花酔ひ

著者 :
  • 文藝春秋
3.02
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本棚登録 : 695
レビュー : 139
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163810706

作品紹介・あらすじ

結城麻子・東京の呉服屋の一人娘「夫婦のつながりは、セックスだけじゃないでしょう?」×桐谷正隆・千桜の夫。婿養子だが野心家「俺は、今すぐにでもあんたを抱きとうてたまらんのや」、桐谷千桜・京都の葬儀社の社長令嬢「もう逃がさへん。あんたはうちの奴隷や」×小野田誠司・麻子の夫。ブライダル会社の営業「お願いだから、もう苛めないでくれ」。共犯関係は緊張を帯び、秘密の濃度は高まり、堕ちていく-身も心も焼き尽くすねじれた快楽の行方。恋ではない、愛ではなおさらないもっと身勝手で、もっと純粋な、何か。夫婦だからこそ言えない秘密がある。『ダブル・ファンタジー』を超える衝撃の官能の世界。

感想・レビュー・書評

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  • ダブル・ファンタジーのような官能系かな、と目星をつけ読んだのだが、想像より遥かに面白くやっぱり村山由佳さんの小説好きだなぁと惚れ惚れ。
    一言で表せばダブル不倫というドロドロの恋愛模様なのだが、それぞれの…麻子を除いた3人の屈折した性、羨望や妬みといった感情の表し方が流石で、(全部ではないにしろ)共感する部分もあって読むのが面白かった。
    カットバック方式で目線が変わるし、時間軸も変わるのでトントン読み進めてしまう。
    前半のアンティーク着物についても、好みなものが出てきた事で楽しく読めた。

  • *浅草の呉服屋の一人娘、結城麻子はアンティーク着物の仕入れで、京都の葬儀社の桐谷正隆と出会う。野心家の正隆がしだいに麻子との距離を縮めていく一方、ほの暗い過去を抱える正隆の妻・千桜は、人生ではじめて見つけた「奴隷」に悦びを見出していく……。かつてなく猥雑で美しい官能世界が交差する傑作長編*

    狂おしいほどの想い。身も心も焼き尽くすねじれた快楽の行方。 堕ちて、堕ちて、どこまでも堕ちていく様が圧倒的で一気読み。どうせなら桐谷と麻子にも、奈落の底まで落ちて欲しかった。

  • あきれはてあなはずかしくあじきなし

    京都の葬儀会社と東京のきもの販売会社の2組の夫婦が巡り合い、ひょんなことからスワッピングするようになるという通俗小説にありがちなよろめきドラマであるが、こういう主題をさかんにとりあげている渡辺淳一と違って、このひとの文章は日本語としてちゃんとしているので、「そういう意味では」安心して読める。

    渡辺淳一といえば最近日経に連載している「私の履歴書」のなかで、自分と出来てしまった看護婦を堕胎させたうえに、その逆恨みを懼れつつ他の女性と厳戒体制の中で結婚したなどと得々と述べているが、そんな破廉恥な行状といい、そんな告白をこのような場所で面白おかしく公開するという非常識さといい、その人間性を疑わずにはいられない。

    さて話が大きく逸れたが、今回著者が殊の外ちからを入れたのはSMの描写である。最近海外でも女性が描くソフトSM小説がはやっているようなので、さっそく売らんかなとばかりに耳学問でとりこんだのであろうが、マゾに目覚めた男がサドに目覚めた女と激しく行為するシーンは、著者の実体験から「湧出」したものではないにしても、なかなか迫力がある。

    それはよいのだが、お互いの浮気によって生じた肉の喜びの落とし所をどこに求めて良いのかに窮した挙句、突如漫画的な事件で無理矢理本編を終わらせたのは問題だ。SMよりも性のむきだしに発情し発条した男女の生の行方は、この小説ではまったくつきつめられてはいないからである。


