陰陽師 酔月ノ巻

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  • 文藝春秋 (2012年10月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163817200

作品紹介・あらすじ

すべてを見とおしてしまう稀代の陰陽師・安倍晴明と、心優しき笛の名手・源博雅が、彼らの元に持ち込まれた平安の都で起こる怪事件を解決する今年で二十五周年を迎えた大人気シリーズ最新作。

晴明は、物憂げな博雅に尋ねると、雅楽寮の主とも言われる橘花麻呂の娘である透子姫の姿が消えたと言う。満開の桜の元で、父の琴を弾いているうちに、琴の音は止まぬまま、姫はいなくなってしまったと言うが――「桜闇、女の首。」

雨で月の見えぬ夜に、一条戻橋の晴明の屋敷で、晴明と博雅が酒を飲んでいると、若き藤原道長が晴明の屋敷を訪ねてやって来た。なんでも今をときめく父の太政大臣、藤原兼家の首から下が突然なくなってしまったという。道長とともに白木の箱に納められてやってきた首のみの兼家は、奇妙な痛みを体に感じると、首のみの姿で語り始めるが――「首大臣」。

東三条殿の南の築山に夜になると「早う望月にならばや……」と一人ごちながら徘徊する五位の装束を着た太った男が都に現れた。烏帽子も眼も鼻も口もないというその男の正体とは?――「望月の五位」。

五条大橋まで野辺送りのために来た屍体が入った棺桶に、いつのまにか蓬髪の老人が入り込んでいた……。老人は、その家族に酒を馳走になるかわり、奇妙な約束をする……蘆屋道満のある日の出来事を描く――「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」。

朱雀院近くの四条大路で、虎が白楽天の詩を吟じながら人を喰らうという奇妙な事件が起こり――「新山月記」。

ほか、「銅酒の飲む女」「めなし」「牛怪」「夜叉婆あ」を含む全十編を収録。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な怪事件が織りなす平安時代の物語が展開される本作は、シリーズの魅力を引き立てる美しい文章と独特の発想が光ります。特に、漢詩や季節の描写が豊かで、読者の心に深く響く作品です。お気に入りのエピソードに...

感想・レビュー・書評

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  • 今作は漢詩多め。
    私、頭悪いので、理解できない部分もありましたが、相変わらず季節の移ろいが瞼に浮かびそうになるくらい美しい文章だといつも思います。

    今回は「銅酒を飲む女」「首大臣」「牛怪」がお気に入り。特に「牛怪」の織姫と彦星の話は人間っぽくてかつラストの星空鑑賞のシーンが良かった。

  • 短編集のシリーズ第十弾。

    ・銅酒を飲む女
    ・桜闇、女の首。
    ・首大臣
    ・道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語
    ・めなし
    ・新山月記
    ・牛怪
    ・望月の五位
    ・夜叉婆あ

    前回のは良かったんだけど今回はイマイチ。
    危うく★2にしてしまうとこだった。ギリ3。
    詩歌の話が多かったように思う。そっち方面はまったくわからんので残念。

    「新山月記」などは中島敦の「山月記」まんまではないかと思われる。まあ「山月記」をまともに読んだことがないのでわからんが。ざっくりといえば詩人を目指していた男が夢破れて人食い虎に変じてしまい、男の友人が晴明と博雅を伴って出会うという話でした。

    印象に残ったのは「銅酒を飲む女」かな。
    よくありそうな怪異譚なのだが終わり方がなんとも切ない。

    道満の活躍(?)が目立ったのも今作の特徴かな。
    陽の下を歩む晴明に対して、陰に潜む道満。
    作者も道満を書いてて楽しんでるんじゃないかな。

    それにしても晴明と博雅。この二人。よく一緒に酒を飲んでいるが、なんか妙になることが……。
    以下抜粋。

    「どうやらおれは、晴明よ、歳をとるというのも、それほど悪いものではないと思うているらしいのだ……」
    博雅は晴明を見やり、
    「おれが、そんな風に想えるというのも、それは、つまり……」
    少し口ごもった。
    「何なのだ?」
    「おまえという人間がいて、こうやって、このように語りながら、酒を飲むことができるという、そういうことがあるからではないかとも考えているのだよ、晴明ーー」
    博雅は言った。
    「博雅よ……」
    晴明は、そう言ってから空になっていた自分の杯に酒を満たし、
    「そういう言葉は、いきなり口にするものではない……」
    その杯を手にとって、庭の荻へ眼をやった。
    「おい、晴明ーー」
    博雅は、その唇に笑みを浮かべて、
    「おまえ、今、照れたのであろう」
    そう言った。
    「別に、照れてなどおらぬ」
    「そうかーー」
    博雅はさらに笑って、
    「おまえもそのような顔つきをすることがあるのだな」



