自分の働いている会社がパナソニックとお付き合いのある人もいるかと思いますが、一読をお勧めします。

  • パナソニックが凋落した理由がとてもわかりやすい

  • 松下電器も戦後は財閥指定にされそうになった。
    家電業界最大の系列販売網を誇る松下にとって共存共栄の系列小売店の繁栄に比例して自社の成長もあると信じられていたが、そうではなかった。、海外での輸出が支えた。

  • 中村・大坪時代に厳しい目線

    プラズマへの過剰投資
    理念無き人員削減、研究員の流出
    忠言を聞き入れず人事での報復などなど

    前半の松下幸之助の伝記的な部分も
    初めて読んだので興味深かった
    病弱一家で、父親は小地主だったのに
    米相場でにわか相場師となって大損
    でも相場をやめられない

    松下の問題点
    TVの「絵作り」で負けた
    4k対応も動き鈍い
    コモデティ化した商品で利益を出してたのが本来の松下。
    シャープの4kアップコンバート技術=アイキューブド研究所の手腕

    津賀新社長(尼崎のプラズマディスプレイ工場を止めた)時代はどうなるのだろう
    本社スリム化(企業内官僚の排除)などに取り組み
    円安で業績的には一息ついているみたいだが・・・

    8 資金繰りに苦しんだ創業時期。資金のダム経営、マツシタ銀行
    19 二股ソケット、姉妹の口げんかから。アイロンvs読書
    48 軍部と結ぶ←後にGHQににらまれる

    58 モノを水道水のように、無尽蔵・無代に近い価格で供給
    93 宴会は2時間ですむがゴルフは1日かかる←無駄。幸之助
    103 歴史的大ヒット商品、赤外線コタツ

    172 研究体制の縮小
    187 プラズマ以外を主張すると更迭

  • 松下の衰退は、日本の大企業が抱える危機感に共通する点が多いことは誰もが知っているが、そこから何を学ぶか、が重要かつ困難なこと。
    本書にはそのエッセンスはみられるが、筆者のいうとおり、正解はない。
    みずからの組織に目を向けて考えないとね。
    SANYO買収の失敗について、深い追求が欲しかった。

  • 著者の立石泰則氏のことは、コンピューターの発展の歴史を描いた「覇者の誤算」を読んで知り、緻密な取材に基づいたドキュメンタリー作品に強く惹かれた。
    今回、同氏がパナソニックについて執筆された本書を読み、期待を裏切らず、新たに気づかされたことが多い。

    ソニーとパナソニックの違いは、ソニーが技術志向の会社である一方、パナソニックはもともとは市場志向で成長した会社であるということ。なるほど、あまり意識していなかったが、その原点とかけ離れて行ったことが、現在の状況をもたらしているかもしれない。

    また、松下中興の祖と呼ばれる山下俊彦氏のことも、本書からその挑戦の数々がよく分かった。その中の一つ、デジタル家電への取り組みとして、昭和60年に本社技術本部に半導体開発センターを、松下電子工業に京都研究所を設立したことを知る。それから30年近くが経ち、半導体事業を縮小しようとしている昨今、一つの時代が終わろうとしていることを改めて実感する。

    山下氏の考え方は、今の時代にも活かせるものは多い。山下氏が経営企画室の佐久間氏に読むことを勧めたと言われる、塩野七生氏の「海の都の物語」を、私も読んでみようと思う。

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著者プロフィール

立石 泰則(たていし・やすのり)
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。1950年福岡県生北九州市まれ。中央大学大学院法学研究科修士課程修了。「週刊文春」記者等を経て、1988年に独立。92年に『覇者の誤算――日米コンピュータ戦争の40年』(日本経済新聞社)で第15回講談社ノンフィクション賞を受賞。2000年に『魔術師――三原脩と西鉄ライオンズ』(文藝春秋)で99年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。そのほかの著書に『マーケティングのSONY――市場を創り出すDNA』(岩波書店)、『戦争体験と経営者』(岩波新書)、『さよなら! 僕らのソニー』『松下幸之助の憂鬱』(いずれも文春新書)、『「がんばらない」経営――不況下でも増収増益を続けるケーズデンキの秘密』『働くこと、生きること』(草思社)など多数。

「2021年 『増補新版 フェリカの真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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