- 文藝春秋 (2013年2月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163818306
作品紹介・あらすじ
常識外れの芥川賞作家の一年
2011年3月から一年余の日々の記録。徹底的に自己からの眺めに徹した一人の作家の生活と意見がここにある。静謐で刺激的な一冊。
みんなの感想まとめ
日常の一コマを切り取ったような、著者の素直な日記が描かれています。自己を徹底的に見つめ直し、時には後悔や葛藤を赤裸々に綴ることで、読者は著者の人柄や生活の一端を垣間見ることができます。特に、酒や食事に...
感想・レビュー・書評
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芥川賞作家による日記。テレビでもお見掛けしていた著者、2022年2月に亡くなられた際にニュースで拝見していましたが、著作を読むのは初めて。しかも王道の『苦役列車』等でなく日記から入るのはどうだろうと思いつつ…。
内容自体は本当に日記で、事実の羅列+感想に近いです。ただそこから著者の人柄が見えてくるのが面白い。
まぁ因数分解すれば、可愛らしい人とも言えるんでしょうが…業務上お付き合いが必要な編集者は本当に大変だなぁとも思いました。
例えば、自作の映画化においても「すべてを委ねた上で、客観的に完成を待ちたい」とコメントし、「原作者一切不介入」と伝えたにもかかわらず、打合せに呼んでもらい、脚本のシリアルナンバーも「なるたけ若い番号を」と要望して送ってもらい、最後には作品をけなすと…。
あと、酒場でトラブルになるのは著者の声が大きいからなんですかね。芥川賞を受賞され、ラジオやテレビに出始めて、憧れの人にも会えて…と良い時期なのに、無頼派な感じは変わらなかったんだなぁと。
日記だからこそ、「あぁ、あの時こうすべきだった」的な後悔があけすけに書かれているのはちょっと共感。居酒屋でのサワーの注文ひとつで「もの書きの端くれたる自分が率先して口にすべきだったはずである」と後悔するのはわかる気がします。
本著、読んだ誰もが感じたと思うんですが、著者の暴飲暴食が凄い(笑
「缶ビール一本、宝一本、宅配寿司三人前」を深夜に1人で平らげる訳で、「宝一本」って缶チューハイじゃなくて25度の焼酎の720ml瓶なので尋常じゃありません。これを日によっては一本半飲み、体調が悪い時は「熱燗五合を呑んで、早々に寝る」もう酒が好きとかそういうんじゃないんだろうなと。
視座が全く違う方の日常を垣間見た気になれる、というのは面白いのではないかと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無頼派とは誰が呼んだか、西村賢太がそれかは分からぬが、しかし、小説家にはかくの如くあって欲しいと思う自分もいる。日々の徒然、西村賢太の私小説ではなく、本著は、西村賢太その人の日記である。小説と何が違うのかというと、登場人物や出版社やテレビ番組が実名。当人の振る舞いが小説よりかは、ややソフト?東日本大地震直後からの記録だ。
買淫、酒、煙草。執筆、入浴、ビバリー。ビバリーとは、高田文夫の名が出てくるので、ラジオの事だろう。夜な夜な出版社の接待飲みやら、可哀想に、時々諍いの対象となる新潮社の編輯者。新宿の文壇バー風花、そこでの勝谷雅彦とのトラブルも語られる。
無頼派は遠目に見たり、作品を読む分に良いが、近くの人は大変な事もあったろう。行儀がよくて可愛げもあるが、妙に導火線が短くいつ爆発するかわからない。執着と無頓着、自然体や野生と律儀の狭間に愛嬌が同居するような作家だった。22年逝去。死因は心疾患との事だが、本著を読めば、健康など気にしない生き様が見える。惜しみつつ、合唱。 -
✩3つ
この本はづいぶんと長いあいだ読んでいた。たぶん3週間くらい前からだろう。
いいのだ、本当に単純なる日記なので、どこで一旦置いて別の本へ行こうが唄を歌おうがPCでNET見てようが自由だったから。こういう本わお気楽でいいな。ついでに西村賢太自身に興味も湧きデビュー作の『暗渠の宿』というかなり面白い作品も読めたし。
この日記からわかったことを少しだけ書く。特に意味はないが にひひ はある。
西村賢太は、朝起きるとすぐに「ビバリー」というおふろやさんで入浴する???朝からかぁ!
