天上紅蓮

  • 文藝春秋 (2011年6月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163805009

みんなの感想まとめ

平安時代の貴族社会を舞台にした恋愛物語は、当時の文化や人間関係を深く掘り下げています。特に、上級貴族の恋愛模様や生活様式は、現代の感覚では理解しがたいものがあり、驚きとともに興味を引きます。主人公の璋...

感想・レビュー・書評

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  • 「エロが物語世界から分離してしまった・・・ 」

    平安末期、藤原公実の末子で祇園女御の養女であった璋子(たまこ)は14歳で、62歳ながらその荒淫で知られた白河法皇の寵姫となる。法皇の愛欲の手解きを受けながら、その孫の鳥羽天皇の后となり、のち国母にまで登りつめた平安最後の華、待賢門院璋子の愛の物語。

     60歳を越えている白河法皇のエロっぷりがあっぱれです。白河法皇発案、やんごとなき深夜の蛍プレイ。日の本一の権力者の性生活はもうなんでもありだったんですねぇ…(溜息)

     孫のような少女を女にした白河法皇も凄いですが、彼に愛され尽くした璋子さんはその上をいっています。彼女は法皇にその愛の技の限りを教え込まれ、女性としては最上の性の悦びを与えられました。

     これを読んでいると、性交はあくまでもテクニックの問題で、男性の年齢とか容姿とかはあまり関係ないのか?と改めて妙なところに感心したりして。もちろんそこに細やかで深い愛情があることでその喜びは相乗するのでしょうけれど。

     すっかり法皇仕様の女体にされた彼女は、法皇の孫である鳥羽天皇の后となってもなお、呼ばれるがままに法皇のもとに通い、彼の思惑のままにあまつさえその子供を産むことになります。

     「法皇さまがおのぞみなら…」って、そりゃ彼女の立場ならそうなるのでしょうけれど、そこには時代のせいだけではない、何か飼い慣らされた女の罪深い無垢さや男のために思考停止になった女の愚かさの臭いがしてしまうわけです。

     そう感じるのは、本作品が平安の世が舞台の時代ものでありながらこと濡れ場のシーンになると、極めて現代ぽくなってしまっているためかもしれないです。千年前の男女が言わなかったと思うんですよね、「こんなの、初めて…」とか「ねえ」「やめて」「だめっ」とか。

     几帳の向こうで行われている情事をのぞいてみたら、そこには老練なエロ社長と新人の女子社員が絡み合ってたみたいな。たとえばこれが源氏物語のように本物の古典であったなら、例の蛍プレイのシーンもさぞかし趣があったのではないでしょうか。

     璋子と白河法皇の愛の物語は、官能的な小説で人気を博した著者には持ってこいの題材ではあったと思いますが、結果的にエロが物語世界から分離してしまっている印象が残りました。

  • 貧乏性なのでなんとか最後まで読んだけど、なんど止めようかと思ったほどつまらなかった。これは歴史官能小説という新しい分野の本だなw

  • 大河にアヤカってるよな……。

    うっかり本屋で見つけました。

    買ってはいませんが。
    いや、買うつもりもありませんが。

    一言で言ってしまえば

    讃岐院が生まれる元の話。


    一説に讃岐院は白河院のご落胤(この場合も落胤と言うのか?)という説が当時からまことしやかに流れていたわけですが(鳥羽院は信じていたようですがね。で、それが保元の乱の発端になるわけだけど)、


    それを小説にしてしまうほどの美談にするとはね!


    というのが素直な感想でしょうか。
    大河にアヤカってるのでしょうが、その大河が史上最低視聴率を誇っているとかなんとか……。
    アヤカりたくてもアヤカれないんじゃない?