    は~? なんじゃ、この二人は(笑)

    • yukimisakeさん
      土瓶さんありがとうございます、怖くなりました…:(´◦ω◦`):
      ポーのやつは読んだ気がしますけど覚えてないなー。
      生きたまま…それもうなん...
      土瓶さんありがとうございます、怖くなりました…:(´◦ω◦`):
      ポーのやつは読んだ気がしますけど覚えてないなー。
      生きたまま…それもうなんの罰ゲーム…
      鳥葬より海に船で流して遠くから火の矢を打ってもらって燃やして欲しい…
      2024/09/15
    • 土瓶さん
      いろいろ考えると、死ぬのって意外と面倒くさいね。
      まあ、生きるのもそうだけど。
      やっぱし使えそうなとこは全部使ってもらって、あとは学生たちの...
      いろいろ考えると、死ぬのって意外と面倒くさいね。
      まあ、生きるのもそうだけど。
      やっぱし使えそうなとこは全部使ってもらって、あとは学生たちの練習台の献体がいいのかな。
      その最中に生き返っても上手く対処しやすいし、もしくはサックリとトドメをさしてくれそうだし。
      2024/09/15
    • bmakiさん
      死ぬのって面倒くさそうですよね。
      お墓買っておかないといけないのかなぁ?
      生きたままつつかれるのでないのなら、鳥葬でいいですけど。

      ...
      死ぬのって面倒くさそうですよね。
      お墓買っておかないといけないのかなぁ?
      生きたままつつかれるのでないのなら、鳥葬でいいですけど。

      これまた短編ですね。
      どうしても短編は読みたいと思えない(ToT)読めるとも思えないです。゚(゚´ω`゚)゚。
      2024/09/15
  • 今回がシリーズ12作目、作者が書き始めてから25年目の作品だそうです。ずいぶん時間をかけて書いてるんですね。

    印象に残ったお話2つの感想を書いておきます。

    いつも悪役?のようなイタズラして喜んでいる謎の人物である芦屋道満が珍しく人助けをするお話があり、面白かった。
    助けても要求するのは大金ではなくお酒というところが彼らしい。


    ひこぼし、織姫が地球上に降りてきて、星が行方不明になるお話。牽牛と珠(牽牛の浮気相手)が和歌の中に隠れている、なんて優雅!

    前にもお経の中に人が隠れていたり、文字になってしまうというお話があったけれども、発想が面白い。

  • 一番好きなのは、新山月記かなぁ。悲しくて、美しかった。
    乙姫は、突っ込みどころ満載。良いのか、乙姫。って思った。良いんだろうな。
    夜叉婆あ、分かるんだよな。子供が心配で、死に切れない気持ち。

  • 道満が敵役だけでなく、自ら働いている。もっとも自分のために動いて晴明に後始末をしているのを楽しんでいる感じだが。 首大臣は首になった兼家の行動がおもしろい。

  • 秋の夜長に、この作品をゆるりと楽しむことは本当に贅沢だと感じました。お酒を飲めない私でも、晴明の家の庭を愛でながら、簀子で盃を酌み交わしたいと思ってしまう。今作は、比較的短い話が多い。中には道満のみのものも。妖たちが悪さをするというよりも、どこかもの悲しい話が多かった。一番印象的だったのは牛怪。

  • 久しぶりの陰陽師。
    清明様も好きだけど、なんといっても博雅様が好き。
    もし男の子が生まれたら、博雅にしようかと思ったくらい。
    この時代もちろん電気もなく、夜 清明の家の縁側で 月の明かりで頼りに酒を飲んでいる2人の姿がとても素敵に思えてくるのでした。
    清明にとっての博雅のような、博雅にとっての清明のような友がいたら、その友とこんな風に酒を飲みながら語り合えたら、本当に幸せだろうと思って読んでいます。
    そして陰陽師を読むたびに、何よりも怖いのは人間の欲だと思い出させてくれます。適度の欲は必要だけど、度を越えた欲を持ってはいけません。
    また次の作品を楽しみに待ってます。

