あまからカルテット

著者 :
  • 文藝春秋
3.69
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感想 : 284
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163809007

作品紹介・あらすじ

「終点のあの子」作者の誰もが待ち焦がれた新作は、仲良し四人組の探偵小説。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子。恋愛の荒波も、仕事の浮き沈みも、四人の絆で乗り越えてみせる。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに読後感がスッキリ〜!って感じ。
    同じメンバーで主人公が章ごとに変わるから、名前を覚えるのが苦手な私には???になってしまうことも多々あったけど、誰だか分かれば納得して読み進められた。
    大きな事件も起きないから安心して読めた。

  • 楽しげに語らう女性たちが囲むテーブルに、溢れんばかりに置かれた
    ケーキやタルト、ドーナツに甘食、サブレやマカロン。
    この表紙を見ただけでも、お菓子大好きな私はわくわくしてしまうのに
    各章のタイトルが「恋する稲荷寿司」とか「はにかむ甘食」とか
    いちいち美味しそうで、しかも可愛い♪

    『終点のあの子』で、少女たちのヒリヒリするような痛みを掬い上げてみせた柚木さん。
    あの本で柚木さんファンとなった読者は、当然2作目にも苦い味わいを期待するでしょうに
    月に一度のティーパーティーを十数年も続けて育まれた女性4人の友情を
    デビュー作とは打って変わって、甘やかに描いています。
    最初に得た評価を引きずらないあたりが、潔くて素敵。

    ピアノ教師の咲子、4人のうちただ一人結婚して料理ブログで人気を得る由香子、
    デパートで美容部員として働く満里子、敏腕編集者の薫子。
    中学の頃からずっと変わらず仲良しで、
    お互いにそこはかとないコンプレックスを抱くことはあっても
    誰かのピンチには仕事を半休にしてでも駆け付け
    本人よりむきになって打開策を練り、一致団結して解決する。

    口うるさいお姑さんのお小言から料理下手の薫子を守るため
    壱の重、弐の重、参の重、与の重と担当を決めて
    おせち作りを「私たち、四人で一人♪」作戦で乗り切ろうとする4人が微笑ましくて。

    それぞれの場所で思いがけない苦労を抱えたり、つらい思いをしても
    「聞いてよ~!」と打ち明けられる女友達がいる心強さ。
    大学の寮の狭い台所で、慣れない手つきで一緒にごはんを作った友達と
    久しぶりに手巻き寿司パーティーをしたくなりました。

  • 中学生からの親友4人組。やっぱり友達っていいなぁ。自分自身も女子校だったので共感できることがたくさんあっておもしろかった。どのお話もおいしそうで楽しかった!

  • それぞれ全く性格も環境も異なる4人の友情物語。謎解きの要素もありで楽しく読むことが出来ました。こういう気楽に読めるお話好きです。

  • あまくてゆるくてぬるい。
    悪い人も嫌な人もいなくて、結局みんないい人で
    迷いや悩みや失恋もあるけど、結局なんかいい感じ。
    ほのぼのというよりもっとぬるーい感じ。(悪い意味ではない)

    三十路手前の女4人の友情やら恋愛やら仕事やら人生やらを、食べ物にまつわるお話で綴っているのだけど、のんびりまったり、心は終始穏やかなまま読める小説です。
    ずっと共学だったわたしにはわからない部分もあるのかもしれないけど、いい歳した女が4人も集まって、妬みや僻みや見栄がないはずはなく、下ネタのない恋バナもない(笑)のだけど、その辺の下品な部分は排除されて、甘くおいしいお子様向けのお味に仕上がっていてとてもなごみます。
    女の友情話なのにまったく心がささくれない。

    流行りものがいっぱい詰め込まれているところが、ちょっと流行り廃りが早そうで残念だけど、女同士の話は「こんなのないない」くらいのほうがいいのかもしれないですね。

  • 稲荷寿司が美味しそう♡
    お節も美味しそう♡
    柚木さんの食べ物の描写は想像するだけで楽しい♪
    私も今年は頑張ってお節を作ってみようかな…って、つい思っちゃう。
    しかも美味しいものたちを挟んで、学生時代からの女友達と何年経っても楽しい時間を過ごせるなんて良いよね。
    自分たちを取り巻く環境が変わり、それでも皆と会う時間を大事にするって、簡単そうで難しいはず。
    自分も大事だけど、友達も同じくらい大事だから継続できるんだろうな。

    柚木さんの作品は、読後がいつも温かい気持ちになれます。

  • 初めての作家さん。読みやすそうな感じだったので手に取りました。続編あるのかな?あったら読みたい。

  • どの話にも美味しそうなごはんの表現があって
    お稲荷さんが食べたくなったし、
    おせちを作ってみたいとも思っちゃったー。

    恋する稲荷寿司
    はにかむ甘食
    胸さわぎのハイボール
    てんてこ舞いにラー油
    おせちでカルテット

    ただ、学生時代からの4人が大人になっても
    仲良しのままでいられるってところに、
    違和感を覚えてしまった…。
    もちろん、そういうこともあるんだろうけど、
    なんとなく良いようにありすぎてるというか…
    小説の話だからと言ってしまえば、
    それまでだけなんだけど…。
    キレイ過ぎちゃって、☆3にしちゃいました。

    薫子ちゃんが、
    「八十点でよしとすることと人に頼ることを学んだのだ。」
    とあり、それは大事なことだなぁーって思えたよ。
    私もその考えは頭に、こびりつかせよー!!

  • スープが冷めぬ距離にある友情は幾つになっても心強い。友人の芝生が青く見えてドングリの背比べをしてしまいがちだが"あの子の為になんとかしてあげたい"と、奮い立つ勇ましさの原動力は母性が突き動かしているのかもしれない。手本となる女性が居ることで、良くも悪くも取捨選択の道標になるのではなかろうか。幸せは足元にあるのかな『灯台下暗し』。

  • あーおいしいお稲荷さんが食べたい!

    おもしろかったなぁ。いいなぁ・・・。
    信頼できる友達がいて、その関係がいい変化をしてずっと続けられるって、わたしからみたら奇跡だわw

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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