はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

  • 文藝春秋 (2011年7月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163806105

みんなの感想まとめ

科学技術が進化する現代社会を背景に、人間の心の葛藤やユーモアを描いた短編集は、予想外の展開や深いテーマが魅力です。特に、各短編は独立して楽しめるだけでなく、共通するメッセージが織り交ぜられており、読み...

感想・レビュー・書評

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  • すんごい面白かった〜〜!!
    何も知らずに読み始めて大正解。後から、ネットの紹介を見たら・・・
    科学の発展の先にあるもの、科学技術に翻弄される人間たちを描く、現代の黙示録!
    とありました。まさに!そう、SFなのです!

    『深海のEEL』
    『豚と人骨』
    『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか』
    『エデン』

    4つの短編。1つ読み始めるとグイグイと止まらず、昨日は待ち合わせの友人が近くに来たのも気付かず読んでました。予想もつかない展開も面白いし、なんといってもユーモアがある!極限状態になってこその、ドタバタする人の心の面白さ。(いや、状況はとっても深刻なんですけどね)

    どれも面白かったけど、印象深かったのは、私は『エデン』すごいなあ、こんな人生もあるのだわ。ある種の感動がありました。

    印象に残ったところ少し。
    ーーーーー
    複雑な動きをするマッサージ器と思えば我慢できる気分にもなっていた。

    土の中に埋まるのは、体だけだからさ。それで魂は自由になるんだ。

    必要以外の知識と情報はいらない。それを集めることで人は愚かにも、邪にもなる。

    「考えたってわかりはしないもの。でも大丈夫。私たちは私たちなのだから」

    「色も、形も、心の働きも、つまり俺たちがこだわったり執着しているこの世のすべてのものと事柄には実態がないってことさ、それを知ればあらゆる苦しみもなくなる」
    ーーーーー
    ブクログ管理で、篠田さん26冊目でした。まだまだ読んでない作品あるなあ〜。やっぱり篠田節子さん大好きだ。チェックしなきゃ!

  •  タイトルに惹かれて手に取った。家に帰って来てから「猿」を「狼」と誤読していたことに気づいたが。
     篠田節子さん初読。
     この本は土木や海洋、電機系統と理系の畑に、日々手塩にかけた作物が実ったという印象。
     「食品添加物をぶち込んだパティ」など、無駄や遠慮のない表現でストレートに読者に届く。
     不穏さを残す結末にしばし浸ってから次の短編を開くのがまた楽しい。
     篠田さんの作品を20冊以上読み込んでいる読者さんをレビューで発見!私もたくさん読みたい。

  • 短編集だが、どれも傑作だった。

    特に最後のエデンは今の科学発達を優先した社会へ問いかけている。キリスト原理主義的な生き方、快楽や楽しみではなく、ただ生きて、伴侶をもって命をつなぐ、それでいいのではないかと感じさせられた。

  • 映画になっても良さそうな短編4話。先が読めない展開は出色。

  • 篠田節子の新作。面白い話だが、さすがに長編にはできそうもないというものがいいテンポで描かれていぐんぐん読み進むことができた。ありそうだがありえない面白話満載です。

  • 題名が気になって仕方がなかった、思い出した、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。

  • 金属の光沢を放つ目をもつ巨大な真黒いウナギが深海の底からひきあげられる・・・という場面から始まる「深海のEEL」。著者お得意のホラーと思いきや、まさかのバカSF風展開にびっくりです。つづく「豚と人骨」に出てくる想像力ゆたかな学者とか、もろバカSFだし。芸域広いなー。
    収録作はいずれも、人間社会と未知の自然界の存在との遭遇を描いたSFですが、鼻白むほどの資本主義社会のものすごさを感じさせる落ちが多い。これまでの持ち味を避けたような軽い筆まわしが、興味深いです。

  • 短編4つ。オモチロイ。「深海のEEL」が好きかな。
    戦争になりかねない局面で『冗談じゃねえぞ、何の因果で俺が総理大臣やってるときに・・・しかも中国じゃなくて台湾かよ』とぼやく首相に、官房長官が『中国だったら洒落になりませんて』なんていうやり取りがツボッた。

