地層捜査

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 407
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163811505

感想・レビュー・書評

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  • 謎を解き、心が揺らぐ刑事を舞台となった荒木町の喧噪が包む。「多くの下駄の音、草履の音。〜女たちの笑い声。気風(きっぷ)のいい男衆の声。引き戸が開く音、閉じる音。」謹慎処分明けの刑事で突然の異動に不服そうだったが、最後は、この町での出会いが充実感となって前向きな印象を与える。表層の問題から過去の事件を探る「地層捜査」。自分の中で久しぶりにちゃんとした警察小説でした。

  • 15年前の殺人事件を再捜査する水戸部と加納.加納は本事件の捜査本部にいて捜査を担当した刑事OB.新宿・荒木町の昔の面影を年配の人たちから聞く中で、核心に迫る水戸部.ゲイの草野の話に事件解決のヒントが満載だ.

  • 時効制度が撤廃され、迷宮入りとなった事件を捜査する部署が設立された。そこに配属となり、ある1つの捜査を命じられた謹慎明けの水戸部。そして定年退職したが、当時の捜査本部にいた加納が相談役として再捜査にあたる。

    地層捜査、うまく言ったもんだな、と。
    ストーリーはおもしろかった。
    現場周辺の雰囲気も想像できたし。
    でも実際の迷宮入りした事件はこんなに簡単には解決されないだろうな、とは思う。

  • 定年退職した捜査員とお蔵入りの事件の解決を命じられた警察官。
    1995年の事件の掘り起しのため四谷の街を洗いなおしていく中で、様々な過去の人間模様が再構築される。様々な伏線がもう一つの事件のキーにもなり、最後に事件の図柄が浮かび上がってくる仕掛けは、うまい。

  • 捜査の始まりが地元の有力者の私欲によるもので、なんだそりゃと思ったけど、そのあとの展開はおもしろかった(*^▽^*)昔の事件で真相は闇の中と思ってたけど、時間が経って見方が変わってみえてくることもあるんだなあーと(o^^o)

  • 8/26~9/2

  • そこそこまとまってはいる
    が、あまり盛り上がらない・・・
    自分がこの辺りの土地勘がまったくないからなのかもしれない(-。-;

  • 公訴時効の廃止を受け、未解決となっている15年前の老女殺人事件を、謹慎明けの刑事・水戸部と退職刑事の加納がコンビを組んで、再捜査する。

    元花街であった荒木町界隈で起こった殺人事件。地上げトラブル絡みの事件かと思いきや、元芸妓だった被害者の過去に事件の鍵を見出す。タイトルの意味が最初分からなかったけど、最後の加納の言葉を読んで納得。ナルホドねぇ。終始淡々と、地味な展開だった割に、主人公の水戸部が謹慎明けだったり、料理学校通いをしていたり、何かキャラ設定が唐突だなぁと思っていたら、シリーズ化しようということなのか。これも納得。
    それなりに面白かったし、最後まで一気読みだったものの、結末がいまいちな感が。加納の立ち位置が微妙。

  • 10月-7。2.5点。
    15年前の殺人事件を、再捜査。
    荒木町で老女が、刺殺された。花街の事件。
    引退した刑事と、謹慎開けの刑事が、タッグを組んで再捜査。
    ま、読みやすかったが、キャラクタに魅力が感じられず。
    感情移入も出来ず。うーーーん、という感じ。
    帯には「新シリーズ」とあるが、厳しくないか?

  • 久しぶりに小説読んだなぁ。
    他の人のレビューを読むと、あんまり評価が高くないけど、私は好きだな。情景も目に浮かぶし、人となりもよく描写されていて、テレビドラマを見ている感じ。ちょっと話が出来過ぎな所はあるものの、それは小説だしね。楽しめた。

  • 十五年前の老女殺人事件を再捜査する水戸部。退職刑事加納とふたりの特命捜査。元芸者の老女の過去にひとりの芸者の失踪があった
    その芸者に関係していた実業家と板前の男ふたりが同じ病院に入院していた

  • タモリさん曰く(笑)『谷底』の四谷荒木町を舞台に
    過去の事件を掘り起こしていく。
    なるほど『地層捜査』とはよく言ったもんだと思う。
    捜査で組まされる退職刑事が協力者かと思いきや
    ミスリードさせるための刺客だったということは
    途中でなんとなく気づいたんだけど
    そのミスリードに引っかからない水戸部刑事が1枚上手だった。
    そして何故そうなるのかを読ませる力量と
    最終的にすべてが明らかになったときの有無を言わせない説得力は流石。
    水戸部刑事が謹慎させられていた理由など判らない部分も多々あるが
    それはこの先明らかになっていくと思っていていいのだろうか。

  • 未解決事件を捜査する。次作も期待。

  • 昔の出来事の真相を時間が経ったからこそ解き明かすことができるというお話。捜査一課の現職刑事である主人公のシャープさと相談員となった元刑事の渋さ、荒木町の様々な人間模様が重なって、とても面白い。

  • 佐々木譲作品にハズレなし。この説はまた引き継がれたと思う。警官の血シリーズとは違う刑事の物語。これ、続編が絶対出てきそうな気がする。というか出して欲しい!

