三匹のおっさん ふたたび

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163812601

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・第一話
    ・第二話
    ・第三話
    ・第四話
    ・第五話
    ・第六話
    ・好きだよと言えずに初恋は、

    有川浩は優しい。
    前作でいいところなしだった清田清一の息子夫婦に、ちゃんと挽回のチャンスを与える。
    嫁の貴子には、お金を稼ぐことの苦労を、息子の健児には社会人として地域に貢献する姿を。

    そして、奇しくもこの作品でも本屋における万引き被害をテーマに書かれたエピソードがあった。
    ただし、こちらははっきりと数字を使って万引き犯に語りかける。
    月の売上800万の町の本屋で、純粋な利益は19万円にしかならないこと。
    一冊万引きされたら、それを挽回するためには5冊売らないと足りないこと。
    一万円を稼ぐためにはどのくらい売上げねばならないのかを。

    町の本屋さんは、夢や希望で食べていっているわけではない。
    こういう地に足の着いた話の方が私の好みである、ということです。

    その他にも、出来過ぎた父を持つ息子の話とか、頭ではわかっているけど父の再婚に賛成しきれない娘の話とか、全然身近じゃないけど、分かるんだなあ。
    想像できて、心を寄せることができる。

    反対に、いいことばかりではなかった人生の後半で、いい人に巡り会えたかもしれないと浮かれる見合い相手の気分もわかる。
    縁とタイミングだよね。

    人目もかまわず怒鳴り散らす高齢の男性も、人目も気にしないで勝手なふるまいをする若者も、傍若無人なおばさんたちも、よく見かける。
    自分は他人からどう見られているのか、想像しようともしない人たち。
    そういう人たちに鉄槌をくらさせるのは、現実的には無理だと思うけれど、そういう人にならないように自分を今一度振り返ることはできる。
    損得で言うと損なのかもしれないけれど、自分が恥ずかしいと思わずにすめば、安いものだと思うし。

  • 潤ちゃんの子供時代と植物図鑑がつながってるなんて!油断してビックリ∑(゚Д゚)そして、あとがきの『未来の本への投資』と2話は読書を愛する身として心にとめておかなくてはならない話だと思う。っと、ここまでは本編より心にささる衝撃が強くて書きました。本編は相変わらず3匹が痛快。貴子さんの成長や、2人の大学合格、万引き少年の改心、康生の祭復活努力など成長がテーマかと。前作よりノリさんの危なさが控えめだったのは個人的に残念(笑)でも『ふたたび』も面白かった♪

  • 前作の方が好きかな
    ただ貴子さんのところが
    ちょっと意外でした

  • ご近所限定正義の味方、見参!
    武闘派二匹&頭脳派一匹が町のトラブルに立ち向かう還歴ヒーロー活劇シリーズ最新刊。
    (アマゾンより引用)

    やっぱ孫が好きやなー

  • 還暦を迎えた三匹のおっさん、家族からご近所さんまで。数多くの登場人物が、みな生き生きと動き出す。
    文句なく爽快で、楽しい。

  • じわじわ泣ける

  • 比べてしまうと前作の方が痛快で爽快だと感じますが、もちろんこちらが劣るということではありません。ただ、今回は、第一話の貴子の同僚、第二話の万引き少女の母親、そして「最近の年寄りは」と言われる人たち等、物語の中だけではなく現実に少なからずいることが想像できて痛々しくて読んでいて哀しくなってしまいました。でも今回は貴子さんの成長が嬉しく、康生さんたちの子供のころの話も興味深く読みました。またノリさんのこの先も気になります。もちろんますますいい男になっている祐希のこの先も。是非続きをお願いします。

  • 「叱る」「怒る」の違いがあいまいになってきた昨今、昔はよく近所の人に叱られていたなぁと懐かしく思いました。世の流れもあるだろうが、すべてのおせっかいが有難迷惑、苦情とならない事を切に願う。
    日本が世界に誇れる点は、皆が少しだけ自分の欲や主張を遠慮して、その余った分を相手の為にプレゼントできる気持ちを持っている事ではないだろうか。
    本書に深く共感できる読者が一人でも多いことを切に願います。

  • 2017(H29)10.21読了

    『三匹のおっさん』を読み終えて、すぐに飛びつく。
    清一の嫁の話から始まる、痛快な勧善懲悪物語だが、有川作品の好きなところは、根っからの悪人が出でこないところ。理想主義的ではあるが、読者としては、どこかでほっとできる。
    その意味で、湊かなえとはベクトルの違う面白さを紡げる人だな、有川浩は。

    この作品は、おっさんたちの活躍を描きつつ、彼らを取り巻く人々の成長物語でもあるのだが、最後の最後で、「思わぬ人」の成長に触れ、ニヤッとし、なんか元気になって読み終えることができた。

  • 痛快だった前作と比べ、続編は描ききれていなかった周辺の群像をくっきりはっきりさせる穴埋めのような仕事。
    期待とは違っていたが、よく出来ている。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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