  • えっこんなことあるの?と一瞬、本気にしてしまうところがスゴイ。

  • 短編集ですが、篠田さんらしい苦味に満ちており、人を選ぶかもしれないと感じます。

    地震以降、世界の許容範囲は狭くなる一方のように感じていますが、この時代にこの文章を書く篠田さんのブラックぶりは応援せざるを得ません。
    SF好きはぜひ。ニヤリとできるでしょう。

  • 深海のEEL、豚と人骨、はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか、エデンの4作品。

    個人的に好きだったのは、はぐれ猿~。どうなるのかドキドキの展開と暖かさのある読後感。良かったです。

    全体を通して、自然と尽きることのない人間の欲が描かれているように思いました。深いテーマだと思いますが、重すぎず面白く読めたのが〇です。

  • それなり楽しめました。特にはずれはありませんが、「これは」というものには出会えませんでした。タイトルはグッド。

  • タイトルでぐっと来た.篠田先生の安定感は異常.

  •  レアメタルに伝染病、ロボットなど科学なネタの4編を収録。
     SF的であるが、時事ネタから想定外の文明批判にもっていく。といっても割りと軽いタッチで、ユーモラスに現代人の悲哀を描くため、ゾゾッとするようでほのぼのとした読後感もあり。
     何気に家族やムラ社会の本質を問う「エデン」が秀逸。

  • 海の底に...。地中で見つけたものに...。奇怪なものに出会ったときに...。トンネルの先に...。それぞれの人間が想いを馳せる先に見えてくるものとは。不可解な現実や不条理なことが、ときに正しいように思えてくる。その境地に至るまでの心情がうまく描かれている短編集。個人的には【エデン】が好み。【深海のEEL】【豚と人骨】【はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか】【エデン】

  • 海の底から引き揚げられたうなぎの体内からレアメタルが見つかって・・・「深海のEEL(イール)」

    マンションの建設現場を掘り起こしたら、太古の遺跡が見つかって・・・「豚と人骨」

    元請けの会社から来ていた男性が置いていった乳白色の板と、かすかなモーター音・・・「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」

    隔離された北方の小さな村。そこに入り込んでしまった日本人男性が歩んだ人生・・・「エデン」

    どれも読み応えありな4編。
    「深海のEEL」はフランク・シェッツィングの「深海のYrr」のパクリかと思いましたが違いましたね、ははは。
    「豚と人骨」は、女性なら震え上がってしまう作品かも。
    「はぐれ~」は、もともとルンバ見て「どこまでもついてくる犬っぽいよな・・・」と思っていたので、あのロボットくんはルンバのイメージ。ラストはほのぼの。
    「エデン」はほんっと物語の先が読めなかった!こんな話になるとは驚き。ショーンの最期の姿と、「ショーンは先に行ってしまったようだ。一足先に外の世界に出て、一通りのものを見て、一通りのことを済ませておくつもりだろう」ってセリフが印象的でした。

    「故郷は家族だ」

    まさに真実ですね。

  • いやー楽しい。短編にするのはもったいない話がたくさんです。篠田さん本当にいろいろやってくれて、飽きさせません。
    タイトルは、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    をパロってるのかな。

  •  SFっぽい設定の短編4編。
     レアメタルを体内で凝縮するウナギや、サルの擬態をするロボットなどが登場するが、途中で作者が飽きちゃって、結末を書くのを投げ出しているように感じるのはなぜだろう。ジャンルを限定せずに書く作家らしいから、SFと思って読んではいけないのかな。

     ちょっと近未来のテクノロジーと人間との共存を書いた作品としては、小川一水の『煙突の上にハイヒール』の方が、数段良くできている。

  • 「深海のEEL」「豚と人骨」「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」「エデン」の四編収録。

    どの作品も、ごくごく近未来の、現代文明の落とし穴の淵でもがく人間たち、といった様相をみせている。
    ちょっと荒唐無稽で滑稽ですらあり、ちょっとサスペンスでSF風。星新一のショートショートにありそうな話。

    少々語り口が軽い気もするものの、いかにも篠田節といったところか。
    正直、彼女の時折見せる悪趣味さがあまり好きではないのだが、やはり本作でもそれは見えた。
    エンタテイメントと割り切ればいいのだろうけれど。

  • 「エデン」は見事に移民宇宙船テーマだね!レアメタルウナギといい寄生虫入り遺跡といい素晴らしきホラ話。やっぱり篠田節子すごい。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田節子の作品

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