  • 主人公の水戸部が淡々としているせいか
    物語もとても淡々と進んでいきます。

    地元の有力者の一言で再捜査が決まった
    15年前の未解決事件
    容疑者もいない、グレーゾーンの人もいない
    捜査はもっぱら地元の人達への聞き込みが
    カギとなります、ただそれだけで
    確信へ近づいていく感じに物足りなさも
    感じましたが、
    別の角度から見えてくる景色
    15年という年月が人の埋もれた感情を
    掘り起こしていく過程はおもしろかったです。

  • つまらなくは無いが面白くも無い。いつかどこかで読んだことのあるような既視感。ページを破ったのは誰かは想像がつき、なぜかがまた一つの謎として二人の関係に緊張感をもたらす。しかし主人公の水戸部さんはスーパーマン的な名探偵。今文春で連載しているのも同じシリーズかと今気付く。最近そういう世界を作ってまわしていくスタイルがはやりなのか。

  • 設定は面白そうで期待したんだけど。う~ん。
    なんか事件もいまいち小粒だし、
    最後にどんでん返しがあるわけでもなく。
    これで終わっていいのかな、
    とページをめくりかえしてしまった…。
    佐々木譲の作品にしては評価は今一つ。
    続編があるとしてもう少しキャラがたってくると面白いかも。

  • 殺人時効の撤廃により、未解決事件を再捜査する話。佐々木さんの作品、最近しっくりくるものがなかったけど、コレはおもしろいとおもった。

  • 佐々木さんの本は肩凝り気味に読むモノ!でしたが、今回の主人公は30代前半と若く、違和感を大事にし、じっくり考えて捜査する好青年刑事。
    新シリーズという事ですから、また水戸部刑事を読めるのは嬉しい♪

  • 時効廃止のため時効にならなかった事件を再捜査をする刑事と元刑事の警察小説。

    特命との設定、対照的な主人公キャラ、謎の解明段階、全て文句はないのだが、過去の事件だけに、それを理解して、新たに筋読みするまでが冗長的だったの残念。
    ネタは尽きなさそうですね。

  • この人の警察ものは面白いね。東京の旧い花街を舞台にした話だけど雰囲気がよく描かれてる。主人公の水戸部もいいし加納も味がある。二人とも過去があるみたいだけど、その辺も小説にして欲しいな。本編の後日談もあってもいいけど、それは蛇足かな?

  • とある事情で15年前の殺人事件を捜査する事になった謹慎明けの若手刑事&退職刑事の相談員コンビの捜査物語。捜査の過程自体は非常に面白いのですけど、犯行に至った動機に今ひとつ説得力がないように思います。シロクロはっきりしない結末も不満。

  • 時効廃止により、15年前の未解決殺人事件を再捜査することになる手法も無理やりな感じがするが、実際、力関係で掘り起こされたり、逆にうやむやにされたりしていくのだろうか!?

    現在と花街で賑わっていた時代を層に、新宿区荒木町が描かれているのだが、土地勘が乏しいため、地理的なものを追うのが大変。

  • 最後に来て急展開。身近にいる人との駆け引きはどんなものなんだろう…

  • 佐々木譲の警察シリーズ。
    警視庁モノだが、今度は新しいストーリー。

    凶悪犯罪の時効廃止という時事ネタを題材に、新宿荒木町を舞台にした殺人事件を巡る人々のココロを描いた作品というべきか?

    最初の方がやや冗長。
    最後が少し駆け足。
    そんな感じがしないでもないが、濃霧が一気に開けて行く、そんな感じかも。

    今後、どのようなシリーズの発展がみられるかに期待。

  • 東京、四谷、荒木町。
    時効廃止になって、15年前の未解決殺人事件に再捜査の命が下る。
    「事件は出発点ではない。事件の終局面が殺人だ」
    殺人に至るまでの人間関係を地層を掘り起こすがごとく一枚一枚深いところに探りを入れる捜査はついにもっとも深いところまで行き着く。
    精緻に語られる四谷荒木町の様子はgooglemapのストリートビューで追いかけると三戸部刑事と同じ足取りで現場を体験できる。

  • 水戸部は、15年前の荒木町老女殺人事件を再捜査することになり・・・
    昭和を感じさせる風情に、地道な聞き込みと、安心して読める。
    ただし、怪しいと思った人がホントに怪しかったり、意外性は無い。

  • 伏線回収型ではなくて、裏向きのカードを一枚ずつめくっていく展開。プロセスは二時間サスペンス並みなのだが、質感と重みがまるで違う。地層捜査とはうまく言ったもので、事件の層を掘り起こす地味な捜査なのだが、退屈させない安定感がある。

    地の文は舞台となる町についての描写がほとんどで、事件の手掛かりは関係者や住人たちの会話の中に存在する。この、町と人とのバランスが良く、過去の事件なのに時間差を感じさせない筆運びで、小粒なネタなのにどっしり感がある。

    『新参者』を連想させるが、読了後にその違いを実感する。証人の多さに混乱しようと、途中で真相に気付こうと、ラストの情景で言い含められたような。そこに作者の余裕を感じます。

  • 昭和の薫りを感じる物語。淡々とした流れがいいです。荒木町でお酒を飲んでみたくなりました。

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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