西村賢太の自家にはサウナがある・・・と読み途中で思ったけど、やっぱそうではなくて外のサウナへ、お風呂「ビバリー」の後通っている様子。
すわ、西村賢太はTV局の仕出し弁当をしばしば持ち帰って地家で晩酌の肴にする。 -
この食生活が早死にする要素だったのかなぁ…
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厳密には小説でなく、西村賢太さんの日記のようなものである。ただの日記といえばそうだが、ところどころに西村節のようなものが散りばめられていて、やっぱり面白いのである。
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図書館で借りたり返したりまた借りたりが続いていたが、このたびようやく読了。
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西村賢太の毎日の記録。
正直、もっともっと破天荒な生活・思想の人かと思っていたが
稲垣潤一のファンで会ったり、テレビやラジオだとたくさんの
出演もあって破天荒とはほど遠いものだったのが残念。
まあ、鴬谷の信濃路でウーロンハイ6杯とか夜中によく食べることなど
普通の人とは違う生活なのは確かではある。
あと期待した買淫も、それほどの頻度ではない(週一くらい行っていると
思ってた)。
もっとケンカしてるとも思ったけど、これもそれほどではない。
ただ金沢のある記念館の藤澤清造についてのなめた展示に対しての
怒り方は面白かった。
曽根中生の「不連続殺人事件」がベストミステリー、にはナイス! -
エッセイというよりは、一方的に殴りつけた備忘録。日記だ。起床、入浴、何を食べたかを書いただけの3行日記も結構ある。それでもありのままの日常は覗き見根性も手伝って興趣をそそる。私小説の原点を見るような感慨もある。事務的で情緒的なひだの細やかさも感じられないが、淡々とした書きぶりが妙に心に残る。事実なればこその吸引力か。喧嘩もするけど和解もする。意外に普通なバランス感覚もおかしかったりする。前のめりの傾斜が鋭くなる。最近のご活躍の様子とのシンクロが小説とは一味違う読後感を与えてくれる。
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毎日呑みすぎ。
毎日脂摂りすぎ。 -
名前は知っていたが、本は初めて読む。
食事の量が半端ではない!
テレビの出演が多いが、まだお姿を見たことがなかった。 -
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ふむ
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初めは読み進めるのに骨を折ったが、段々と病みつきになり、最終的にはもっと読みたくなる。もうこの世にはいない作家の手記と思うとなんだか感慨深い。小説も同じなのだけど、それよりも強く感じるのは生々しい日常が綴られているからであろう。
「やはり、自分は小説を書いているときが一番楽しい」最後のこの言葉に救われる気持ちになる。 -
「学びや教訓が一切ない」ことの潔さに、これほど救われるとは思わなかった。
凄まじい葛藤を描いた本を読んだ後、西村氏の「一旦棚上げして飲んで寝る」という開き直りに触れ、心がふっと軽くなるのを感じた。露悪的な振る舞いの裏に透ける繊細さや、孤独な夜の体温。読書とは、こうした他者の「業」に触れることで自分の中の言葉を組み替え、日常のバランスを整えていく作業なのだと、改めて確信させてくれる一冊。 -
芥川賞作家の 西村賢太の日記風の随筆集。
私は人の日記を読むのが大好きだ!