  • 安定の面白さ。だが安定し過ぎで物足りない気も。たまには冒険もして欲しい。

  • いつものようにほろほろと酒を飲み、ことばを交わし、呪や鬼と対峙する博雅と晴明。永久機関のようにいつまでも同じように繰り返していくだけのふたりのやりとりは、同じ花が二度と咲かないように、同じ風が二度と吹かないように、やはり毎回違っている。とくに今回、当たり前のように彼らも少しずつ齢を重ねて年をとっているんだと実感した。具体的にそのような描写があるわけではないが、確かにそう感じさせるものが本作にはある。

  • 9編を収録。
    シリーズ最新刊。

    安定した世界だが、格別ぐっとくる話がなく、残念。

    季節の移ろいを感じながら、お酒を飲む場面は、毎回ながらみやび。
    二人とともに、ゆったりとした時間を過ごしたくなる。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-5969.html

  • 蘆屋道満活躍多め

  • 山月記、織姫と彦星、今昔物語のパロディなどなど今回も面白い

  • 安倍清明と源博雅の物語が詰まった短編集。 今回は二人が主人公ではなく、蘆屋道満が主人公の話が二話もあり、新鮮であった。 お気に入りは「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」と「新山月記」。 前者は蘆屋道満が主人公の話で、これまた面白い。 後者は山月記を踏まえた話で、山月記を改めて読みたくなった。

  • 19

  • するする読めるのが不思議なシリーズ。
    この本は、首と唐が多かったな、という印象。
    毎度ながら、人の欲の怖さ、哀しさ、愛しさ、奥深さをしみじみ感じられる。
    新山月記、夜叉婆あが印象的で、ひたすら切ない。
    しかし、首大臣を読むと、博雅はいろんな意味でいい漢なんだなぁ、と。

  • 「首大臣」兼家さまって困ったちゃんですよね・・・。朱雀門の鬼はこのやりとりで博雅に会いたくなって出てきたのかなと考えると可愛らしい。「道満、酒を馳走されて~」の道満がすごかった。全裸にさせた死人にこちらも全裸で抱き付いて添い寝!読みながら思わず「おいおいおい」と突っ込んでしまった(笑)「めなし」冒頭の博雅のタラシっぷりがもう最高。照れる晴明も見もの。ご馳走様です。他も良作短編。この表紙は詩を吟ずる「新山月記」の虎ですね。最初滑稽に見えたけど、読んでから見るとなんとも哀愁漂ってくる。

  • 陰陽師シリーズ。

    今回は何かと蘆屋道満の出番が多かった。道満と言えば、暗躍の人であろうに、まるっきり人助けをしている話もあり、意外な感も。その時は、随分とお酒を欲していたのかな(笑) 夢枕さんが描く道満は茶目っ気があって好き。「首大臣」のように、ちょっと悪いイタズラをするときもあるけど、お灸を据える程度だし、憎めないキャラであるのは変わりなし。

  • 今回読み終わって最初に思ったこと。
    道満が普通に人助けをしているぞ、ということ。穿った見方をしていたのかもだけど、道満ってもっと欲深でにやにやと笑って人を貶める的な存在だと思っていたんですよ。それが今回は酒は要求してるけど、割りと普通に助けてくれるなー、と。パラパラと読み返せば酒以外にもちゃっかりやってたりもらったりしてるけどね。そして何気に晴明と仲良いじゃんとか思いました(笑)
    そして、関係ないけど今回残念だったのは、晴明と博雅の「ゆこう」「ゆこう」が少なかったこと。他の人のが居ることが多かったからだけど、晴明が「ゆきましょう」みたいな返しだったのが他人行儀すぎるよ晴明!とか思いました。
    でも博雅のデレに照れる晴明もいてニヤリとしました(笑)

    今回酔月ノ巻ということで、酒関係、月関係のお話しが多かったです。酒関係ということで道満もよく出てきたのかな。
    何はともあれ面白いです。人からものに変化するのときの書き方!まるで見ているかのようにまざまざと思い浮かびます。陰陽師を書きはじめて25年とのこと。まだまだ書かなければいけない話はあるとのことなので次回作も楽しみに待ちたいと思います。

  • 相変わらずの晴明であり、博雅で、いつもようで、つまらなくともあり、それが安心でもあるかな。
    もう内容も同じようで、新鮮さは無いが、新刊が出たらまた読みたくなるような本かと思う。

  • 図書館より。
    久しぶりに読んだ陰陽師。
    なんかいいよね~この二人のやりとり。
    そして25周年。
    すごい。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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