バーニング・ワイヤー

制作 : Jeffery Deaver  池田 真紀子 
  • 文藝春秋
4.03
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本棚登録 : 639
レビュー : 118
  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163817101

作品紹介・あらすじ

突然の閃光と業火-それが路線バスを襲った。送電システムの異常により、電力が一つの変電所に集中、爆発的な放電が発生したのだ。死者一名。これは事故ではなかった。電力網をあやつる犯人は、ニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求する。だがそれはNYに大停電を引き起こし、損害は膨大なものとなると予想された。FBIと国土安全保障省の要請を受け、科学捜査の天才リンカーン・ライムと仲間たちが捜査に乗り出した。しかし敵は電気を駆使して罠をしかけ、容易に尻尾をつかませず、第二の殺戮の時刻が容赦なく迫る。一方でライムはもう一つの大事件を抱えていた-宿敵たる天才犯罪者ウォッチメイカーがメキシコで目撃された。カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともに、ライムはメキシコ捜査局をサポートし、ウォッチメイカー逮捕作戦を進めていたのだ。ニューヨークを人質にとる犯人を頭脳を駆使して追うリンカーン・ライム。だが彼は絶体絶命の危機が迫っていることを知らない-。

感想・レビュー・書評

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  • ディーヴァーは裏切らない。
    リンカーン・ライム・シリーズ9作目にして、これだけ引き込まれる面白さ。
    慣れた読者には先を読めるところもありますが、それも楽しみのうち。
    ライムと仲間達の活躍を堪能させてもらいました。

    リンカーン・ライムは科学捜査の天才。
    かって鑑識の捜査中に事故で全身不随となり、身体は指先を少し動かせるぐらいだが、頭は精密、性格は傲慢。
    ハイテク機器に囲まれたベッドの上で、1作目で恋人になった巡査アメリアを目と手の代わりにして、警察の捜査に協力しています。

    今回の敵は電気。
    という設定にまず興味をそそられます。
    電気を自在に操る犯人が、事故を起こさせ、電力会社アルゴンクインの女社長に脅迫状を送りつけてきます。
    電力供給を50%に落とさなければ、さらに事故を起こすと。
    それは到底不可能なことなのだが‥
    そこらじゅうに張り巡らされている電線。町中どこにでもある恐怖に囲まれ、アメリアも戦慄しながら、次々に現場に赴き、捜査を進めます。
    環境テロなのか、個人的な恨みか‥ 犯人の目的は?

    ライムはもう一つの事件も抱えていました。
    かって取り逃がした殺人犯で宿敵ともいえるウォッチメイカーがメキシコにいるという情報が入ったため、カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンス(スピンオフシリーズの主役)とともに、逮捕作戦をサポートしていたのです。そちらの情勢が逐一入る状況。

    これまでの作品に登場した面々が少しずつ登場し、ファンには楽しい展開。
    とくにFBIのフレッド・デルレイが危険な捜査に賭け、立場があやうくなりかけますが‥
    最先端の技術に遅れをとりがちな地道な捜査官の面目が保たれて、ほっとする一幕。
    そして最後にリンカーン・ライム自身の重大な決断があり、これが感動を呼び起こすのです。

    作者は雑誌記者、弁護士を経て、1988年作家デビュー。
    1990年、40歳のとき、専業作家に。

    とくに好評なリンカーン・ライム・シリーズは、1997年の「ボーン・コレクター」に始まり、「コフィン・ダンサー」「エンプティー・チェア」「石の猿」「魔術師(イリュージョニスト)」「12番目のカード」「ウォッチメイカー」「ソウル・コレクター」この「バーニング・ワイヤー」(原著は2010年)と1年か2年おきに続いています。
    最初の2冊の衝撃力は、その後はないかもしれませんが~
    あんなに怖いのを毎年読みたいわけでもないので、ちょうどいい。
    軽めの単独作品なども加えると、20数作あるようです。
    97年以来、水準を超える作品をこのペースで書き続けているのは、凄いの一言。

  • 爽快で温かな読後感。ライムシリーズは全て読んでるが、どれも素晴らしい出来栄えの極上のミステリーだと思う。
    今回の犯人は電気を操る。張り巡らされた伏線、二転三転と読者は翻弄され、まるで映画を見ているようにハラハラドキドキ。そして最後は収まるべきピースが収まるべき場所へピタッとはまり、納得のラストへ。新刊が待ち遠しい。

  • リンカーン・ライムシリーズ第9作。大満足です!一気に読まずにはいられないけど一気に読むのはもったいない、そんな心地よいジレンマに陥りました。

    マンハッタン内の変電所で電気による爆発ー“アークフラッシュ”ーが発生し、付近に停車中だったバスの乗客らに複数の死傷者が出た。何者かによる故意に起こされた事故だった。犯人の狙いは、個人か、電力会社か、それともアースデイに合わせた環境テロか?NY市警はリンカーン・ライムに捜査の指揮を要請した。ライムは、過去に取り逃がした殺し屋ウォッチメイカーをメキシコ警察と連携して追跡中だったが要請を受けた。だが現場から採取した物的証拠から手掛かりが殆ど見つからず、さらに犯人から次の犯行を予告した脅迫状が届く…。

