お茶の水女子大学特別講義 世界を変えた10人の女性

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 274
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163764504

作品紹介・あらすじ

池上流、女性で読み解く現代史!サッチャー、アウンサンスーチー、緒方貞子、ベティ・フリーダン……全10回の白熱講義録と、読めば文章力が向上する〈レポート講評会〉も収録。目次講義のはじめに第1章 アウンサンスーチー 政治家第2章 アニータ・ロディック 女性実業家第3章 マザー・テレサ カトリック教会修道女第4章 ベティ・フリーダン 女性解放運動家第5章 マーガレット・サッチャー 元英国首相第6章 フローレンス・ナイチンゲール 看護教育学者第7章 マリー・キュリー 物理学者・化学者第8章 緒方貞子 元国連難民高等弁務官第9章 ワンガリ・マータイ 環境保護活動家第10章 ベアテ・シロタ・ゴードン 元GHQ職員池上流白熱教室 学生レポート発表会おわりに

感想・レビュー・書評

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  • お茶の水女子大学で開講された,池上「非常勤講師」による特別講義「世界を変えた10人の女性」をまとめた一冊です。

    「世界を変えた10冊の本」も名著でしたが,本書も素晴らしい本です。
    10人の偉人について詳しい人にとっては物足りないかもしれませんが,私のような無学には十分の内容でした。

    特筆すべきは,最終章の「池上流白熱教室・学生レポート講評会」の素晴らしさです。
    この章を読まずして,この講義に対する池上「講師」の狙いは理解できません。

    「『世界を変えた女性』たちの多くに共通する資質とは何か,あなたの考えを800字以内で述べなさい」というテーマの小論文を学生達が発表し,それを池上さんと受講生達が批評するというものです。
    初々しい・未熟なものもありますが,学生らしい素晴らしい内容の小論文が次々と披露されます。

    しかし,池上さんやその他学生達は,その内容を厳しく鋭く批評・指摘してゆきます。
    さすが,お茶の水女子大学の学生さん達です。書く方も,批評する方も,その知的レベルが高いことに驚かされます。

    小論文に対する池上さんの批評には容赦のないものも感じるぐらい厳しい時もありますが,それは池上さんが彼女たちを完全に大人扱いしているからだと思いました。
    授業に対する池上さんの哲学は,日本の大学が失っている本質を見事に貫いています。

    彼女たちこそが将来,「日本を変える女性」,いや「世界を変える女性」となるのかもしれません。

  • これは環境の本というわけではないのだが、10人の中にイギリスの化粧品会社「ザ・ボディショップ」を起業したアニータ・ロディック、放射線の研究に生涯を捧げ、ポロニウムとラジウムを発見したマリー・キュリー、元国連難民高等弁務官の緒方貞子、女性の地位向上やグリーンベルト運動、「もったいない」という言葉を世界的に広めたワンガリ・マータイといった、「環境」問題に関わりの深い女性が取り上げられている。この本は、その人となりや活動内容を知るためというより、何が世界を変えることにつながったのかという視点で書かれている点がポイントだ。テレビでお馴染みの池上氏の語り口がそのまま紙面となっているので、大変に読みやすい本といえる。

  • 選ばれている10人の人生とその人たちがやってきたこと、それによって私たちが得られることがわかり、すてきな本でした。名を残したいとは思わないけれど、こんな人生を歩みたいから。誰かの人生にいい影響を与えたり、社会をよくしたいなぁ。本文もよかったのですが、最後の学生のレポート発表と議論の部分、大変勉強になりました。印象に残った部分を箇条書きでメモしておきます。
    常に自分なりに疑問を持ち、答えを求める
    問題設定自体を疑う
    具体例を出す
    読む人の疑問に答えるように書く
    時間を置いて読み返す

  • 何かで紹介されていたのがきっかけだったと思うが、世界を変えた10人の「女性」、というところに引っ掛かりを感じて読むことにしたのだったと思う。この引っ掛かりについては池上氏自身も本文に収められた講義の中で言及しており、本当は世界を変えた10人の中に女性が5人いるのが理想、と言っている。そうだろうなと思う。そしてこの講義がお茶の水「女子大」の女子学生を相手に行われた点、CREAという「女性」誌に連載されたという点にもやっぱり引っ掛かりを感じざるを得ない。

    と本文の感想に入る前に、属性だけでいくらでも感想が語れてしまうのだが、ともあれ読み物として面白かったというのが第一印象。偉大な功績を残した人物の人生を、偉業やいい面だけでなく、人間臭い部分も含めて、大変わかりやすく面白く語ってくれている。マリー・キュリーは恋多き女だったとか、アウンサンスーチーはミャンマーの田中真紀子だとか、かなり新鮮。

