人類20万年 遥かなる旅路

  • 文藝春秋 (2013年5月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163762401

作品紹介・あらすじ

人類はいつ、どこで誕生し、どうやって世界中に住むようになったのだろう。私たちは何者なのだろうか。この謎に、現代科学は新たな光を当てている。著者、アリス・ロバーツは英国ブリストル大学の解剖学者であり、古人類学に精通する科学者(ついでながら非常に美人)。本書は彼女が英BBCの企画で半年間を費やした、人類が数百万年をかけて世界へ広がっていった道筋をたどる壮大な旅の記録である。現生人類、ホモ・サピエンスは「ヒト属」で最後に残った一種だ。時代をさかのぼればヒト属の系統樹には多様な種が存在していた。しかし、3万年前までには、現生人類とネアンデルタール人の2種を残すのみとなり、そして今日、我々だけが残った。現生人類がアフリカで誕生したことは、様々な証拠からほぼ確実となっている。そこから20万年前に「出アフリカ」が起こり、アジアへ渡り、インドをめぐってオーストラリアにまで至った。さらに、ヨーロッパへ広がった者たちは北上してシベリアを経由し、最後にアメリカへと行き着いた。著者はアフリカから出発し、この人類の足跡を追う。灼熱の地の狩猟採集民族や、シベリアの極寒の中でトナカイを遊牧する民族らと過ごし、最先端の遺伝子研究で祖先たちの分岐を明かすラボを訪れ、石器の作成に挑み、壮大な神殿のような洞窟の壁画に圧倒される。著者は自ら人類の進化を追体験し、その風景を生き生きと語る。いわゆる研究書とはまったく異なる筆致で描かれる旅路は知的興奮と感興に満ちている。そして世界各地で筆者が出会う研究者たちも実に魅力的。自らのルーツに思いを馳せ、最先端の人類学のナマの現場で得られる知見に驚嘆する、第一級のサイエンス・ノンフィクションにして紀行文、「古人類もの」の決定版です。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人類の起源とその旅路を追体験する壮大な科学ノンフィクションであり、現生人類がアフリカを出発し、世界各地へ広がっていく過程を描いています。著者は、各地の遺跡や研究者との出会いを通じて、最新の科学的知見を...

感想・レビュー・書評

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  • 英BBCで放映された大型科学ドキュメンタリー番組の書籍化。
    番組のパーソナリティとして出演した医師・科学者(バーミンガム大学教授で、古生物病理学博士・解剖学者・人類学者)が、自ら著者となって筆をとっている。

    もとの番組はYouTubeでも観ることができる。それを観ればわかるとおり、著者は清楚でナチュラルな印象の“植物系美人”で、すこぶるチャーミング。
    ただ、版元がそのことを「売り」にして、特設サイトや本のカバーにまで「美人人類学者」と謳うのはどうかと思うけど(笑)。

    著者の容姿のことはさておき、中身もたいへん面白い。本として独立した価値をもっており、元の番組を観ていなくても十分楽しめる。

    私たち現生人類がアフリカを出て世界に広がり、最後にアメリカ大陸に到達するまでのはるかな道のりを、著者が各国の遺跡等を見て回り、その地で研究する第一線の科学者たちに取材しながらたどっていく内容だ。

    私がいちばん知的興奮を覚えたのは、第4章「未開の地での革命」。
    この章では、現生人類がヨーロッパに到達し、ネアンデルタール人(現生人類とは別種であることがわかっている)とニアミスし、けっきょくはネアンデルタール人たちが歴史から消えていくまでの過程がたどられる。

    脳の容量は現生人類を上回り、体格でも優っていたネアンデルタール人が滅び、現生人類が生き残ったのはなぜか? 著者はその理由を、現生人類のほうが優れた文化を築いていたことに見出す。芸術の原型、宗教の原型を生み出したのは現生人類だったのだ。

    芸術などの文化というと、とかく「現実生活の役には立たないもの」ととらえられがちだ。しかし、現生人類は文化的に優れていたからこそ、ネアンデルタール人よりも創意工夫によって困難に打ち勝つ力、協力しあうネットワーク力をもっていた。だから生き残ったのだ。
    「文化の力」を改めて実感させるこの章は、すこぶる感動的である。

  • 世界各地の遺跡や研究者を訪ねて、その体験をまとめたものだが、訪問相手の主張に対する率直な意見や大方の研究者の見方も述べられていて、最新の研究結果が伝わってくる。500ページもある大部の本だが、情報量も多く、読んでよかったと思える。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB12642072

  • 資料番号:011528940
    請求記号:469.2ロ

  • 【美人教授が体当たりで人類の旅路を追う!】20万年前アフリカを出たホモサピエンスはいかに世界へ広まったのか。サバンナからシベリア、南洋まで五大陸を旅する稀有な科学書。