一日のうち、何をして何を食べてどこへ行き、どんな風に感じて床に就くのか。
時間はみな平等だが、使い方は千差万別。
人は一人一人違う、ということを如実に感じられるから。
この人はとにかく飲酒が多い。
酒ばかり飲んでいる。
朝、というより昼前に起床し原稿を書く。しかし人間たるものバイオリズムかあり、もちろん調子の善し悪しも日によって異なるから、何もせず1文字も書かぬまま夜を迎える日もある。
そして夜はまた飲酒。
それもビール1缶に日本酒、そして食べる量も半端ない。
弁当2つにおでん6個、それにチーカマやらウインナーにソーセージ。
だからあの体型だったのか、、、、と、これには妙に納得。
印税などの収入も赤裸々に記されており、作家としての夢を見させられる場面も。
こんなに稼げるなんて!!とワクワクした。
悔しくも彼は2022年に心疾患でこの世を去ってしまった。
ただ、彼の残した功績は大きく、少なくない人に勇気を与えただろうと思う。
人は這い上がれる。
堕ちるところまで落ちたらもうそれ以下は無い。
下克上上等の生き様を投影した作品が、面白くないはずがないから! -
2011年3月から一年余の日々の記録。徹底的に自己からの眺めに徹した一人の作家の生活と意見がここにある。静謐で刺激的な一冊。
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こんな生活ができたら良いなと思う別人格がいる自分に驚愕している。
でも楽しんで読了したということはそういうことなのだろう。
いや、無理だ。自堕落は駄目だ。 -
ウェブ文芸誌「マトグロッソ」に連載された日記の単行本化。私はサイト上でも読んでいたけど、1冊の本として読むとまた違った味わいがある。
内容は、日記そのもの。エッセイのように一編の作品としてまとめようとする意志は感じられず、食べたものや会った人、読んだ本、書いた原稿などについての日常雑記がつづく。それでも面白く読ませてしまうのは、文才というものだろう。
本書に記録されているのは、まさに芥川賞受賞後の日々。
売れない作家であった彼が突如脚光を浴び、殺到する原稿依頼やテレビ出演依頼などを、うれしい悲鳴を上げつつこなしていく様子が綴られている。
過去の作品群は増刷に次ぐ増刷。著名文化人や芸能人などの知遇も次々に得て、芥川賞受賞作『苦役列車』は映画化される……。というふうに、西村にとっては「我が世の春」ともいうべき“人生最高の一年”が刻みつけられていく。
《昨年は、新潮社からだけで三千八百万円を得ていたことに一驚する(拙著五冊の印税、原稿料の他に、海外版等、同社が窓口となったものすべてを含んで)。(中略)
一昨年の自分の年収は四百八十万だったが、今回住民税のみでもその三分の二以上の額を別途納める計算に、つい自分でも訳の分からぬバカ笑いを発してしまう。》
《ついこの間まで、どこからも雑文一本の依頼も貰えなかった惨めさを、自分は一生忘れない。無能のくせに思い上がった文芸編輯者や、尻馬乗りの、保身に必死なだけの新聞文芸時評子(本来、資質的に文芸とは無縁の、単なる一教職者に過ぎないが)から意図的に排除され、やられっ放しだった無念さを、自分は片時も忘れたことはない。
あの悔しさを思い出すにつけ、今、彼奴らの必死の排斥も虚しく、自分に多少なりとも仕事が立て込み続けているのは実に痛快。かつ、しみじみ有難いことである。》
このように、赤裸々な「ざまあみやがれ!」的記述が痛快だ。なじみの編集者を些細なことで罵倒したりするあたり、相変わらず「実生活では交友したくない男だ」と感じさせるけれど……。
また、これは『孤独のグルメ』に近い面白さをもつ日記でもある。
というのも、西村が日々律儀に記録している食生活の様子(出版社の接待で食べる高級料理から、家で食べるインスタント食品やジャンクフードまで)が、どれも妙にうまそうだからだ。読んでいて腹の減る日記である。
日記中に頻出する鶯谷の大衆居酒屋「信濃路」(この店は過去の作品でもおなじみ)と早稲田鶴巻町の「砂場」(蕎麦屋らしい)に、行ってみたくなった。 -
いちわたくししょうせつかきのにちじょう。
私小説家の西村賢太さんの日常が書かれています。
貫多はここから生まれたんだ。
読んでいくうちにおもしろいし、西村さんの行動とか食べてる物とか、呑んでるものとか。。
だんだん食べ過ぎじゃないかと心配になったりでも読んでて楽しくてずっと読んでたい!
つくづく芥川賞ってすごいんだなぁと思った。
途中、ごはん買う場所がセブンからオリジンにかわったり。
苦役列車の映画化、西村さんはこんな風に思ってたんだ。
観なくてよかった。笑。 -
赤裸々な内容はさておき、日本語文章の秀逸なお手本だと思います。文章技術読本として価値、おおいにあり。
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【常識外れの芥川賞作家の一年】2011年3月から一年余の日々の記録。徹底的に自己からの眺めに徹した一人の作家の生活と意見がここにある。静謐で刺激的な一冊。
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