アルカトラズ幻想

  • 文藝春秋 (2012年9月25日発売)
3.33
  • (20)
  • (51)
  • (73)
  • (27)
  • (3)
本棚登録 : 453
感想 : 89
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784163816609

作品紹介・あらすじ

一九三九年十一月二日、ワシントンDCのジョージタウン大学脇にあるグローバーアーチボルド・パークの森の中で、娼婦の死体が発見された。被害者は両手をブナの木の枝から吊るされ、性器の周辺がえぐられたため股間から膣と子宮が垂れ下がっていた。時をおかず第二の殺人事件も発生し、被害者には最初の殺人と同様の暴虐が加えられていた。凄惨な猟奇殺人に世間も騒然とする中、恐竜の謎について独自の理論を展開される「重力論文」を執筆したジョージタウン大学の大学院生が逮捕され、あのアル・カポネも送られたサンフランシスコ沖に浮かぶ孤島の刑務所、アルカトラズに収監される。やがて、ある事件をきっかけに犯人は刑務所を脱獄し、島の地下にある奇妙な場所で暮らし始めるが……。先端科学の知見と作家の奔放な想像力で、現代ミステリーの最前線を走る著者の渾身の一作がついにベールを脱ぐ!

みんなの感想まとめ

物語は、猟奇的な殺人事件から始まり、主人公と共に犯人を追うミステリー要素が強い一方で、途中から恐竜や宇宙に関する独自の理論が展開され、読者を驚かせます。アルカトラズの刑務所での展開や、地底人の話など、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これはいったい何の物語なのでしょうか?!

    ミステリー?!SF?!それともファンタジー!?!
    途中大丈夫かなと読むのをためらいますが、エピローグまで読んだとき、あなたはきっと最後まで読んでよかったと思うことでしょう。

    以下ネタばれ?!アリマス






    最初は猟奇事件の話から始まり、主人公?の刑事に感情移入し犯人を探します。

    しかし、途中恐竜の論文になり、宇宙の話になるとむむ?となります。

    さらに、アルカトラズの刑務所では地底人の話が出てきたり、ガリレオやオイラーの名前まで出てきて、これはいったいどうなるのかと…。
    好き嫌いが分かれる本かもしれません。

    しかし、エピローグを読むと雲が晴れるようにすっきりと全てがつながります。
    ヒントは日本。
    読んでよかったです。ありがとうございました。

  • ん?え?って展開も、島田作品だと、そこ読むだけでもボリュウムあっておもしろいってわかっているから、はじめは我慢して読む。するとほんとにいつのまにか読まされていて、章が終わる頃にはこの話をもっと読んでいたいとなっている。

    独立しているかに思われる全く空気の違う4章。
    この本はちょっと強引だったけどそれぞれの話がおもしろくてやっぱり島田先生好きだなと思いました。
    読後に、えーーっと最初なんだったっけ、というくらい最初とは違う場所に飛ばされて楽しかった!
    島田作品の中で1番とはとても思わないから星4だがこれもよい読書体験だった。

    蛇足のボリュウムが多くてぶあついのが、それが私は島田作品の魅力と思う。

  • 私にとって初めての島田荘司がこの本だった。
    1,2章まででまず完成度がすごい。作中作が出てくるものって元々割とすきなのだけれど、登場人物の論文を丸々読まされるのは斬新だった。しかもそれがまた非常に面白い。頭が良い人の文章を読むのは本当に脳汁が出る感覚で気持ちがいい。

  • 1939年11月のワシントンDC。公園内の森の連続猟奇事件で幕を開ける本格ミステリ-と思いきや、早々と犯人逮捕、終身刑宣告、アルカトラズ島への護送、牢獄からの脱走が展開するサスペンス・スリラ-小説に変貌したか思っていると、地底世界の「パンプキン王国(本のカバ-イラスト参照)」が登場し唖然!となり、この物語の着地点に不安を煽られました。が、しかし、ご安心あれ! さすがミステリ-の大御所・島田荘司氏のこと、絶対予測不能な歴史的事実と融合させた、度肝をぬく驚愕の結末が待っています。 どうぞ最後までご賞味あれ!