    図書館にあったら読んでもいいかな、という程度。

    私は、崇徳院自身の話の方がよっぽど読みたい。
    天狗上等! そうなってまで呪わずにはいられなかった崇徳院自身の内面の方がよっぽど涙を誘うぜぇ~?(笑)

  • 前半は確かに物語だったのに、後半は史実の羅列というかなんというか。平安時代のやんごとない雰囲気に浸りたくて読んでるのに、所々に出てくる現代医学考察が邪魔。医者だかなんだか知らないけど月経周期なんかいちいち数えるな。

  • 渡辺淳一らしく、歴史物と言っても男女間となる。白河法皇と待賢門院のモラルなき繋がりだが、権力者には何でも出来るのかって空しさだなぁ、平安時代の無節操と無駄を描いた作品?この続きが今NHKでやってる平清盛の時代になる。しかし、天皇、上皇、法皇と覚えきれねぇ~(爆)
    まぁ、庶民感覚で読むと、羨ましくも何ともなく面倒で呆れるし共感部分なし。身勝手な言い分ばかり目立つ。

  • 残念ながらまったく面白くない。

  • 平安の時代を少し感じられた
    エロい

  • 白河法皇とその寵愛を受けた璋子の物語。
    48歳差か・・・最近も年の差婚とか多いケド、権力や財力にモノを言わせているだけでしょ。

  • 白河法皇と養女・璋子の愛を描いた作品。
    今の大河ドラマに出てきた年の差カップル。
    白河の側室・祇園女御に子がなかったため、5歳で養女として引き取られた。藤原北家の閑院流の公実の末娘。実母は堀河天皇の乳母。
    祇園女御が元は人妻で白河が略奪したのだったとは。やれやれ。
    白河は20歳で天皇に。天皇だった時代に中宮を亡くした後に荒れたが、10年ほどは祇園女御で落ちついていたのだったが…

    可愛がられた少女が花開いていき、15の頃には相思相愛に。
    法皇はこのとき63歳。
    この作家でこのテーマならこうもあろうかという予想&期待にはまあ違わないでしょう。
    当時の人にしては妙に現代的な知識や感覚も混じっているけど。

    50代で死ぬ人が多かった時代。
    治天の君として権力を誇った白河が60過ぎて燃え上がった恋。
    自分の最愛の女性を国で最高の地位につけようと考え、しかも璋子の最初の子だけは自分の子を、と望む。
    作家は肯定的に恋の情熱を描いていますが、この悪魔的な発想が世を乱す元となったのでは。それが恋?!
    孫に当たる鳥羽天皇はいい迷惑…
    といっても、自分を天皇にしてくれた祖父には逆らえず、年上で美貌の璋子への敬慕もあったらしい。

    後に崇徳天皇となる皇子はまあ白河の子なんだろうとは思ってましたが、ここまで作為的に行われたとは?
    その意図までは証明されてはいないのでしょうが、里帰りの時期は記録が残っていて、確かに異常に頻繁で、そう解釈も出来る。この頃妊娠したという研究まであるそう。畏れ入りました~。

    妊娠の度に璋子の安産を祈って大がかりな祈祷や寄進が行われ、貴族達も右往左往。
    すべて白河の仕切りで、鳥羽上皇は知らん顔だった。
    璋子は待賢門院という院号を与えられ、財産も出来て、白河鳥羽と共に出かけることを三院行幸などと言われた。
    3人で熊野詣でに行ったり、揃って行事に顔を出すことは珍しくなく、少なくとも一見した所は和やかだった。
    璋子は7人も子を産んでいて、おそらく3人目からは鳥羽の子。
    二の皇子、三の皇子の二人は病弱だったのが一番の気がかりだっただろうという。
    第四皇子は後の後白河。

    白河法皇が亡くなると、鳥羽上皇は別な皇后を立てたんですね。
    大河ドラマでは端折られていましたが、藤原氏の身分の高い37歳の女性。
    藤原家でも璋子とは別の家系と手を組むという意味でしょう。
    璋子が「自分は何とも思わないがこれは自分への嫌がらせだ」という意味の手紙を残しているとか。

    得子の隆盛に璋子がうつ状態になったため、得子の家族の何人かの役を解いたり追放するなどの処分を崇徳天皇がしたこともあったとか。
    鳥羽のほうが政治の権力を握ってはいるが、いったん天皇大権で決定すれば上皇といえどもすぐには覆せない。
    得子の家族に人も無げな振るまいがあったと察せられます。
    崇徳は母思いではあったのですね。

    尼になることを決めた後も、そのために新たな寺を建てる財政に不自由はなく、晩年は崇徳や娘のいる邸に身を寄せていたとか。
    穏やかな日々もあったのかな。

  • 今NHKでやってる大河ドラマ「平清盛」にも出てくる、待賢門院璋子と白河法皇の危ない関係。渡辺淳一は璋子を自分好みの女に育てあげた白河法皇が羨ましかったんだろうな。史実にズンイチ流の妄想が絡んで、かなりキモチワルイ。

