64

著者 :
  • 文藝春秋
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  • / ISBN・EAN: 9784163818405

作品紹介・あらすじ

昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、刑事部と警務部が全面戦争に突入。広報・三上は己の真を問われる。究極の警察小説!

感想・レビュー・書評

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  • 昭和64年に起こったD県警史上最悪の事件、通称ロクヨン。未解決の少女誘拐事件を巡る長編小説。

    「警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持を持って職務を果たせねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない」

    刑事部VS警務部。
    傍から見ると同じ警察官。けれどその内情は格差が大きく、両者の間には大きな隔たりが常にそびえる。そこに地方VS本庁(東京)が加わり余計にややこしい問題へと発展。
    それぞれの言い分には納得できるものがあるから余計に厄介なことに。陰と陽。いわゆる"現場"と"会議室"というところか。ここまで互いに憎み合っていてD県の治安は大丈夫だろうか、と心配したりして。
    職務の内容は違えど、やはり地域や住民を護る気持ちは一つ。三上の言葉通り、神の手は持たなくとも誇りを忘れず、互いの職務を認めることが大事。そしてこのような縦割り組織の問題は警察だけのものではない、とつくづく思った。

    ラストまで読んで…ここで終わりか〜とちょっと肩透かしな気分。
    スカッとする終わり方を期待していただけに、ちょっとモヤモヤが残ってしまった。
    久々に動いて喋る二渡さんを見られて嬉しかっただけに。。

  • 2020/02/12読了
    #このミス作品8冊目

    傑作!
    警務部と刑事部、本庁との抗争
    マスコミとの対立、14年前の未解決事件
    濃い人間関係とひりつく展開が最高。

  • 警察小説の傑作。
    D県警シリーズのひとつということですが、初めて登場する主人公。
    14年前の誘拐事件と現在の事件が交錯します。

    64とは、昭和64に起きた未解決誘拐事件の符丁。
    64年ってたった7日しかなかったんですね‥

    三上義信は、D県警の警務課の広報官。
    もとは刑事畑の出ですが、警務課に回されたのは二度目で、微妙な葛藤を抱えていました。
    捜査に携わる現場の刑事にとって、警務課とはスパイのようなもので、互いに押し引きをして張り合っていたのだ。
    警察内部の人間関係、信頼できる人もいないではないけど、何かと足の引っ張り合いがあり、そのへんがたっぷりと書き込まれていて、こんなことを考えながらやっているのかと驚くほど。

    鬼瓦のような顔をしている三上の内心は悲痛だった。
    娘のあゆみが家出して行方が知れず、妻の美那子は電話にかじりついて離れない。
    家出して2ヵ月後に無言電話が3回あり、あゆみからと信じて疑わずに待ち続けているのだ。
    三上は娘の捜索を全国手配してもらったため、上司に逆らえない立場になっていた。

    64の事件も時効まであと1年。
    被害者家族の雨宮に、警察庁長官が弔問に訪れたいという申し出をするが、きっぱり断られてしまう。
    警察に不信を抱いている様子に驚いて、事情を探り始める。
    担当者との間に何かあったのか?
    辞めた警官がいることを知った三上は‥

    警務課では、マスコミ対応も頭の痛いところ。
    上司の指示通りにある事件の加害者の実名を発表しなかったところ、記者たちの反発にあい、揉めに揉めて公式に抗議されてしまう。
    このときの葛藤も凄いけど、三上が決断してからが潔くて、カッコいい!
    自分の立ち位置を確認し、腹が据わったのですね。

    絡み合う過去と現在。
    予想外な展開で、読み応えがありました!
    不器用で迷いと苦しみばかりだった三上も、真剣に向かい合ううちに良いところが出てきて、一皮剥けていくよう。
    思いつめていた美那子も、それなりに心の落ち着きどころを見出していきます。

    「半落ち」と「臨場」を読んでいるのですが、風合いが違うので、読んでいる最中は同じ作家とはっきり気づきませんでした。
    読んでいない「クライマーズ・ハイ」などのほうが通じるものがあるのかも‥
    とはいえ、この作品がベストかもしれませんね。それぐらい迫力があります!
    私の好みで言えば「臨場」かもだけど‥それは主役のせい♪

  • いや~、すごかった。前評判通り、すばらしい。
    もう寝ないと明日に響くからと思いつつ止められなかった。
    おまけに読み終わってからも興奮が収まらずなかなか寝付かれない。その位すごい作品だった。

    あらすじとしては、14年前に発生した未解決誘拐事件をめぐって警察内での政治的攻防が繰り広げられると言ったお話。
    最初は主人公の三上が暑苦しいしくどいし、警察ってこんなことばっかりやってて仕事してんのかよって反感が生まれたり。
    おまけにやたらと登場人物が多い。もしこれがロシアの小説だったりしたら完全にアウトだったと思う。絶対に覚えられない(笑)
    でもそんなことを抜きにしても、最初から最後まで緊迫感を持って読者を引っ張って行く横山さんの筆力は圧巻。

