中原を翔る狼 覇王クビライ

  • 文藝春秋 (2012年2月13日発売)
3.33
  • (0)
  • (3)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 27
感想 : 4
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784163812106

みんなの感想まとめ

歴史の深みとキャラクターの魅力が交錯する物語が展開され、主人公は慎重に計画を練り、目標に向かって着実に歩みを進めます。彼の内面には人間の情が欠けているものの、その冷静さが周囲を引き寄せ、信頼を得る要因...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みました、中国人として、感動しました

  • なかなかに最新の研究成果を読み込みつつ書かれたのではないかと推測される。スタートは、皇帝モンケに命じられて、南宋征服に備えた雲南遠征を実施している所から。時に陰険と称されながらも、慎重に、深く思慮し、先の先まで見つめつつ、一歩一歩地歩を固め、目標に進んでいき、頂点に立ったあとは、人の心はままならぬ、と思いながらも広大な世界を豊かに治めるために心をくだく。狂言回しはヤズディー。人としての情は欠落しているが、それゆえに直言でき、欲はすばらしい品物を鑑定したいというそれのみに尽きる、と。だからこそ生き残り、だからこそ問いかけてみたくなる、と。/「次の出発はこの冬かな」モンケに通じたと考えたのは、甘えだったのだ。p.49/チャブイはクビライを信じていた。あれほど遠くのものを見て、先のことを考えている男はほかにいない。日頃は地味なほうだが、それは爪を隠しているからだ。能力にふさわしい地位を得れば、どこまで羽ばたいていけるのか、楽しみであった。p.114/「叛逆者となっても、私についてくるか」p.140/「同族を簡単に殺す男に、大カアンたる資格はない」p.193/クビライは鷹揚にうなずいた。バヤンはもう、フレグ・ウルスに戻ることはない。本人もその覚悟をかためたようだ。p.219/「民でも土地でも皇帝でもない。そなたの言う朝とは何なのだ」「世の理、とでも言おうか。宋の朝も天地を律する正気の、ひとつの表れにすぎない」「かたち無きものに、忠誠を捧げるというのか」「忠誠とて、かたち無きものだ。されば、不思議はあるまい」pp.320-1/「ままならぬものだな。世のすべてを支配するのは無理か」(ナヤンの反乱をおさめつつあるときに)p.366/「だが、ふいに思ったのだ。私がいなくなってはじめて、私がめざした体制は完成するのではないか、と」p.372/対する、カイドゥの造形も魅力的。ただの強い自慢の猪武者ではなく、策謀をめぐらせ、背後であやつり、反乱を起こさせ、力を削ごうとし、必ずしも果たせず、しかし決して諦めず、引く所は引き、クビライの死でようやく機が熟したと思いきや、周囲の有力者が親カイドゥではなく、反クビライだっただけで、続々離れていき、あらためての敗北感を抱きしめてほろびていき、かえってクビライをきわだたせるかたちに。

  • ほほう。
    今度はそこかーーーーー。
    文章や物語の書き方はさらっとしてるのに、歴史の内容は濃い(笑)
    もっともっとマニアックに突っ走っていただきたい。

  • やっぱり一代記物は歴史を知るにはいいけど、小説としての面白さは落ちるなあ。。珍しく最後が気に入ったので星ひとつプラス。カイドゥのところを膨らませると面白い話になりそうだった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

小前亮/1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に歴史小説『李世民』(講談社)でデビュー。著作に『賢帝と逆臣と 小説・三藩の乱』『劉裕 豪剣の皇帝』(講談社)、『蒼き狼の血脈』(文藝春秋)、『平家物語』『西郷隆盛』『星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚』『渋沢栄一伝 日本の未来を変えた男』「真田十勇士」シリーズ(小峰書店)、「三国志」シリーズ(理論社 / 静山社ペガサス文庫)などがある。

「2023年 『三国志 5 赤壁の戦い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小前亮の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×