  • 渡辺淳一さんも老いた、ということなのか
    小説としては少し残念な中身。

    小説というより資料集に近くて
    「はっきりいって」など同じ文言の繰り返し(多用)が目だつ。


    この頃は文化の爛熟期なのか
    衝撃的な事件が多過ぎて、
    『今鏡』や『中右記』などを読んでも面白いので
    この小説も楽しみに思って購入したのだけど。

    渡辺淳一の想像による脚色をたのしみにしていたのに、
    あまりそういう小説らしいつけ加えはなく、
    それだったら『今鏡』で充分だな、と思った。



    史実は小説より面白い。


    養母の夫によって奔放な美少女(15歳)に育てられ、孫の后でありながらその祖父の子を産んだスキャンダラス女王・璋子、

    生まれた身分は高くないが美貌と天然系の性格で国母にまで登りつめた日本のEvita・得子、

    そのはざまで政略の犠牲となり高齢で結婚させられた高陽院泰子、

    摂関家復興の悲願に暗躍する忠実・忠通、

    才能に恵まれながらも青年期を不遇に過し、若き日に最愛の后を喪った白河院、

    長子を叔父子と呼ぶはめになり、祖父の死後、はっちゃけだす鳥羽院、

    自らの複雑な出生の事情を胸に抱いて政治的に力をもとうとする崇徳上皇、

    12以上年上の美貌の女院に憧れ、現実社会での出世を諦め出家する天才歌人・西行、、


    この時代はドラマありすぎで面白い。


    渡辺さんは
    若い璋子が60代の法皇を心身からほんとうに愛していたよ
    というオチを強調したいみたい。

    それは渡辺さんの願い・理想でもあるのだろう。

  • 約900年前の愛
    深く

  • 12/02/11 院政期、璋子と白河上皇との話。何と言っていいやら。
         武家の世が来るのもむべなるかな。

  • うーん。
    小説?歴史解説本?
    どっちつかずで読みづらかった。
    法皇様との官能部分だけ小説っぽく書かれてもなぁ…。

    特に後半になる程どっちつかず。

    前半は面白く読めました。

  • 天上の男女
    天上紅蓮天上の白河法皇とその孫鳥羽天皇の璋子(紅蓮)を巡る人間模様の物語です。あらすじはわかりにくくはないですが、如何せん人物の階級や出自の記述が多くて、慣れるのに時間がかかりました。
    特に物語の最後の方は進展がなく説明に終始し退屈でした。どちらかというと飛ばし読み…渡辺さんごめんなさい。

  • まさに恋愛小説!年配の人が子供に手を出すなんて!昔はこれでも良かったんだね…

  • この当時(今からおよそ千年前)、排卵期と受胎の可能性について、ここまで上皇やその周りの女房が知識を持っていたなんて信じられない。
    著者は医学博士だから信じなきゃいけないのかもしれないけど、現代の男性だってよく理解している人は僅少だし、10代で月経周期が非常に安定していて、痛みによって排卵を意識できる女性が100人中何人いるというのか。
    設定がムリムリ。

    それに、色ごとを仕込んだということ以外に、50歳の年齢差を越えて愛される上皇の魅力というのがとんと伝わって来ないし、50歳の年齢差を越えて上皇を愛した璋子という女性の強さ賢さも伝わって来ません。
    男の魅力は権力と性技巧で、女の魅力は色香だけという物語。共感できません。

  • 前半は、渡辺さんらしぃ小説…。
    題材も、よかったんでせぅね…。

    でも…、後半は、小説の体をなしてなぃ…。
    後半に行くほど、たくさんの情報を羅列しただけになっており、
    最後の方は、かなり読み飛ばしちゃいまつた…。
    最後は、自分の感想で〆って…。

    題材(キャラ)の魅力も、急速にしぼんじゃったし…。
    法皇が亡くなったところで、終わっておけばよかったのに…。

  • 調べ物としての歴史もので、かなり詳しく宮中の行事などに触れられているが、小説としてはもうひとつ踏み込めなかった。結局のところ、待賢門院璋子に、生き生きとした魅力がなかったことが残念。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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