鍵のない夢を見る

著者 :
  • 文藝春秋
3.24
  • (166)
  • (647)
  • (1118)
  • (320)
  • (58)
本棚登録 : 6257
感想 : 997
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163813509

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ■解説
    第147回直木賞受賞。
    普通の町に生きる、ありふれた人々がふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集。
    ■感想
    嫌な小説だった。つまり素晴らしい描写力ゆえに、登場人物の感情や転がり具合がやけにリアルに感じ、嫌なんだと思う。最終話は特に。

  • 直木賞ということで読む前にハードルが上がってしまうというのが、この本にとっての不幸ではないだろうか。
    正直、なんの面白味もない。直木賞ってこんなんだったか?というような内容だ。
    なんの深みもない登場人物。何の深みもない精神世界。どこかで見たような…という既視感しか持たれないストーリー。展開もモタモタしていて、テンポの悪いことといったらない。主語がなく、誰がやったのか不明な文章(わざと?何のために?)。
    こんなのが直木賞?もっといい本は山ほどある。
    この本が悪いんじゃない。直木賞の審査員がボンクラだということだ。

  • どうしてしまったのだろう、辻村さんは。
    そう思わずにいられない。

    彼女が書いてきた夢や希望、夏の日の汗から思い出す過去の日々や寒い冬の日の大事な人の温もり…
    そういったものが近年著作から感じられなくなってきている。

    私はその原因のひとつとして、出版社、文藝春秋が挙げられると考えている。
    そこから出した三冊とも、私が考える辻村さんの持つ生来の魅力を引き出すことが出来ていない。

    真っ暗闇の中にある何か、例えば微かにある光であったり本当の絶望であったり、そういったものを書ききれる度量はまだ彼女にはない。

    中途半端なものは生ぬるく不快になるだけだ。

    自分の書きたいもの、自分の書けるものをきちんと見つめ直して欲しい。

    • koshoujiさん
      初めまして。
      あなたのレビューに激しく同意です。
      このまま、この路線に行ってしまっては、何とも哀しい。
      どんな絶望の淵にあっても必ずや...
      初めまして。
      あなたのレビューに激しく同意です。
      このまま、この路線に行ってしまっては、何とも哀しい。
      どんな絶望の淵にあっても必ずや光は射してくる物語を読みたいものです。
      2012/07/02
    • koshoujiさん
      「鍵のない夢を見る」が直木賞候補に挙がってしまいましたね。
      そんなわけで、もう一度読み返したが、やはりあまり感心しません。
      主催である文...
      「鍵のない夢を見る」が直木賞候補に挙がってしまいましたね。
      そんなわけで、もう一度読み返したが、やはりあまり感心しません。
      主催である文藝春秋社の思惑ではないかと思う次第です。
      うちの作品で直木賞をと……。
      まあ、心情とか葛藤とかは鋭く斬りこまれているとは思いますが、何せ読後感が良くない。
      変な話ですが、できれば受賞して欲しくないなあ、というのが本音です。
      「スロウハイツ」や「名前探し」と違い、暗い作品なので、初めて読んだ人が、「辻村深月って、こういうのを書くのか」と感じてあまりファンにならないような気がするのです。
      そこを心配しているわけでして。まあ、勝手な一読者の思い込みですが(笑)
      2012/07/07
  • うーん、嫌いな作家さんではない、
    というか積極的に好きな作家さんなんだけど、
    この作品は私には合わなかった感じ。
    読後感のいい作品が好きです。

  • 普通の人が事件や事故に巻き込まれる心理ってこんなかなぁ?

  • 辻村さん二冊目。前回読んだものが思春期のお話だったので今回は大人な物語ばかりの短編集で意外でした。特別惹かれる物語があったわけではないけど読みやすいし描き方にセンスがあって、安心して読める感じが好きです。お話と特に関係ないですが、個人的には「君本家の誘拐」は大事にされて育つとこういう感じなのかというのを見せつけられてる気がして気持ちがざわざわしてしんどかったです。

  • いつもいつも同じような感想な気がするのですが、辻村先生の物語は人間の気持ちが生々しくてすごく刺さる
    特に3つ目の話が好き、見てもらいたい、目に映りたいって繊細な女性な気持ちのゆらぎがすごくわかりみが深くてびっくりしたの
    他の作品よりちょっとだけ官能的な描写が多いのも生々しくてすごくよかった

  • どれもなんとなくホラーで気持ちが暗くなる短編集。

  • 全5話のオムニバス。それぞれ若い女性の目線でストーリーが語られる。1つ1つを読み終えるたびにため息が漏れてしまった。最後の「君本家の誘拐」は結婚、妊娠、出産、育児を実際に経験している著者だからこそ、その心情を事細かにうまく表現していると感じた。

  • 何かしらの犯罪に巻き込まれた女達の話、5つの短編集。

    全てのオチが後味悪い、胸糞悪いです。
    話は面白かった。

    特に「石蕗南地区の放火」と「君本家の誘拐」は女性特有の悩み・焦燥を感じられて、面白かった。

全997件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×