私闘なり、敵討ちにあらず 八州廻り桑山十兵衛

  • 文藝春秋 (2011年11月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784163809908

みんなの感想まとめ

時代劇の独特なルールと史実を交えた物語が展開される中、主人公の冷静な応用力が際立っています。八州廻りという短期間でムリのある制度を背景に、淡々とした事件解決が進む様子は、読者に新たな視点を提供します。...

感想・レビュー・書評

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  • 時代は違えど人の喜怒哀楽は変わらない。

  • 淡々と史実と事件を織り交ぜて解決されるんだけど、最後のお話は切ない。

  • 久々の八州廻りのはなしです
    制度として短期間かつムリある制度だった八州廻り
    独特の時代劇ルールが面白い
    主人公は相変わらず応用力あるけどガムシャラではないですね

  • 樋口新三郎,かわいそうすぎる。。。

  • 八州周りシリーズは
    居眠り同心等の時代考証ものと
    股旅ものの
    中間くらいの作品なのだが

    徐々にアウトロー的色合いが
    薄れて来て、より読みやすく、
    面白くなってきた感がある。

    時代考証が得意な作家の割に
    刀の使い方が雑なのが
    このシリーズの難点か。

  • 短編の集まりで,一話ずつで一応話は完結するのだが,全体としてまた一つの話になっている。

    久しぶりに桑山十平衛シリーズを読んだ。いつもながら楽しめた。

    2012/01/22の夕方に図書館から借用;1/31朝の通勤電車から読み始め;2/1夕方の通勤電車で読了

  • 安心して読める作家の1人
    話が繋がらないようでちゃんと繋がっていく。
    只他のシリーズと似てきたのが気がかり。

  • 八州廻り桑山十兵衛シリーズ~蕨にいると見沼通船船頭が殺され差配が強欲な事が知られ暗躍しているエセ学者を懲らしめるが,火盗改め同心の樋口新三郎がウロチョロとしている。上尾で衰弱した旅人を引き取るように栃木の弟に知らせても引き取りたがらない相談に乗り送っていくと,三十年前に八州廻りを定着させるための無理な悪党取り締まりで私な処払いになった男と島流しになった悪党の恩讐があることがわかった。壬生まで足を伸ばしたのは家中の厄介者・清四郎を放逐した知り合い吉村平太左兵衛門に会いに行ったが,一月後に戻ってきた清四郎に平太左兵衛門が討ち果たされたのを知り,鳥居家の政庁は私闘として扱っているのに吉村家の改易を決めており,私闘を装って十兵衛は清四郎を討ち果たす。預かった息子の小太郎は八州廻りになると云っていて,三年間は学問をしながら考えさせることにした。常陸の境河岸で亭主を罵り続けた女房を殺した小揚の元締めは吉宗の下した判例により無罪になると噂されている。道案内の為蔵が追い払った悪党の一人が戻るとも噂されっぴりぴりした空気だ。舞い戻ると噂されている猪兵衛がひょっこり現れて真相を告げていく。木更津に行くと途中で道に迷い辿り着いた冷山村で強欲な寺の住職の横暴を目にし寝取られ亭主の又五郎が木更津の女郎屋の付け馬で向かった先の質屋の押し込みの手引きをしたが実入りが悪く,冷山村の寺を襲おうとして追い詰められる。夷隅側沿いの笹倉村では,下百姓と名主層の争いが起こっており,下百姓から出世した講釈師が故郷に錦を飾った。ここにも樋口新三郎が現れ,5日で江戸を往復すると姿を消したことをヒントに網を張って,西国を荒らし回っている大盗賊を捕らえた。江戸に帰ってくると川越先の岩殿村の芝居舞台を撤去する立会に出掛け,秤改めの横暴を調べている内に,女中頭が新三郎に似ていることに気づき,新三郎が来ていることを聞きつけて見ていると,樋口家の秘密が解明され,生き別れた母と息子と妹の対面に立ち合うことになる~物語全体が落ち着いていて安心して読めるのが良い。勝浦に行ったのに猪兵衛は擦り寄ってこなかったなあ。又五郎と樋口が何を話していたのかは不明なのね

  • 「オール讀物」に連載した8話の単行本化で、シリーズ8冊目。

    作者が得意とする江戸時代の経済活動を背景とする事件も描かれていて興味深い。

    関東の無宿者(やくざ)を捕縛し治安を保つ関東取締出役(通称八州廻り)は、公事方勘定奉行配下に置かれ交代で迴村し、各地の道案内(江戸の岡っ引きのようなもの)を使い、事件が起きれば解決に当たった。
    剣の腕も立つ桑山十兵衛は、勘鋭く事件を嗅ぎつけ、機知に富んだ解決をする。

    武州見沼の用水路と高低差のある芝川を結ぶ閘門式運河をめぐるゴタゴタをなんとかして欲しいと頼まれて、その背後にある利権関係は管轄外なのだが調べて味のある解決を図った。

    壬生3万石鳥居家の家臣吉村兵太左衛門は博打や風紀を取り締まりを命ぜられ、藩主の一門を捕縛したため逆恨みされて命を狙われる。そうとは知らず旧交を温めようと訪ねた直後、果たし合いで兵太左衛門は斬られ、藩は「私闘」で命を落としたとして絶家処分した。十兵衛は義憤を抱えて家老を訪ね、私闘として勝った方を咎めなかったことを確認した上で、藩主の一門の武士に果たし合いを申し込んで斬り、遺言で託された兵太左衛門の遺児を江戸に伴う。(表題作)

    8話の初めから登場し、十兵衛とあちこちで出くわす火付盗賊改の配下樋口新三郎は、幼い頃母が家を出て行ったのち、一緒に遊んでいた妹が行方不明になったことに責任を感じて、父から継いだ役得の多い御賄方から、火盗改に変わってまで26年も妹を探し続けていたが、探索で訪ねた先に母と妹が一緒にいて、父の同意の上で妹を連れて行ったのは母だったと知り、驚愕する。

  • 佐藤雅義の人気連載シリーズの一つで、出るたびに買っているが個人的には佐藤モノの中では余り好きではないもの。

    主人公の八州廻り・桑山十兵衛も少しずつ変わってきたようだ。此れまでは上役に言われてしぶしぶと廻村に出掛けていたのが、今回は蕨の近くにある見沼通船堀の船頭殺しと、それにまつわる事件を自発的に調べを行い、旅に出掛けて行くとはどういった風の吹きまわしであろうか。更には行き倒れを自ら面白がって栃木まで送り届け、事情を聴きだし何とか旨くサヤに収めたりもする。

    桑山の性格が変わった所為とは関係ないのであろうが、八州廻りシリーズも新しい面白さがでてきたような気がするので次作以降もキチンと買おう。

    個人的には今でも嫌々廻村に出掛けて行くしがない八州廻りが好きなんだけど。

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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