鍵のない夢を見る

著者 :
  • 文藝春秋
3.23
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本棚登録 : 5094
レビュー : 908
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163813509

感想・レビュー・書評

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  • 色々な女性の心の移ろいや感情。それぞれが体験してきた人生や、今の思いなど女性の気持ちの動きを細かく表現されている。
    ただ、読んでいて明るい気持ちになれない重たい空気が常にこの本の物語の中にあり、読み終わってもスッキリ出来なかった。

  • 大好きな辻村作品、そして直木賞受賞作品ということで楽しみに読みましたがちょっと「あれっ」って感じでした。辻村作品には珍しく短編のストーリーが完全独立していてどこも話がつながらない。全体的に暗い感じですが、心理描写に関しては相変わらずずば抜けているので短編でここまで引きこませられるのはさすがです。

  • 辻村さんは女性特有の嫌な感情を書くのがうまい。そんな女性たちにそれぞれ共感してしまうのは、自分にもそんな嫌なところがあるからなのだろう。その女性のそばをあるく罪たち。こんなにも罪と隣り合わせなのに、どこかリアルで生々しくて、もしかしたら現実のことなのかもしれないと、読み終わったとき呆っとしてしまった。

  • 「凍りのくじら」以来の辻村san。フワッとした青春な作家sanというイメージがあったので、本作で犯罪や人間の深意が描かれていて驚きました。ザラッとした読後感。嫌いじゃないです!「芹葉大学の夢と殺人」のラストシーンが印象的でした。【第147回直木賞】

  • 盗み癖が治らない母親を持つ同級生との友達付き合いや、恐ろしい結果を招くどうしようもない男との付き合いなどが巧みに描かれている。一気読みしちゃう本。

  • 白河三兎さんの本のレビューによく辻村さんのお名前が挙がっており、テイストが似ているのかなと思って初めて読んでみました。
    まずは直木賞を取ったこの短編集から。

    どれも後味の良くない話ばかりだったんですが、こういう後味悪い系の話の中で私が一番「嫌だなぁ」と思うのは、「人の心は結局醜い」ということが、真綿で首を絞めるようにジンワリわかってくるというパターンです。
    2番目に入ってた「石蕗南地区の放火」は、そんな話だったと思います。
    主人公は行き遅れ感が漂っていて、ちょっと手放しで賛同できない鬱屈さがあるんですが、いろんなことを真面目に考えてしまう分空回りするんだろうなーとちょっと同情しかけたところで、最後の放火事件。
    放火されても被害のことなどではなく、結局自分がええかっこしたいことしか考えてないのが解ってジンワリ嫌な気分になりました。
    この話、登場人物全員が自分本位で本当に嫌な感じ。
    しかしまあ、私もかなり自分本位なので、嫌なとこ突っつかれた気がするから嫌に思うんだろうな(笑)。

    3番目に収録された「芹葉大学の夢と殺人」。
    これは本当、雄大というキャラクターの痛々しさがすべて。
    このあと「凍りのくじら」を読んだのですが、そこにもこういう、器がちっちゃいくせに自分がなんでもできると思ってる痛々しいキャラが出てきました(この話では医者になると吹いていますが、凍りのくじらでは弁護士になると言ってるあたりも本当にバカw)。
    このキャラ、読み進めるごとに畳み掛けるように痛々しさが垣間見えて本当にウンザリ。
    最後に飛び降りて見せることで、主人公はこの尊大な馬鹿が生きる場所がないことを提示したかったようですが、無理だろうなという気がします。

  • 辻村さんの短編集

    賢い子供を書かせたらピカイチだと思ってるけど、残念男を書かせてもピカイチだなと思う。
    凍りのくじらの時に、なんでこんな奴と〜と悶々した気持ちを思い出しました。
    うーん、スカッとする話ではないけど、女としてあー…と唸らされる話ではあったな。

  • 5つの物語に、それぞれ1人ずつ主人公が登場する短編集。主人公たちは皆、弱さ、あるいは劣等感を持っていて、それらに由来する悪意(のようなもの)が、読んでいるうちに行間から滲み出てくるように感じた(もっとも、このような弱さや劣等感は、誰しもが持っているものなのかも知れないけど)。

    物語の展開はどれも面白かった。特に、第2章の最後に、主人公が放火犯の新聞記事を読む前と後の、心の動きの描き方が上手いなあと思った(さすが辻村深月)。

    第1章から第4章までの主人公には、なぜか感情移入できなかったが、第5章の主人公には好感が持てた。特に、物語のラストで、彼女が娘に『あなたのためならなんでもする』と誓うところに、この短編集で唯一の救いと、彼女の人間としての強さを感じた。

  • やっと読めた。
    でてくる人たちが現実にいそうでいない感じがして、少し怖くて、でも気になってページをめくっていった。
    「芹葉大学の夢と殺人」の雄大は少し「凍りのくじら」の若尾に似てる気がした。
    あと、個人的に一番怖かったのは「君本家の誘拐」。育児ノイローゼはきっと親の誰もがなる可能性がある。自分がこんな風になるのではないかと考えたら鳥肌がたった。

  • 辻村深月さんが直木賞をとった作品、短編集

    0807が素晴らしかっただけに本作はやや物足りない
    短編集のせいかもしれない、当然長編のテーマになるようなことは書けないだろうけど、短編には短編の世界がある、その中でどう書くか

    斬新さ、切れのよさ、後味感
    どれもいまひとつ
    リアルさが際立ってると思うけど、この程度のものは他の作者でも読める

    なぜ直木賞なんだろ??

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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