  • 1章・2章はぐいぐいと読めた。
    特に「重力論文」の内容の面白さには、猟奇事件とは関係なくまた違った意味で惹きつけられた。

    アルカトラズ刑務所にはなぜ?
    ってところから、パンプキン王国にいたってはその、民族的な表現から、
    そして、特殊爆弾の存在から、やっぱりな~という展開で。

    割りと想像できる結末。

    島田節まだまだ!と思うにつけ、
    もっともっと、と思ってしまうのは我がままだったでしょうか。

  • ねじ式ザゼツキーを読了していたので、パンプキン王国のくだりもなんとなく予想つけながら読めました。
    振り返ると第1章の猟奇殺人そこまで必要だったんでしょうか。

  • 図書館。初島田荘司がこの本でよかったのか誰かに聞いてみたい。章から章への飛躍がすご過ぎて、何とかくらいついていったものの、パンプキン王国のラスト近くでもうだめかと力尽きそうなところへ、エピローグで一気にひっくり返されてやられてしまった。各章の作り込み方は面白く、独立した作品になりそうなのを、1作に詰め込んでつなげてしまう力技はお見事。重力論文は特に面白く読めたが、これで猟奇の犯人に辿り着くなんてオイオイってカンジ。だけど、じっくり考えるとじわじわと納得して、これもありだな、と好意的に受け止めてしまった。

  • 第1章はアルカトラズ刑務所に収監される原因作りでしかなく、約半分の頁を割いてまで引っ張る必要はないと思いました。
    第2章の論文は興味深いものでしたが、直接謎解きの核心に関わるものではなく、単なる蛇足でした。
    3、4章は満足出来る内容でした。刑務所に収監されてから次第に幻想的になる展開は惹きつけられました。オチは前例が沢山あるので読めてしまいましたが、細かい伏線を沢山見せておきながらミスリードさせる技術は流石だなと思いました。

  • 前半と後半の差が大きい
    長く読ませる割には

  • 島田先生どうしちゃったの?小説として成り立っているの?そう思うのは私だけ?

  • 前情報を一切入れずに読んだせいもあって
    半分くらい読んでもこの本は一体なんの話なのか
    最終的にどう着地するのかよくわからない
    ふわふわとした状態のまま読み進めていく状態でした。

    猟奇殺人犯の話なのか、恐竜の話なのか、重力と引力の話なのか
    はたまた脱獄の話なのか、地底世界の話なのか。。

    ここまで展開が読めない本は久々でした。

    最後まで読んでまず思ったのは、
    『眩暈』、『ネジ式ザセツギー』との相似ですが
    特に「パンプキン王国」の章を読んでいるときは
    『ネジ式ザセツギー』にすごく雰囲気が似ているように思いました。

    『ネジ式ザセツギー』はThe Beatlesの
    「Lucy In The Sky With Diamonds」の影響を強く受けていますが、
    この『アルカトラズ幻想』の「パンプキン王国」の章は
    同じThe Beatlesの「Revolution 9」に
    強く影響を受けているのではと個人的に思っています。

    「Revolution 9」の中で連呼される
    「Number 9」という言葉の繰り返しが、
    「パンプキン王国」の章のいたるところで出てくる
    「V605 PUMPKIN」という言葉と同じように感じられ
    文中の次々と場面が変わる混沌さが
    「Revolution 9」の中の猥雑な街の騒音とカオスさに、
    すごく近しいように思えてなりません。

    全体として、まとまりのなさというか
    腕を引っ張られながらあちこち連れ回される感はありますが
    こんなに振り回されてなお
    振り回され感が楽しめる作家・作品というのは
    島田氏くらいなものだなとつくづく感じます。

