著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163817903

感想・レビュー・書評

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  • 台湾の高速鉄道開通までを何人もの視点で辿っていく物語。

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    日本の商社から台湾にやってきている多田春香さんの視点がメインだったように思う。
    数年前の一日だけ共に過ごした男性との再会や、日本にいる体調不良の恋人との関係なんかが描かれていて、なるほどなあという感じ。
    台湾の整備工場で働く若者や、日本の高速道路を作ってきた老人の視点もあった。

    もっと深堀してほしかった視点人物は、台湾でがむしゃらに働いて心身ともに壊れそうになったり、飲み屋で出会ったユキさんと恋仲になったり、日本の妻と離婚したりする赤西さんだ。
    良くも悪くもとっても正直な人で、もっとこの人の視点で台湾を見たかった。視点人物が多いからか、赤西さんの順番がなかなか回ってこなくて残念だった。

    台湾の屋台文化がすごく魅力的に見えた。いいなあ。

  • 読むと俄然台湾に行きたくなる吉田修一氏の小説「路」を読了。台湾新幹線を巡るとんでもないドタバタにまきこまれ、かつ台湾人のスケジュールに関してのマインドと日本人のマインドのずれなどなどカルチャーの違いでのいざこざもくあわり精神的に参ってしまう関係者も出るくらいの大変なプロジェクトだったらしい。そんな大変だったプロジェクトに直接かかわるひとたちとその家族や恋人達との様々な事件、加えて終戦前まで台湾で育った世代の男と当時日本名を無理矢理名乗らされていた台湾人友人との再会など日本台湾両方の老若男女が台湾を舞台に複雑に絡み合いながら成長したり、救われたりして行く群像劇だ。重いテーマのないこういった小説もたまにはいい。ベストセラーにはなっていないがさすが吉田修一氏の作品十分に楽しめました。そんなとても台湾に行きたくしてくれる小説を読むBGMに選んだのがMiles Davisの"musing of Miles".

  • 久しぶりの吉田修一さんです。
    一応恋愛小説なのかな。
    タイにまつわる、老若男女の話です。
    みんなタイとつながっているのですが、とにかく登場人物が多い、場面場面でころころ話が変わりその都度新しい人物が出てきてちょっとわずらわしいです。
    結局みんな何らかの形でつながっていくのですが、そこにつなげていく?というかこの人は強いていらんでしょう・・・という人もいたりします。
    まあみんな一生懸命生きているんですけれど。

  • 台湾への新幹線輸出を題材にしたフィクション。群像劇。

    小説の姿を借りた台湾ガイドブック。
    泥温泉に太櫓閣、文字だけじゃ分からない魅惑の食べ物たち。行きたくなります。
    でも、せっかく海外で高速鉄道に乗るなら異国を感じる車両がいいなぁ。

  • 分厚い作品だけど、まぁまぁ良かった。吉田修一は奥深い。

  • 去年、台湾旅行したので、街並みとか料理とか想像できて、面白かった。複数の人たちのストーリーを少しずつ繋げていくという組み立て?もおもしろい。ドラマになりそう。

  • 久しぶりに読み応えのあった作品。主人公二人の恋愛どっぷりでは無かったところが逆に好感度高し。妄想が激しいため、男性は勝手に金城武に変換して読んでました。てへ(≧∇≦)

  • 台湾に新幹線を走らせる。
    その大きな事業を縦糸にした、様々な出逢いと別れの物語。
    いくつもの横糸を手繰る吉田修一の確かな技に感嘆。

  • もっと新幹線の話があるのかと思った。二人の関係がもやもや。

  • 普通だった

著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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