アンダー・ザ・ドーム 下

  • 文藝春秋
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感想 : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163804804

作品紹介・あらすじ

町はビッグ・ジムの手に落ちた。悪辣な陰謀が人々を陥れてゆく。煽動された暴動。演出された流血。罪なき者は踏みにじられ、焼き尽くされ、投獄される。法も秩序も良心も"ドーム"のなかに手を伸ばすことはできない。陰謀の総決算は臨時町民集会-そこで反対勢力は弾劾され、死刑を宣告されるだろう。ビッグ・ジムへの反撃を目論む元兵士バービーと医師助手ラスティらは、天才少年ジョーと仲間たちが山奥で"ドーム"発生装置とおぼしき謎の機械を発見したことを知る。しかしビッグ・ジムの弾圧の手は容赦なく彼らに及び…。蓄積しきった圧力が解放されるときがきた。恐怖にうち克つのは生きとし生けるものの生命の尊厳。圧倒的な筆力とイメージで恐怖と怪異、その末の浄化を描いたあのキング、ここに復活。

感想・レビュー・書評

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  • なんの前触れもなく隔絶されてしまう町・・・権力を握り続けたい人、悪化していく環境、逃れようのない限定されたエリア。災害によって孤立した地域、政治によって外界と遮断された国、地球だって考えようによっては孤立した限定的で微妙なバランスで成り立つ自然環境だ(まだ火星に住むわけにはいかないし)。下巻はどんどん破局に向かってスピードが増していきますが、スピード感だけでなく、いろんな読みかたができてしまう、キングとしては珍しい作品。

    でも、ホラーな感じが失われた訳ではない。逃れようのない国・地域・組織で、狂った指導者の下に生きていかざるをえなくなったとしたら・・・今、最も恐ろしいテーマではないだろうか。

  • 東日本大震災を体験した直後だけに、読んでいて何度も泣きました。突然、透明なドームに包まれた小さな町。翻弄され、自滅する住民。一方で、疑似家族のように深く結び付いていく人たち。その様子がたっぷりねちっこく描かれていて、没頭して読み進んだ2週間。震災後の将来への不安を思いだし、主人公たちと同化していました。

  • 原因不明の障壁に覆われて、完全に孤立してしまった街を描いた作品です。
    ジャンルとしてはパニックもの?ホラー要素・超自然要素もあり、まあキングが一番得意とするジャンルだと思って頂ければよろしいかと。

    いやあ、すごかった。

    主要な悪役は最初から既に真っ黒に悪く、精神的にもちょっとおかしい。
    外から警察や軍が介入できないのをいいことにどんどん悪事がエスカレートします。それが街の権力者(町政委員)親子だったからさあ大変。町政委員は3人いるんですが、一人は傀儡、一人は痛み止めの薬物中毒で、最後の一人、ビッグ・ジムの思うまま。こういう人はやたらカリスマ性があるせいか、街の人たちの大部分を巧みに操り、自由の国アメリカはどこ行ったという状態になっていきます。閉鎖空間恐ろしい。
    銃がなかったら相当違ってくるんでしょうが、アメリカは建国の歴史とともに銃があるようなもんですからね。銃のない世界のほうが想像しにくい。

    バービーを始めとする少数のまともな人々はビッグ・ジムの外面に騙されず、それに抵抗しようとするんですが、最初から数が少ない上にこれでもかというほどピンチに陥り、ものすごいバッドエンドになるのではとハラハラし通しでした。

    半ばでドームを作り出した正体がおぼろげながら明らかになるんですが、なったところで打つ手がなく、これの決着は最後の最後まで持ち越されます。正体はなんとなく予想はついていましたが、どういう風に決着するのかは予想がつきませんでした。
    こういうオチかー。
    途中途中で挟まれた主役クラスのふたりの過去がこんな風にオチに絡むとは。解決ではないけど終結した、という感じですね。

    それにしても今回章タイトルがよかったです。特に最後の「それを着てうちに帰りな、ワンピースに見えるよ」は秀逸だと思います。


    久しぶりのキングの共同体ものを満喫した感。間違っても爽やかな読後感ではないですが、読み応えたっぷりで面白かったです。わたしキング作品ではこの手のが一番好きかも。
    まあ、キングファンとしては今回の舞台チェスターズミルがキャッスルロックに隣接という時点で既に死亡フラグが立っているといわざるを得ないんですがね。メイン州呪われてるよ、キング世界的には。

  • 上巻を読み終えたのが9月なのに、下巻は11月半ば……。いろいろと理由はあるが、やっぱりこの小説、つらすぎる。人が死にすぎる。絶望的すぎる……。ようやく最後に事態は改善したが、ほんの数人しか生き残れなかったなんて……。

  • 【上下巻のレビュー】
    人間なんてラララ・・・

    突如現れたドームの前に為す術もない無力な人間。そのドームの不条理さ、人間の醜悪さ、命の儚さがキングのパワフルな筆力によって一気に描かれる。上下二段1,400ページのボリュームを感じさせないストーリーテリングはさすがの一言。ビッグ・ジムをあれだけ憎々しく描いていながら、バービーとの最終直接対決が見られなかったのが少々残念。それもキングらしいといえばらしいのですが。

  • 面白いでは済まないね。読んでよかった。久々の充実感。

  • キングさんらしい展開と終わり方。一つの街をこれほど苦しめたドームの現れた原因とか結末は、なんだか笑えるほどくだらないんだけど、まあ……長い話で楽しませてくれたのであまり文句は言うまいという気がする。
    バービーがちょっと中途半端だったかな。昔のKing小説の主人公のようにはかっこよくなかったので、ちょっと勿体ない気がした。話が悪の元凶と直接対決する!という形ではなかったし、最後は援護射撃に回ってしまったので。その分、カタルシス少なめで残念といえば残念。

  • 一つの街の崩壊というテーマはどちらかといえば好きな方なんですが、うまく流れてくれないとその人物の多さだけに散漫と受け止めてしまうなあ。
    今作はちょっと(悪い意味で)展開早すぎかもな…? と思いましたし

    サンダー計画とかでも良かったので宇宙人オチはやめておいたほうが良かったんじゃないかなぁと思う。
    宇宙人が、というより最後の最後にテレパシーが通じて引き上げてもらう というのにどうも不完全燃焼感があります。

  • 流し読んだのでまた読まないとだ。

  • いつもはキングの文章が流れるまま読むけど、これは途中から、どう収拾つけるのか心配になった。突然はじまったものは、突然終わるよねーwそれまでの犠牲はものすごい。スタンドなみに人物が死んでった。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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