キャパの十字架

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163760704

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクションミステリーって感じて面白かった!作者はキャパの撮影した『崩れ落ちる兵士』をこれでもかってくらい研究していたのがこの作品の面白い所でした。最後の章でキャパがノルマンディー上陸作戦へ参加した時に撮影した『波の中の兵士』の写真を見たときはちょっと震えた。
    こんな情熱を出せる仕事をしたいものだ

  • キャパの有名な「崩れ落ちる兵士」という写真は、いつどのように撮られたのかを考察した本。1枚の有名な写真を巡るミステリーを、ノンフィクションライターである著者の視点で謎解きを行っている。
    「崩れ落ちる兵士」はスペイン戦争の象徴的な写真で、銃弾が当たった瞬間を見事に捉えたものとして有名だが、撮影したはずのキャパ自身もこの写真へのコメントはなく、その撮影状況はよく判っていない。筆者は関係者にインタビューしたり、実際に現場に足を運んで、本当は誰がいつどのように撮影したのかを考察している。
    自分の意図を作品に反映できる芸術写真家と違って、報道写真家が撮る写真は、ほとんどが偶然の産物である。写真の価値を決めるのは、それを掲載するマスコミ等の受け手側の意図による。この写真も、受け手側によって評価が高まった事例であり、それが撮影者を有名にすると共に、撮影状況を秘密にしなければならないことで、或る意味十字架を背負わされることになった。
    多くの写真と簡単な図解を盛り込んでいて大変読みやすく、謎解きは多少くどい感じもするが、筆者の主張はとても判りやすく面白かった。

  • ノンフィクション

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  • おもしろい。
    キャパの有名な「崩れ落ちる兵士」が実は演習中に偶然斜面を滑ったもので、しかも、撮影者は同行していたゲルダ(恋人でもあった)という。
    この話はむしろきちんと英語で発表した方がいいと思う。

  • 70年以上も前の世界的に有名な写真の真実が、今頃になって、しかも日本のノンフィクション作家によって暴かれる、というのは何か違和感がある。

  • 【要約】


    【ノート】

  • キャパのデビュー作ともいう、崩れ落ちる兵士の写真を考証する。推理小説と紀行文を合わせて読んでいるようで面白く、一気に読んでしまった。キャパの戦争カメラマンとして明日もしれぬ生活でのキャパの生き方や、その現場で鋭く切り込む写真が好きだったので、この本を読んでみたくなった。写真の真実と違う報道のされ方は彼が企んだのか、雑誌社が雑誌が売れるように企んだのか、分からないが、いずれにしても、キャパのことは好きだ

  • 真実はどうであれ、1人の人間の苦悩がどうであったか、またそれを想像することこそ、生きた証というものだ。沢木耕太郎のとったことに対して自分がロバートキャパに対してどう考えるかこそ、またロバートキャパに想いを寄せることなのだ。ノンフィクションの素晴らしさはそこにある

  • 「崩れ落ちる兵士」と呼ばれる有名な写真がある。撮影者は戦場カメラマンと
    して世界に名を馳せたロバート・キャパ。

    1963年9月、スペイン内戦時のコルドバで東部に敵の弾丸を受けた
    兵士を撮影されたものだと言われる。

    しかし、この写真については数々の疑惑が浮上することになった。
    写真に写っていは本当に兵士の死の瞬なのか。やらせではないのか。
    そもそも、この写真が撮影されたのはコルドバなのか。

    著者の沢木氏は、「崩れ落ちる兵士」への様々なアプローチを試み、
    推測に肉付けを行っていく。本書はその過程を綿密に綴っている。

    たった1枚の写真の真相究明だが、沢木氏が積み重ねていく推測と、
    その推測の瑕疵を自ら明らかにする構成はまるでミステリーを読んで
    いるようぐいぐいと引き込まれる。

    そうして気付いた時には、沢木氏の推測に「うん、そうだよ。それしか
    ないよ」と深く頷いていた。

    キャパをキャパたらしめた1枚の写真。それは多くの謎を秘めて、
    人々の興味を掻き立てた。本書に書かれていることも沢木氏の
    推測に過ぎない。

    だって、「崩れ落ちる兵士」は元になったネガが発見されていない
    のだから。そう、2007年に新たに発見された「メキシカン・スーツ
    ケース」にも、このネガは含まれていなかった。

    ロバート・キャパ。偉大なる写真家。しかし、その名前は元々、無名の
    ユダヤ系ハンガリー人の青年、エンドレ・フリードマンが写真家として
    世に出る為に仲間と作り出した架空の有名写真家だった。

    フリードマンが「キャパ」になる初期のパートナーであり、27歳に満たない
    若さで戦場で散った初の女性カメラマンであったゲルダ・タローの存在が
    本書では大きく関わって来る。

    あぁ、もう。凄いよ、沢木さん。久し振りに徹夜してでも読破したいと
    思う作品に出会えたよ。出来ることなら、仕事を休んででも一気読み
    したかった。

    「沢木氏の本の内容を認めている訳ではない」としながらも、掲載する
    写真を提供してくれたマグナム・フォトの太っ腹。そして、この一文を
    「喜んで掲載する」とした沢木氏の潔さ。感服である。

    「崩れ落ちる兵士」の写真を、改めてまじまじと見る。キャパを有名に
    したと同時に、この写真がキャパの代名詞のようになったことで、
    彼は十字架を背負ったのか。

    キャパとゲルダ。ふたりがスペインの村から逃げる人々に逆行して
    いく写真が収められている。切ない…。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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