真夏の方程式

著者 :
  • 文藝春秋
3.84
  • (569)
  • (1313)
  • (799)
  • (92)
  • (9)
本棚登録 : 6731
レビュー : 1034
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163805801

作品紹介・あらすじ

夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 子供の質問は
    ちょっと哲学的だな、と思う。

    それは
    心の深部で眠る、
    (人ってどうして生まれてきたの?
     生きてゆくってどういうこと?)
    すべてはこの謎を解く手掛かり、
    で、ある様な気さえするのだが。

    >どうして勉強しなくちゃいけないの?

    >どうして人にバカって言っちゃいけないの?

    >どうして野菜を食べなきゃいけないの?

    ちっちゃなニーチェが次々ぶつけてくる質問に、
    私は模範的な答えしか出してやらなかったなぁ~

    本当に聞きたい答えはそうじゃなかった。

    本当に聞きたかった答え、って…。

    湯川教授は、
    確か、子供が苦手だと思っていたが、
    今作品での
    少年との関わり方は理想的だった。
    湯川に深い信頼を寄せている少年が、
    彼と交わした会話は、まるで禅問答の様に面白く、
    同じ所を何度も読み返してしまった程だ。

    で、推理のほうは?と言えば
    恨み辛みのホツレが無かったので、ほどくのが難しく、
    容疑者Xの献身的事件だなぁ、と感じた。(切なかったです…)

  • 夏休み、多忙な両親の都合で、叔父の経営する旅館で過ごすことになった小学生の恭平は、玻璃ヶ浦へ向かう電車の中で湯川に出会う。
    湯川は海底鉱物資源開発の説明会に出席するために玻璃ヶ浦に滞在することとなっており、恭平の親戚の旅館に宿泊する。
    そんな中、宿泊客の塚原正次という男性が行方不明となり、翌朝海辺で変死体となって発見された。
    塚原が玻璃ヶ浦に来た理由と、16年前に発生した殺人事件との関係。そして、塚原の死の真相とはどのようにつながるのか…

    湯川さんって、こんな人だっけ(笑)
    ガリレオシリーズは、たぶん2~3冊しか読んだことがないのだけれど、湯川先生はすっかり福山さんぽく格好いい人物描写になっていた。
    偏屈の嫌味な人だったのが、ちょっと角がとれ、むしろ隠れ人情派ともいえるような優しさを垣間見させ…。
    恭平相手に、科学の面白さを実験を通して教える様子なんかは、微笑ましかった。

    「ねえ、科学の研究なんて楽しい?」
    「この上なくね。君は科学の楽しさを知らないだけだ。この世は謎に満ちあふれている。ほんの些細な謎であっても、それを自分の力で解明できた時の歓びは、ほかの何物にもかえがたい。」
    こんな先生がいたら、今頃私も理系の道に進んでいたかも?!

    以下、ネタバレ含みます。

    一見関係がなさそうな、二つの事件のつながりが見えてくるところにこの本の面白さがある。相変わらず、伏線の散りばめ方は巧妙で、しかもその回収は手際よい。

    ただ、読後感は悪かった。
    誰にでも触れてほしくない過去がある。
    真相を暴くことが常に正義とは限らない。
    かといって、明らかに、塚原さんを殺すだけの動機が弱いと思うのだけれど。
    自分の大切な人を守るため、なんていうと聞こえはいいけれど、
    そのために他の人の人生を奪っていいのか?
    罪のない子どもに、自分の罪を背負わせていいのか?
    何の正当性もない行為なのにこんな嘘がまかり通って罰せられない…、
    被害者からしたら浮かばれない話です。
    家族愛でごまかさないでほしいと、読後沸々と怒りがわいてきました。

  • 近親者に同名の男の子がいて、彼がキーマンなんだろうなーと読み進め結果を知って切ない気分。映画も気になるなー。湯川先生を福山雅治で読む事が出来ました。

  • 探偵ガリレオのシリーズ。

    玻璃ヶ浦という海辺の田舎町。
    小学5年の恭平は、両親が忙しい時期、伯母一家の営む緑岩荘に預けられることになった。
    往きの電車でたまたま一緒になった男・湯川学は、意外にも緑岩荘に泊まることになる。

    川畑成実は、恭平よりは20才近く上の従姉。
    海底鉱物資源開発の説明会に参加しようとしていた。
    玻璃ヶ浦の沖合に希少金属が埋まっているらしい。
    玻璃のように美しい海底を持ち、観光で売ろうとしたが上手くいかず、もはや寂れかけた町では、歓迎ムードのほうが強い。
    自然保護の立場の活動をしている成実は、仲間と共に反対派としての出席だ。
    湯川は専門家として出席していて、賛成でも反対でもない。

    泊まり客の男性が行方不明となり、崖から転落しているのが発見される。
    事故で片付きそうになるが、少しずつ不審な点が…
    その人物は元警官で、かって逮捕した後に気にかけていた様子だった人間がその地の出身だった。
    過去に何があったのか…?