  •  「ヒト」がどこから来たのかに興味を持たない人間は少ないと思うが、本書を読んで「ここまでわかってきたのか」と感嘆する思いを持った。
     「考古学、頭骨の形の研究、古代環境の再現、集団遺伝学といったさまざまな分野からの研究」を総合的に取り上げると、おのずと「ヒト」の歩んできた道がはっきりと浮かび上がってくることが良くわかる。
     本書の優れたところは、今まで判明していなかった道や可能性にとどまっていた理論が、はっきりしてきたことを大胆かつ具体的に指摘していることだろう。
     しかも、それを地球各地を歩いて専門家との対話をするというわかりやすい物語に仕上げている点である。
     おそらく、本書の訳者の力でもあるのだろうが、古人類学という専門領域を「旅行記」のような読みやすく仕上げているからこそ、本書のような分厚い本でありながら、素人でも面白く読みこなすことができる。
     しかし、本書の最終項「旅の終わりに」で著者は「私たちは皆、アフリカのイブという女性の子孫である。つまり、今日どこに暮らし、どんな肌の色をしていようと、わたしたちは皆アフリカ人なのだ」と語っているのは実に印象的である。
     かつて人々は、肌の色や国家の違いで実に愚かな闘いをおこなった。
     現在でも、国家や民族・宗教の違いで争いを続けているが、それが実に愚かなことであることが、本書を読むとよくわかる。
     たかだか数万年前さかのぼるだけで、皆おなじヒトにつながるのだから。
     本書を高く評価したい。

  • 第1章 すべての始まり
    第2章 祖先の足跡
    第3章 遊牧から稲作へ
    第4章 未開の地での革命
    第5章 そして新世界

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00196933

  • 日経

  • 「太古の人類の足跡をたどる旅に出かけませんか。わたしたちとともに世界中の人々に会い、人類の遺物や化石をじかに見て、真の意味を研究する人々の聖地とも言うべき土地を訪ねてみませんか」――BBCからこんな誘いを受けた人類学者による「人類の祖先を探す旅」の記録。
     内容としては「人類がアフリカから出て、世界中に拡散しました」という過程をたどるというものだけど、実際に世界各地を訪れ、発掘現場を訪ね、気候を体験し、遺物に手を触れてみたという実感が、本書の厚みを増している。
     人類はアフリカを旅立ち、紅海の北と南の2カ所からアラビア半島に渡り、海伝いにインド、東南アジア、オーストラリアへ向かう。東アジアの海岸線を北上し、北アジアへたどりつく。ヨーロッパに足跡を残すのはそれから先――ネアンデルタール人がいたからだ。そして北アジアからベーリング陸橋をわたって、最後にアメリカ大陸へ到達する。その過程がていねいに描かれている。
     それにしてもBBCすごいなぁ。たしか、 ダグラス・アダムス『これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景』も、BBCの番組製作の副産物だったのでは? 某国国営放送も、がんばって「視聴料おさめてよかった」という番組つくってほしい。

  • 現生人類の起源はミトコンドリアDNAの解析からアフリカであることが分かっていて、我々の祖先はいつアフリカからどのルートを通って出て行き、各大陸にどのように広がって行ったのかを確かめるために、これまでの遺伝子研究成果や遺跡や化石の記録によって導き出された推論をもとに、著者が実際に世界中の遺跡を辿っている。スティーヴン・オッペンハイマー著『人類の足跡10万年全史』と併せて読むと一層楽しめる。

  • 400ページを超えるグレートジャーニー。人類の起源を追って世界中を旅する医師兼解剖学者の旅行記。人類の足跡を打取りながら、数万年の時をさかのぼる筆者の感動が伝わってくる。読み応えあり。

  • f may22,13
    b jun 8,13

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著者プロフィール

人類学者。バーミンガム大学教授(「科学への市民の関与」講座)。1973年イギリス生まれ。テレビ番組の司会者や著作家としても知られ、BBC2で人類進化をテーマとするいくつかのシリーズ――The Incredible Human Journey(「人類 遙かなる旅路」としてNHK Eテレ『地球ドラマチック』で2013年に放映)、Origins of Us、Coast、The Celtsなど――に出演。翻訳された著書に『人類20万年 遙かなる旅路』(文藝春秋)、『アリス博士の人体メディカルツアー 早死にしないための解剖学入門』(フィルムアート社)、『生命進化の偉大なる奇跡』(学研プラス)、編著に『人類の進化大図鑑』(河出書房新社)がある。

「2020年 『飼いならす 世界を変えた10種の動植物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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