離れ折紙

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 149
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163817804

作品紹介・あらすじ

コンゲームの名手による異色の骨董ミステリー「騙すか、騙されるか」関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、芸術への欲望をあぶり出す絶品の美術ミステリー短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 骨董屋やブローカー、美術館キュレーターなどが、作品の真贋を巡って、騙し合いを繰り広げ、暴利を貪る短編作。

    ・唐獅子硝子
    ・離れ折紙
    ・雨後の筍
    ・不二万丈
    ・老松ぼっくり
    ・紫金末

    贋作の作り方や、流れてくる鑑定書、まだまだいろんな騙し方を見せてくれる。

    上手く騙したと思ったら、その上を更に行く貪欲な者が出てきて痛快。

    文福茶釜の続作品のようで、やっぱり骨董の世界は目利きがきく者でしか、買っちゃいけないと思った。

  • 題名と、表紙の装画から、どんな無いよの本かと、期待しながら読んでしまった。

    6話の、古美術、骨董品にまつわる美術賞の話。
    鑑定する側、購入する側、マージンをどのように多く得ることが出来るかの、タヌキとキツネの化かし合いの様な息を飲むやりとり。

    そして、この表紙に魅せられた、、、黒川雅子さん(作者黒川博行氏の奥さん)の匂い立つような、島原の花魁姿に、見とれてしまった。

    唐獅子硝子――遺品整理のお礼に 少し欠けたガラスのレリーフは、アール・ヌヴォーの時代のものか?
    フッ素水素酸の希釈液で、サインが、消えてしまうなんて、、、

    離れ折紙――日本刀の数え方は、太刀は「振」(刃を下にして腰に佩くもの)
    刀は「口」(刀の刃を上にして腰帯にさす物)。。。
    刀剣の趣味の医者のところのに持ち込まれた本阿弥光常(ほんあみこうじょう)の折紙(極めをした鑑定書)付き日本刀を、購入するが、茎の銘が、違っていた、、、しかし、折紙だけは、本物であったが、、、これが離れ折紙。
    騙され損になってしまった。

    雨後の筍――浮世絵の版木が、持ち込まれる。
    如斎画と落款もある。
    購入して、版木をチェックして貰ったら、絵師の落款と役者の名前を短冊に切り取、如斎と、訳者名の弥三郎の字を埋め込んだ偽物であった。
    如斎の後、同じ様な絵師が、雨後のタケノコのように表れていた事を、聞いて居たのに、、、、。

    不二万丈――風呂敷画商と呼ばれる者が贋作を売りつけ、ばれてしまい、返金を迫られることになる。
    欲を出して、騙したつもりが、反対に、売りつけた方が、他へ高額で売りつけに成功する。

    老松ぼっくり――取引があった人物の盗品を購入してしまった。善意の第3者であるのに警察が、やって来て、向こうの弁護士と話を、、、というが、、、本当は、その弁護士も偽物であった。

    紫金末――天然の岩絵具朱の色を出すんは、、、、水銀と硫黄の化合物、、、、それを材料とした紫金末の絵の具で、絵の時代が、分かるのである。
    美術館でも、本物ばかりが、あるのではないのか?と、疑ってしまいそうであった。

    大阪の阪急沿線の話が、沢山出てきて、身近に感じてしまった。
    我 古い親戚に、油絵をするために、戦前パリに遊学(留学でなく)をして来た人物がいて、芦屋浜で、個展を開いた事があると、聞いていた。不二万丈に出て来る甲陽園も馴染みが深い。
    又、刀剣で、奈良の月山と言う刀鍛冶の人間国宝だった方のご令息(その方も高齢であるが、、、)話しを聞いたことがあり、興味深かった。

    美術ミステリーというか、骨董の鑑定の仕方の一部と、大金の動きの駆け引きに、知らない世界をのぞいたみたいな気分だった。

  • 美術ミステリ。
    美術品と聞くとかなり高額なのだろうと思ってしまう。けれど、日常的に仕事として取り扱っている人からすれば、金額に対する感覚というのはちょっと違うのかも。
    1000万円と言われたら「へぇ?」という感じなのに「用意しましょう。買いましょう」の世界なんだもん。
    欲が出ると真贋の判断も鈍ってしまうところが人間らしいというかなんというか。
    また、引っかかってるよと思わずにはいられない。

  • 骨董商のオモテ・ウラ
    「なんでも鑑定団」のせいで真っ当な商売のように勘違いしいたけれども、本来はこんな下衆な世界。
    騙し騙され、クロサギ、シロサギ、アオサギか、、、
    似たような登場人物ばかりなので区別がつきにくかった。

  • 胡散臭さ満載(笑)
    専門性濃い薀蓄は面白かったが、ストーリー性に物足りなさがあった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13579566.html

  • 出て来る取引が殆ど詐欺すれすれ。美術骨董界ってそんなものなのか?えげつないですね。怖いですね。

  • 古美術に興味が無いせいか,内容がね。挫折

  • 骨董ミステリ。

    この業界は素人目ながらも胡散臭さ満載。騙す方はもちろん、騙される方も腹の内は結構な狸。黒川作品らしく軽妙な関西弁の語り口で読みやすいし、騙し騙されのコンゲーム展開も興味深く読めたのだが、毎回毎回、中心人物がしてやられている側なのは、後味悪くてスカッとしないかな。騙されても、最後は大逆転、の方が王道ではあるけれどスッキリするのだが。その点では「老松ぼっくり」が一番読みやすかったかも。

  • 【コンゲームの名手による異色の骨董ミステリー】「騙すか、騙されるか」関西の骨董業界を巡る丁々発止をテンポよく描き、芸術への欲望をあぶり出す絶品の美術ミステリー短編集。

  • 読みやすかった。

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著者プロフィール

1949年3月4日愛媛県生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。大阪府立高校の美術教師を経て、83年、『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作。86年、『キャッツアイころがった』で第4回サントリーミステリー大賞を受賞。96年、「カウント・プラン」で第49回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2014年、『破門』で第151回直木三十五賞を受賞。他の著作に、『悪果』『繚乱』『離れ折紙』『後妻業』『勁草』『喧嘩』『果鋭』『雨に殺せば』『切断』など。

「2020年 『アニーの冷たい朝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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