    あきれはてあなはずかしくあじきなしおんなとおとこのせいのむきだし ちょうじん

  • とてもお天気のいい秋ノ一日ならば、とつぜんこういう本も読んでしまう。

    作者の言いたいことがわからない!などという感想があるが、この作者わ別にに言いたいことなど何もないと思う。

    ただ面白い小説を書いてお金をしこたまもらい、わたしもいことしたい、というそういう欲望が見え見えてる作者だと思うす。

    作家さんにはたいへんにめづらしく、少し美人ダしさ。

    • Pipo@ひねもす縁側さん
      いやはやまったくご慧眼、わたしもそう思うだす。いいとか悪いとかではなくて。
      いやはやまったくご慧眼、わたしもそう思うだす。いいとか悪いとかではなくて。
      2012/10/08
  • 久しぶりのめちゃくちゃまじな恋愛小説。現実にありえないってわかっていても、なぜか心惹かれるのは、登場人物たちが魅力的だから。そして、自分と全然違うから。でも、あちこち共感できるのは、さすが恋愛小説家!

  • 先に言っておきますと、私は映画版「愛の流刑地」を拝見して、その幻想的な世界感に感銘を受けてDVDまで買ってしまった人間です。なので本書は好みです。幻想的な世界観とエロスは紙一重な気がするんです。古事記然り、創世記然り。
    さて、どうでもいい戯言はここまでにして。
    前作のダブルファンタジーの時は「村山由佳はどうしてしまったんだろう?」と、純愛路線から官能路線への突然の方向転換に衝撃を受けました。内容もただただエロくてアクが強い印象。
    対して「花酔ひ」、私は結構好きです。ストーリーはW不倫という見るからにドロドロした内容を連想しましたが、読んでみるとことの外読み易く、サクサク読めちゃいました。こんな不倫なら、ありかも?なんてことも思ってしまいました。主人公の和装の描写だったり、はんなり情緒のある京都弁、京都の街の匂い立つような風情、とても素敵に表現されていて良かったです。そして、主人公の不倫相手の男性がかっこよくて素敵。京都弁も素敵。村山さんの書くチョイワルでワイルドな男性は天下一品ですね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「桐生正隆、超イケメンで」
      この本を読めば、kanakoyoshidaさんが、どんな男性をイケメンだと思うかが判る訳ですね。。。
      「桐生正隆、超イケメンで」
      この本を読めば、kanakoyoshidaさんが、どんな男性をイケメンだと思うかが判る訳ですね。。。
      2012/06/21
    • cecilさん
      >nyancomaruさん
      付き合いたいか、となるとまったく別の話ですがw
      >nyancomaruさん
      付き合いたいか、となるとまったく別の話ですがw
      2012/06/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「となるとまったく別の話ですがw 」
      読んだら感想書きますねぇ~
      「となるとまったく別の話ですがw 」
      読んだら感想書きますねぇ~
      2012/06/21
  • エッチシーン満載で、思わずもじもじしながら読んだ。性癖の合わない二組の夫婦がたまたま双方の相手に惹かれ合うが、たまたま過ぎやしないか。それでもいわゆる好色本より純文学っぽく感じたのは、そうなる環境や周囲の人物が細やかに描かれているからだろう。特におばあちゃんが素敵だった。今までマゾはヒールで踏まれたりムチで叩かれたりのコミカルなイメージしかなかったが、リアルに描写されるとかなりシリアスであった。もう少し明るく終わらせて欲しかったな。

  • 千桜の唐突な豹変ぶりや麻子の鈍感ぶりには
    ?と思ったけど昔の着物の話や葬儀屋の裏話が
    なかなか面白かった。一気に読めた。
    結末が消化不良だが不倫なんてこんなもんだ。

  •  父の突然の病気によりブライダル関連会社を辞めて呉服屋の跡取りになった結城麻子。同僚小野田誠司と結婚するも苗字は変えず。
    呉服屋以外に骨董着物を扱う新店舗を出す。
     一方、京都の葬儀屋の娘千桜と結婚した桐谷正隆から、千桜の伯母の着物の買取依頼があった。京都で知り合ったあと、千桜が
    東京の麻子に会いに来る機会があり、誠司は千桜を知る。
     麻子と正隆、誠司と千桜、二組の情事を中心に物語りは展開。特に内容がある訳でもなかった。

  • 2018/8/19

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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