球界消滅

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163815602

作品紹介・あらすじ

もし、日本球界に球界再編と、メジャーへの編入が同時に起きたら……。すべての日本プロ野球ファンに捧げる戦慄のシミュレーション小説

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わるまで2週間かかりました。
    それが率直な感想。
    500ページあったからなのと、プレイヤー目線じゃなく、経営者の話なので、経営自体はそこまで自分に興味がなかったんだと思います。
    球団経営に興味がある人は一度読んでみたらおもしろいかと。
    ただ、私が興味を持ったのは「経営にデータと数式」の関係があることでした。

  • MLB・日本プロ野球問わず、野球を愛する人におすすめの一冊。“さもありなん”の手に汗握る展開。「野球」に携わるあらゆる立場の視点から語られるのも興味深い。MLBのビジネス哲学や世界戦略も、よくわかる。面白いが、読後に様々考えさせられる。日本のプロ野球はこのままでいいのか……?

  • 日本プロ野球を再編し大リーグに参入させるという野望を、緻密な戦略と相手の弱点を突く抜群の交渉術で推し進める牛島と、MLBとの合併に反対し、牛島達の野望の裏に迫り、最後まで戦った若き副GM大野を中心とした物語。終盤、黒幕としてまさかの人物の正体が暴かれた時には爽快な結末を予想したが、見事に裏切られてしまった。個人的には牛島の挫折や別の形で大野が羽ばたく姿が見たかった。でも最後の磯貝の描写を読むと、この結末でも良かったのかも。ここまで大胆にはいかないが、ビジネスとして日本球界の再編は必要なのだろう。

  • プロ野球をメジャーリーグの一地区とするべく動く牛島とそれに対抗する大野という若きGMを中心とした物語。

    牛島という巨悪に大野という正義がぶつかっていくといった趣であるが大野の論理は弱く、牛島に反対する意義があまり見いだせない。
    牛島の思惑通りプロ野球がメジャーリーグの一地区となれば球団の収益も上がりファンも日本の選手がどこまでやれるのか、日本のチームがワールドシリーズを制覇するのはいつになるのかと期待をふくらませる。選手も今まで叶わなかった憧れのメジャーリーガーとなれる。
    ステークホルダーには大きなメリットがある。

    一方の大野はフアンの前で「球団を無くさない」といった手前引込みがつかなくなっただけのように感じられる。
    メジャーリーグに参入することによって一部の選手や球団の裏方はクビになるかもしれないと言うがそもそもプロスポーツの世界とはそういうものではないだろうか。高校、大学、社会人からプロを目指していても実力その他が伴わなければ入れる世界ではない。そのハードルが1段あがっただけの話であり牛島に反対する材料としては弱すぎる。

    こうした点からあまり大野が牛島に対してどのように立ち向かっていくかというメインの部分には引き込まれなかった。作者だからこそ見出だせた参入阻止への大きな材料があればもっと盛り上がったのではないかと思わざるをえない。

    しかしそれでもこうしたifの世界は夢があり様々な事を考えさせら、有意義であった。

  • あり得ないストーリーではないですが、現実感は薄いかなぁ。

  • 非常によく作られている作品だが、説明部分が冗長に感じられてしまう。

  • 久しく人気低下が続き、地盤沈下のおさまらない野球界。
    確かに、これが実現し、メジャーリーグのチームが続々と来日し、もしくは日本チームが遠征して、メジャーと戦うとなれば、野球は大幅に人気を盛り返すだろう。
    それに、メジャーの一員となれば、人気選手の大リーグ進出の問題も解消する。
    非常に、夢のある話ですよね。

    ただ、その一方で、メジャーで本当に通用する選手は、限られてくる。
    日本人選手が通用せず、外国人枠が撤廃されれば、日本のチームでありながら、半分以上は所属選手は外国人ということにもなるかもしれない。
    そうなると、日本人でプロ野球選手になれるのは、ほんのひと握りとなる可能性もあるわけです。
    短期的に見れば、確かに夢のある話ですが、長期的に見た場合にこれが良いことなのかどうか、TPPのように賛否がわかれる問題かもしれませんね。

    でも、今の野球って、これぐらいの思い切った改革が必要なのかも。
    自分も、昔は大のタイガースファンで見ていたけど、今は結果ぐらいしか見ない。
    でも、たまに大リーグなんか見ると、やっぱり日本選手がでていれば、日本人として純粋に応援してますしね。
    そういう刺激って、やっぱり必要かな。

    この話は、読む前にはあまり期待していなかったが、読んでみて、その発想とリアリティーにちょっと感動しました。
    まあ、ちょっと数字の部分とか細かすぎるなという部分もあったが、作者の取材力やこだわりはよく伝わってきた。

    野球好きなら、一読の価値アリ。

  • 日本のプロ野球が4球団に統合され、メジャーリーグに組み込まれる…というシュミレーション小説。
    球界を揺るがす大きな波に巻き込まれた横浜ベイズの若き副GMの大野俊太郎を中心に物語が進んでいきます。
    最後まで日本の球界や選手たちのことを考え行動する俊太郎の姿がよかった。
    実際に起こり得る可能性が否定できない話なのでリアリティを感じながら読み進められました。

  • 今まで読んだことのないタイプの小説でした。ただ冒頭の期待感と終盤はかなり違ったかな。

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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