    恭平という男の子を「こんな偏屈な小学生を久しぶりに見た」と言い、何かと実験して見せたり、飽きずに相手をする湯川。
    恭平がどこか、湯川の子どもの頃に似ているんじゃないのかな。
    「容疑者Xの献身」の事件の後の、湯川の心境をうかがわせるシーンも。
    面白く読めましたが、今ひとつ後味が良くないような…
    罪と罰の問題が、無理もないと思わせるほど書き込まれていないせいか?
    恭平君との関わりは微笑ましく、力強い最後のひと言も素敵です。

  • 面白かった。ガリレオシリーズを読んだのは初めてだけれど、福山雅治さんを思い浮かべることもなく、まっさらな気持ちで読めた。
    この本を読む限りでは、湯川教授が子供嫌いだという情報は入って来ない。最初から子供を子供扱いせずに対等に話す(しかし子供への慈愛は余りある)湯川教授に好感が持てる。

  • 夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
    「BOOK」データベース より

    湯川先生がこの宿に泊まらなかったら真相は闇の中だったのだろう.
    想いの強さというのは、人それぞれなのだ.何を大切にするかも人それぞれなのだ.選択の後もまた、それぞれの想いが去来し、それぞれ消化するのだ.
    湯川先生は今作もまた、ステキだった.

  • 湯川先生のガリレオシリーズ6作目。「真夏の方程式」
    今回は少し雰囲気が違っています。

     難しい物理を捏ねまわし、実験による立証を元に、論理的に謎を解くのが「ガリレオシリーズ」なのですが、
    今回は物理と言うより推理。湯川シリーズより、加賀恭一郎シリーズに近い感じです。


    今回、警視庁の草薙と内海は事件現場に居ません。現場に来ることもない。
    湯川の推理を聞きこみにて確認していくスタイル。


    湯川のみ現地に居ます。
    「これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは。」と言うコピーです。
    物理学者だからこそ気が付いた不審点。それをキッカケに16年前の事件まで遡ります。


    読了感というか、物語の閉じ方も加賀さんっぽい。


    とは言え、「ガリレオ」でコレも有りと思わるから不思議です。おもしろい。


    読み終わって、「玻璃ヶ浦」と言う地名を調べたら実在しなかった。残念です。
    そして、6月に映画が公開されるらしい・・・

    さんざんドラマでやってるので、
    あえて、この「真夏の方程式」を映画化すると言うのも納得できます。

  • 夏休みを叔母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も恭平と電車で出会い、与えられたホテルをキャンセルして、その宿へ泊まる。

    湯川さんが恭平くんと対等に関わって、夏休みの宿題を手伝ったり、科学の面白さを伝えたりする。教えることがいちいち正論で気持ちがいいし、恭平くんのことを「小さな助手」って呼んでいるのが微笑ましい。

    成実さんのことでドロドロして、そこに恭平くんを巻き込まないでって思うところもあった。

    いっぱい勉強して答えが分かったらどう思うのかな、って考えさせられた。

  • この作品を読むとキラキラ輝く夏の海が思い浮かびます。
    そこで出会った湯川と少年の掛け合いがなんとも言えずいいんです。
    バラバラだった人たちが繋がって、
    徐々に真実が見えてくる展開に目が離せず後半は一気読みしました。
    捜査と推理の合間に少年と交わされる
    科学教室がほのぼのとして楽しかった。
    切ないのにどこか温かい、そんな話です。

  • 予約本、待ちに待ったガリレオシリーズ第6弾の1冊。
    6月29日に映画公開される前に読めて良かった。
    玻璃ヶ浦の美しい海の景色が見たいな~と思った。が、読み始めて直ぐに居酒屋前で暗い海をじっと見ていた節子の姿が、最後まで気にかかっていたが後半にそうだったのか!と理解できた。
    でも、子供が絡んでくるだけに結論がしっくりこなくこれで良かったのだろうか?と只々疑問と切なさとが残った。
    映画を観たら感じ方は、変わるのだろうか?

    • アセロラさん
      こんにちは。ガリレオシリーズ、続いてるんですね。
      今日ドラマ化のニュースを見ました。相方は、柴咲コウから吉高由里子に代わるそうです。
      こんにちは。ガリレオシリーズ、続いてるんですね。
      今日ドラマ化のニュースを見ました。相方は、柴咲コウから吉高由里子に代わるそうです。
      2013/01/24
    • happykyoさん
      アセロラさんへ
      ありがとう!そのようですね!
      次回(4月)月9からですね♪
      『ガリレオの苦悩』『聖女の救済』『虚像の道化師 ガリレオ7...
      アセロラさんへ
      ありがとう!そのようですね!
      次回(4月)月9からですね♪
      『ガリレオの苦悩』『聖女の救済』『虚像の道化師 ガリレオ7』『禁断の魔術 ガリレオ8』8弾しか読了してないですー。早く手にしたいです。楽しみですね!
      2013/01/25
全1034件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東野 圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
テレビドラマ・映画化された作品が多い。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほか、映画化が決まっている作品に2018年11月16日公開予定『人魚の眠る家』、2019年公開予定の木村拓哉主演『マスカレード・ホテル』、同年公開予定に玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』。

真夏の方程式のその他の作品

真夏の方程式 (文春文庫) ペーパーバック 真夏の方程式 (文春文庫) 東野圭吾

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

真夏の方程式に関連する談話室の質問

真夏の方程式を本棚に登録しているひと

ツイートする