- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163763804
作品紹介・あらすじ
日本からしか見えない、巨大メーカーの真実とは美しく斬新な製品で人々を魅了し続けるアップルは、秘密主義の裏で日本産業を植民地化している――。獰猛な真の姿を暴く驚愕のルポ!
感想・レビュー・書評
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アップル躍進の要因をビジネス的側面から迫ったルポ。
どこまで本当というか、的を得ているのかは分からないけどオモシロイ。
自社工場を持たないメーカーであるアップルの凄味、アングロサクソン的な攻撃性がよく分かる。世界的な収奪システムを構築したアップル、そこに依存しなくてはならなかった日本メーカーと、スマホ市場での明暗が悲しい。
どこよりも優れたものを作っているのに、サプライヤーに決して報いないのがアップルってことだ。
iPodの美しい鏡面は、かつて新潟の工場ですべてが仕上げられていた。販売台数の増加にともない、大量生産が可能になるように技術移転をせざるをえなかったわけだが、ここの件りには泣けた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者である週刊ダイヤモンドの記者2人が日本のメーカー・台湾メーカーや通信キャリア等の取材を通じて今まではタブーで殆どの人が知らなかったアップルを支える下請けメーカーの残酷な実態をレポートする。
日本の大手メーカーの東芝・ソニー・シャープ等等、相当に多くのメーカーが秘密保持契約を結ばされ一切の情報を漏らす事なく理不尽な下請けに甘んじている状況に愕然とします。
アップルの凄いところは調達先のメーカーどころか流通(大手家電量販店)や通信キャリアへの管理も徹底しており広告1つについても厳しい管理がされ徹底したコスト削減を実施させ圧倒的な人気商品のiPHONEを背景として自社に利益が集中する様な仕組みを創り上げる企業文化は昭和時代の日本企業を思い出させます。
超低利益で単品大量生産・大量販売で下請け化された企業が継続的な活動が出来れば問題ないかも知れないが毎年追求されるコスト削減により生産拠点が転々としアップル依存の高い企業は死活問題となる。勿論それを選択したのは当事者である下請けメーカーではあるが、、、
ファクトリーレスメーカーが在庫・コスト・流通等を徹底的に管理し利益追求する様は一体誰が得をするのか消費者優先・主導権を握る一部の企業のみなのではないか。物創りを忘れた企業に継続的な繁栄は有るのでしょうか? -
これまでアップルは好印象だったが、この本を読んで、そのやり方の冷酷さを知った。下請け企業は、それでも契約すると多くの利益が得られるため、依存せざる負えない。しかし、アップルに見捨てられたら、過剰な設備を維持できず、買収されることになる。
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GN1a
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取材が深い。
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・かつて世界を席巻した「日の丸メーカー」が、実のところアップルに大量の電子部品を供給する下請けメーカーに成り果てたと行っても過言ではない。
・アップルにとって納期は絶対ではない。文字通りの死守だ
・小売の価格は自由にできると独占禁止法に定められているが、もし安売りが発覚すればアップルはさりげなく「在庫が足りない」と言って、確実に出荷台数を絞ってくる。
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若い著者が取材に基づいた読み応えのある書である。アップルの内情を知ることで日本企業はどうすればよいか。生き残る為の策をよく考えなければならない。勝者が全てを取るという現状を覆す為に何をすべきか。簡単ではないが、今ここで考え直さなければ帝国に組み込まれ、ゆっくり衰退してしまう。
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アップルの過去と現在を描いて見せてくれた。そして日本の企業、特にジョブズが愛したソニーの凋落を。そしてこれからのアップルはどこに行こうとしているのか。グーグルやアマゾンがソフトとサービスの力で勝負しようとしているなかアップルは今までハードで勝負をしてきた。
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1月7日 第1世代iPod miniが発表された日(2004年)
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アップルのすごさと恐怖じみた経営戦略があった。日本企業の堕ちかたが鮮明に書かれていた。極秘にされながら、これまでの情報を引き出せたのはすごい。日本企業は、生き残るためにアップルは必要だが、また、自分の首を絞めている、このジレンマ。店頭に置かれているアップルの見方が変わる。