ばくりや

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 428
感想 : 107
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163809304

作品紹介・あらすじ

ご不要になったあなたの能力お取り替えします。北の街の路地裏に、その店はあった-。ハンサムでもないのに異常に女にもてる、就職した会社が必ずつぶれる。古い自分を脱ぎ捨てるため、「ばくりや」を訪れた者たちの運命は。

感想・レビュー・書評

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  • 本人にとって疎ましく感じる体質や能力を、適合する他人の能力と取り替える店「ばくりや」。
    交換対象となる技能がなんなのか、移植前には知らされないし、世間一般の天秤では割に合わない交換にもなり得るが…

    「女に異常に好かれる」「包丁研ぎ」「ひどい雨男」「大食い」「就職先が必ず潰れる」「動物に熱烈に好かれる」「剛速球を投げられる」「おしゃぶり」「泣き虫」「弁が立つ」「間が悪い」「きりが良い」…。

    私ならどの能力を交換したくなるかなぁ。

  • 不要になったちょっとした能力を、
    自分が持っていない他の能力と
    交換してくれる店「ばくりや」。

    自分の持っている能力を
    忌々しく思っている人の話だが、
    結局自分の気持ち次第なのかも?と。
    能力を生かすも殺すも自分次第。
    病は気からじゃないけれど、
    ばくりやに行ったという事実が
    その人を変えさせてるようにも感じた。

    少し不穏な話が多いけれど、
    1つだけ泣いてしまった話があった。
    自分に何か特別な能力があったら良いのになぁと
    今まで何度も思った事があるが、
    能力があったらあったで大変なのかもしれないな。

  • 不要になった能力を他人と取り替えるという「ばくりや」に訪れる人達の顛末を綴った短編作。

    ・逃げて、逃げた先に
    ・雨が落ちてくる
    ・みんな、あいのせい
    ・狙いどおりには
    ・さよなら、ギューション
    ・ついてなくもない
    ・きりの良いところで

    容姿が良くもないのにやたらとモテる男や雨男、必ず就職した会社が潰れる男など、一見羨ましいものもあるが、主人公達にとっては厄介な能力を捨てようと「ばくりや」を訪れるが、意外な能力と交換されることで幸か不幸を手にする。

    笑うせぇーるすまん的作品。


    さよなら、ギューションにはホロッときました。
    作品の構成も緩急がついたもので、グイグイと引きこまれ、最終話も納得の〆。
    安心して読めるエンタメ小説。

  • インパクトのある装丁で、ずっと頭の片隅に残っていた本を図書館で見かけたので借りてきました。

    不思議な洋館の扉には「ばくりや」と書かれた木札がかかっている。
    店のチラシには、『あなたの経験や技能などの「能力」を、あなたにはない誰かの「能力」と交換いたします』とある。
    首をかしげたくなるようなチラシながら、それを手にした主人公たちはみな、各自の能力に悩まされ続けてきて、そのチラシに一縷の希望を見出し「ばくりや」へと足をは運ぶ。

    「女に異常に好かれる」「大食い」「すぐに泣き出してしまう」などなど、その能力はさまざま。
    能力に限らずですが、突出した何かと折り合いをつけるのは結構大変ですよね。
    交換した能力の方がいいものばかり!というわけでは全然ないのに、やっぱり「生まれながら持っていてどうにもならないもの」よりも「自分の意思で交換して手に入れたもの」の方がいいものだ、と思う人間の心理がおもしろいですよね。

    一番好きだったのは、「さよなら、ギュレーション」
    なかなか泣かせてくれます。誰に感情移入しても切ない。
    どの話も基本的に軽めで手軽に読めるのがいいですよね。

    それからオウムの登場には王道感があって、やっぱりここではオウムだよね!とすごくしっくり。
    愛し合う男女が魔法をかけられたか何かで昼と夜にそれぞれ動物になって、同じ時間に人間として会うことが叶わない・・・みたいな物語があったけど、なんだったかな。

    それはともかくとして、楽しく読めた1冊でした。

  • この著者の作品読了2作目。これは…大好きな感じかも!他の作品もぜひ読んでみたい。
    本人がとってもうとましく思える技能というか能力を、他の人の同様の能力と取り替える、という「ばくりや」を訪れた人たちのお話を紡ぐ短編集。短編集にありがちな重複した情景描写がちょっといやんだったけど、最後まで引き込まれて一気読み。ラストストーリーの、星新一ばりのブラックな終わり方も、なにげにわたし好みだった^^;

  • いらない能力を別の能力と引き換えてくれる“ばくりや“。面白かった。乾ルカさん4冊目だけど、どれもこれも面白い。ペンネームが少女漫画家みたいで手に取るのを最初は憚られたけど(笑)最後の話は怖かったなー。ギューションのラストは思わず涙目。自分に何か特殊な能力がなくてよかったと思う。2012/255

  • 不要になった能力や才能を
    他の人のものと交換してくれる「ばくりや」

    異性に好かれる。勤め先がつぶれる。
    超泣き虫  等々、本人たちには重荷な才能を
    誰かの何かの才能と交換!

    どの話もラストにさまざまなエッジが効いてます

  • 今すぐ失くしてしまいたいと忌々しく思っている自分の能力。
    それを誰かの能力と交換してくれるという「ばくりや」。
    ただ、その能力が何かは交換されるまでわからないー

    ブラックなテイストのほうですね。この作者さんの本の中で。
    捨てたい能力だとしても大博打ですよねぇ
    災害級の天災で地元から一歩も出られないとか嫌だなぁ
    ちらちらと明かされていく店の秘密が楽しい

  • 自分のいらない能力を交換してもらえるという「ばくりや」に訪れる人たち7人の話。中には羨ましい能力もあるけど、持ってる本人からしてみればとにかく邪魔でいらないもの。途中までは受け取った能力に満足でハッピーエンドだと思いきや、受け取った能力によって逆に作用してしまうことも。終わり方がブラックでちょっと怖いもの、思わず涙してしまうものなど様々。世の中にほしい能力はたくさんあるけど最後の話を読むと、やっぱり普通が1番なのかも知れないと思える。どんな能力なのか、交換した後の変化も気になりあっという間に読める面白さ。

  • 自分の中でいらなくなった能力を他の誰かのいらなくなった能力と交換してくれるお店。
    交換してやってくる能力はどんなものか分からないけれど・・

    ちょっと不思議でゾクっとする短編集。
    自分の中のいらない能力・・ 自分なら何かなぁって考えてみたけど、何がやってくるか分からないんなら私は交換したくないかも(笑)
    ラストの話はゾクっとする怖さがありました。
    うん、やっぱり交換したくないな。。

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著者プロフィール

乾ルカ

1970年北海道生まれ。2006年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。10年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『わたしの忘れ物』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆した。近著に『明日の僕に風が吹く』『龍神の子どもたち』がある。

「2021年 『おまえなんかに会いたくない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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