    ちなみに10人の人選は結構池上的に偏っていると思う。政治家が多く、実業家はボディショップを立ち上げたアニータ・ロディック一名だし、彼女も純粋なビジネス上の功績だけでなく動物実験を廃止させたという社会的な側面が取り上げられた理由のように見える。そして10人の女性たちのほとんどが裕福な家庭の出身で、女性が大学に通うことすらかなり珍しかった時代でも大学どころか大学院にまで行ったり、留学したりとかなりの高学歴。出自で選んだわけではないだろうが、やっぱり世界を変えるのは「恵まれた」人なのだろうかと複雑な気持ちにもなる。

    最後に学生のレポートの講評会の記録が載っているのがまた興味深い。お題はこうだ。
    「『世界を変えた女性』たちの多くに共通する資質とは何か、あなたの考えを800字以内で述べなさい」
    これにならって、800字ではないが、何が共通項だろう?と考えてみた。

    私の答えは、「信念」と「勇気をもって実行し続ける力」の両輪。
    自分が何かをやりたいと思い、やるべきだと信じ(時にはそれがナイチンゲールやマザー・テレサのように神からの啓示になるのかも)、困難にぶち当たっても信念を捨てないこと。もはや思い込みにも近い。そして、信念に基づいてそれを実行すること。一度でなく、続けること。そのために信念を持つこと。その循環が偉大な功績につながったんじゃないかと思います。

    それにしても、世の中にはいろいろな生き方と、いろいろな能力の活かし方があるものだと。ほかの人の人生っていうのはほんとに興味深い。

  • 積読書になりそうです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      積んだら崩れた時に、危ないから、、、ホドホドに(自戒を込めて)
      積んだら崩れた時に、危ないから、、、ホドホドに(自戒を込めて)
      2014/03/03
  • お茶の水女子大学特別講義を文面に書き起こしたもの。
    世界を変えたという10人の女性の紹介と、池上さんらしい解説。
    池上さんの偉人とされている方々の負の側面をあえて批判してみるというのが興味深かったのと、白眉は最後の学生達のレポート質疑応答。
    すごく頭を使って非常に真剣で憧れるほどかっこよくて良かった。

    池上さんの学生達の成長を促しているってことが良くわかって厳しいけれど出てみたいと思った。
    うん、単位落としそうだけれど。

  • お茶の水女子大学での講義をそのまま文章にしていて、生徒との質問や話したまんまの言葉で文になっているのがとっても面白かった。

    なにより最後の学生がレポートを発表し、それに対して同じ講義を聞いた生徒と池上さんが手厳しく質問や訂正を加える場面があって、
    社会人になるとあんな学生のように必死に頭を絞って考えたり質疑応答する場面ってないなー・・・頭使ってないなーとしみじみ感じてしまった。

    大学の講義を覗いた気分にもなれて楽しかった。

  • 世界を変えた10人の女性
    ①アウンサンスーチー(政治家)
    ②アニータ・ロディック(女性実業家・TheBodyShop)
    ③マザー・テレサ(カトリック教会修道女)
    ④ベティ・フリーダン(女性解放運動家)
    ⑤マーガレット・サッチャー(本英国首相)
    ⑥フローレンス・ナイチンゲール(看護教育学者)
    ⑦マリー・キュリー(物理学者・化学者)
    ⑧緒方貞子(元国連難民高等弁務官)
    ⑨ワンガイ・マータリ(ケニヤ・環境保護活動家)
    もったいない。グリーンベルト運動
    10.ベアテ・シロタ・ゴードン(元GHQ職員)
    日本国憲法草案

    学生レポート講評会が、大変痺れた!
    こんな授業を受けてみたい!

  • 【池上流・女性で読み解く現代史!】サッチャー、アウンサンスーチー、緒方貞子、ベティ・フリーダン…全10回の講義に加え、文章力向上に役立つレポート講評も収録

  • タイトルにも深い意味があるんだな。
    ジェンダーというやつだな

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著者プロフィール

池上彰(いけがみあきら)
1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、NHKに記者として入局。さまざまな事件、災害、教育問題、消費者問題などを担当する。科学・文化部記者を経て、NHK報道局記者主幹に。2005年3月にNHKを退職し、フリーのジャーナリストに。
主な著書に、『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ(第4版)』(海竜社)他、多数。

「2020年 『池上彰の今さら聞けない日本のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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