    なお、ニコニコ動画の文藝春秋ちゃんねるで
    島田氏の「アルカトラズ幻想」インタビューがUpされています。
    全部で1時間半近くありますが、恐竜の話なんかを
    嬉しそうに滔々と語る御大の姿は必見です(笑)

  • 島田荘司最新作。オリジナル長編です。
    いろいろ言いたいことはありますが・・・なんというか・・・さんざん言われてることですが、前半と後半のギャップがすごい。殺人事件とはなんだったのか?そして論文。そのくだりは必要だったのだろうか?
    ただ個人的にはむしろその部分が一番楽しめました。特に論文。たしかにいきなり固い文章が飛び込んできて面喰いましたが、読んでみると非常に興味深い内容で。その手の知識に疎い自分からすると十分すぎる説得力があるように感じましたし。

    ラストはなんとなく予想の範囲内だったので、読み終わってみると一番印象に残ったのは論文だったかなあ。

  • なんというトンデモ結末。
    前半は猟奇殺人ミステリー?推理物?と思わせて…
    うーん 笑

  • ☆は1.5個
    感想。一言「強引!」
    最初からそういう意図で物語を書き始めたとは思えない。
    (どういう意図かは読まなきゃわかんねぇけど・・・どっちかというと読まん方が良いと思うス)

    でもこれだけいくつかの物語を書き散らかしといてから後付けでその内容を結びつけるのはおおよそ不可能だろうから、やはり最初から強引な全体の構成を考えていたのだろう。

    それにしてもその内容は「こりゃ面白い!」というような代物ではない。
    考えてみりゃ、島田荘司のトンデモ作品には、もう何回も痛い目にあっているのだけれど、今回はいつもにも増して「おいおい、そう来るかい荘司さん」だという結末になってしまった。

    いやはや、まいったね。

    いつものように「すまんこってす。すごすご」などという気もおきない。

  • 島田荘司のミステリはあくまでミステリであってSFとかファンタジーではなく最終的には現実界に帰結する、と分かっていてもエピローグまで何のことだかさっぱり分からなかった。読み終わっても何ちゅう話や!と呆然としました。いい意味で。分厚い本ですが頑張って読みましょう。

  • 章だけでも独立して面白いのに、それが繋がって、大きな史実あるいは伝承が解き明かされるのは作者ならでは趣向。とはいえ今回は結末に向かって尻すぼみの感じがしなくもありません。大いなる「幻想」と言ったところか。帯に煽られ地下帝国に多大な期待をしてしまったのが敗因かも。

  • ────────────────────
    https://note.com/halfyoungman/n/n620ca7c48e1f

    アルカトラズ幻想』(島田荘司)めちゃくちゃよかったな。『進撃の巨人』×『ボーはおそれている』みたいな感じ


    ────────────────────

  • 壮大なスケールのミステリ、読者に社会問題を問いかける、島田荘司らしい作品。読み応えがあった。始まりからは想像もつかない知念に降り立つ。
    島田荘司は「人間の脳が自身に仕掛けるトリック」をとても上手く書くと思う。

    先日読んだ「屋上の道化たち」は何だったんだよ…。あちらはあまりにも駄作で、出版しないほうがよかったのではと思います。

  • 最初は猟奇殺人のミステリーかと思ったら、古生物学や天文学、からの刑務所での脱獄、からの異世界…。章ごとにテイストが違いすぎて、最後までどう終結するのかわからない。故に先が気になって読み進めてしまう…。他に類を見ない一冊であった。

  • さすが島田荘司。海外が舞台だと、文体まで翻訳されたようなものになっていて、だけど情景や心理描写も全く抵抗なくスルッと入ってくる。こんなこと出来るのは、この人しかいないんじゃないかと毎回思う。
    大きく4つのパートに分かれていて、読み進めていくうちに最初の章の話はただのエピソードへと変化する。殺人事件の謎解きはあっけなく終わるけど、どんどん引き込まれて気付けば終章。
    話が壮大すぎるかな?と思ったところで星は4つ止まりにしたけど、満足度は最高でした。

全82件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島田荘司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×