    「人間の心臓を止めるにはたった100mA、ヘアドライヤーの消費電力の百分の一の電力で足りる。」
    “電気”が今回の厄介な敵の武器。
    アークフラッシュの被害が恐ろしげで、様々な悲惨な現場をくぐり抜けて来たサックスまで怯えさせる。電気という、その脅威を忘れて便利さだけで身の回りに溢れているものを、ここまで上手く使いシリーズ史上でも強烈な印象を残したディーヴァーに拍手!
    クラウドゾーンの捜査など従来とは違った手法も交えながら、擦れたシリーズ愛読者の予想や期待の斜め上をいくtwistedな展開も見事。なかなかライムお得意の科学捜査が活かせなくてヤキモキさせられるんだけど、終盤にはスカッと爽快感が得られる結末。犯人とライムの会話は、常識的に被害者たちのことを考えたらあり得ないんだけど、いい雰囲気になっちゃったのはご愛嬌。
    シリーズファンは、最終章の8ページに一番衝撃を受けたのでは?
    うーん、これで次の新作も目が離せない。

    そしてこのシリーズの醍醐味であるリンカーン・ライムチームの面々の活躍ぶりも、惰性に陥ることなく存分に堪能出来た。
    このシリーズの新作を読む時は巻頭の登場人物表にじっくり目を通して誰が出てくるのかをチェックするのも楽しみのひとつ。今回は自分がお気に入りの、2丁拳銃のアノ人が載ってなかったので若干ガッカリしてたけど…チラッと要所で登場してくれたのはラッキー。
    今回の登場人物の中ではプラスキーが不運続き。今までもかなり貧乏くじを引いてきたけど…あまりにも可哀想でディーヴァーは彼を虐めるのを楽しんでるんじゃないかと疑う程。まぁ、例の被害者の身元が分かってからのルーキーの態度は感心できないけど。ライムの叱咤が効いてくれるといいなぁ。
    FBIの覆面捜査官デルレイの巻き返しは、彼の本領発揮であっぱれ。というかむしろ、一旦落ち込んだ彼の尻を叩いた人がよかった!

    あぁ、なんだか、プラスキーの初登場やらウォッチメイカーやら、そもそも初期のライムやライムチームが出来ていく過程をもう一度読み返したくなった!

    The Burning Wire/2010/Jeffery Deaver

  •  路線バスを襲った爆音と閃光、そして炎…何者かが送電システムを管理するコンピュータに侵入し、電力を一か所に集めたため、アーククラッシュという電気の爆発を引き起こしたのだ。鉄が溶け、熱いつぶてとなって身体を貫通した死体を前に、驚愕するサックス刑事。
     これはテロなのか?犯人は誰?そして彼(または彼女)の狙いは何?FBIと国土安全保障省の要請を受け、犯罪学者リンカーン・ライムが捜査に乗り出したが……

     四肢麻痺の元NY市警の科学捜査部長が、最新の機器と個性的で優秀な仲間たちと、凶悪な犯罪者に立ち向かうリンカーン・ライムシリーズの第9弾です。様々な犯罪者をやり込めたリンカーン・ライム。前回はネット犯罪だったので、なぜに今更電気?とか思ったけど、みるみる引き込まれて、あっという間に読んでしまいまいました。ストーリーとしてはさすがに9作目ともなると、読めるところもあるのだけれど、それでもなお意表を突く展開に満足です。

  • 電気をテーマにしつつ、おなじみのリンカーンを中心とする科学捜査陣。これまでに前例のない犯罪を描いたディーバーの構想力はさすがだ。作品を書き上げるための彼の周到な準備と
    熱意を感じた。十分に楽しめました。

  • これぞ鉄板。年末が近づくとライムのお出ましだ。いつものツイストに加えて、シリーズを重ねてきたからこその味わいがあり、本当に楽しめる。

    (これから読む予定の人は以下はパスした方が絶対楽しめます)








    ディーヴァーなんだから、おお!という展開があるのはもうお約束。だから、誰かがピンチでも、さあどう来る?と余裕を持って読んでいける。特に今回はデルレイの大逆転がスカッとしていて良かった!最後の対決場面も、予想通りといえば言えるけれど、やっぱり楽しい。

    ウオッチメーカーもついに捕まったわけだけど、なーんか思わせぶりな書き方なんだよねえ。これで終わりではなさそうだ。それも楽しみ。

    そしてそして、なんとライムの状態に変化が!最後の所はどういうこと?「立ち上がった」って「(ベッド上で)起きあがった」って意味?でも「子馬のように」と書いてあるしなあ。ああ、既にして次作が待ち遠しい。

  • リンカーン・ライムシリーズは、ハズレがない。
    今回は、電気が凶器。ニューヨークの送電網を巧みに利用して、爆発的な放電や、大量の電流で感電死させる。
    犯人は誰か?その目的は何か?
    ライムが唯一取り逃がした『ウォッチメーイカー』も登場し、二つの捕物劇が、やがてひとつになっていく。

    読み始めたら先が気になって仕方ない。結構な厚さの本だけれど、2日で読了してしまった。
    リンカーン・ライムシリーズはまだまだ続きそうだけれど、よくまぁネタ切れしないもんだ。

  • 面白くないわけがない。大満足。

  • ライムとウォッチメーカーのスリリングな対決。
    お互い憎しみながら、認め合う存在になっている。
    今回は、ライムの勝利、続編がある感じ。
    やはり、ディーバーの物語は、引き込まれる。
    舞台装置、大物、小物、登場人物すべてにリアリティがある。
    見えない凶器、電気との戦い。
    ヤサグレ、アナログ刑事のフレディが、事件解決の糸口をつくる。
    ライムは、手術を受けて、病状が回復?

  • 電気を操る犯人。

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