    この小説を読むと、ああ今から20年以上前に発生した“功明ちゃん誘拐事件”がモデルになっているんだろうなとピンと来た。
    私の住む隣県で発生した事件で当時の事も良く覚えている。
    男の子は全裸の無残な姿で発見され、犯人逮捕にもいたらず。
    犯人の脅迫電話なども公開されたが結局はそのまま時効を迎えることになった。
    横山さんは上毛新聞の元記者。この経験は「クライマーズ・ハイ」を言う名作を生み出しているが、この事件に対しても警察や記者たちへの色んな思いが渦巻いていたんだろうなと想像できる。
    もちろんモデルになった事件を抜きにしても十分読み応えのある小説ではあるが、重ね合わせて読む事で作品の深みが増す。

    この小説、絶対映像化されるでしょう。
    “鬼瓦”と描写される主人公の容貌。
    一体誰がやるんでしょう・・・。
    佐藤浩一、堤真一あたりじゃカッコよすぎるよななんて思ったり。
    ふふふ、楽しみです。

    • vilureefさん
      円軌道の外さん、こんにちは♪
      こちらこそいつも花丸ありがとうございます。

      NHKドラマ、録画してあるのですがまだ全部見ていなくて・・...
      円軌道の外さん、こんにちは♪
      こちらこそいつも花丸ありがとうございます。

      NHKドラマ、録画してあるのですがまだ全部見ていなくて・・・(^_^;)
      早くみなくちゃ。
      うん、うん、ピエール瀧!三上にぴったり!
      そうきたかー!!と思いました。
      NHKの土曜ドラマって全5話くらいでしたっけ?
      小説をドラマ化するにはぴったりですよね。
      要チェックな枠です(笑)

      そう、そして佐藤浩市。
      キターーーーーーーーッ!!って感じです(笑)
      楽しみですね。

      原作も読みごたえのある最高の作品なので是非是非読んでみてくださいね(^_-)-☆
      2015/07/15
    • 円軌道の外さん

      vilureefさん、こんにちは!
      お返事遅れてすいません!( >_<)
      あと沢山の花丸ポチと
      嬉しいコメントありがとうございます...

      vilureefさん、こんにちは!
      お返事遅れてすいません!( >_<)
      あと沢山の花丸ポチと
      嬉しいコメントありがとうございます!

      蒸し暑い日々が続いてますが、
      お身体お変わりないですか?

      NHKドラマはだいたい
      4話から5話です。
      しかもみな、出来がいいんですよ(笑)
      (「64」は確か全4話です)

      民放でドラマ化はガッカリだけど(笑)
      NHKでドラマ化が決まったら
      よっしゃあ~!って期待感上がりますよね(笑)

      「64」はピエール瀧を初めてカッコ良く思えたドラマなので(笑)
      原作をご存知なら必ず楽しめると思います!
      ラストの64の犯人を追い詰めるシーンもめちゃくちゃ緊迫感溢れてテレビに釘付けだったし、
      松岡参事官を演じた柴田恭兵がカッコ良かったし、
      ロクヨン事件で娘を誘拐され殺害された父親、雨宮役の段田安則がめちゃくちゃ上手くて引き込まれました。


      あはは(笑)
      キターーーーーーーーッ!!って
      vilureefさんの心情が伝わってきましたよ~(笑)
      映画見てみたいな~、
      でも佐藤浩市はカッコ良すぎじゃないですか?(笑)
      原作のイメージからしたら
      ピエール瀧とどっちが合ってるんやろ。

      あと映画では
      松岡参事官役は三浦友和、
      被害者の父親雨宮役は永瀬正敏、
      主人公三上の部下で広報室係長・諏訪役の綾野剛、
      諏訪と共に広報室で働く美雲役の榮倉奈々、
      記者クラブを仕切る東洋新聞のキャップで、広報室と対立する秋 川役が瑛太らしいです。
      三上の同期の二渡真治はドラマでは吉田栄作だったけど、映画は誰が演じるんやろ。
      他に吉岡秀隆、仲村トオル、椎名桔平、奥田瑛二、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝が決まってるらしいし、
      むちゃくちゃ豪華なキャストですよね~(笑)
      原作も頑張ってトライしてみたいです!

      またまた、とりとめないことダラダラと書いてしまいましたが(汗)、
      僕の本棚の『母親ウエスタン』
      にも頂いたコメントの返事書いているので、
      お暇な時間にでも覗いて見てくれたらと思います。

      ではでは、夏バテせぬよう
      お身体御自愛くださいませ。

      2015/07/27
    • vilureefさん
      円軌道の外さん、こんにちは♪

      ちょっと、待った―!!
      なんと映画版の秋川役が瑛太とは!!
      ドラマ版は永山絢斗でしたよね?
      兄弟対...
      円軌道の外さん、こんにちは♪

      ちょっと、待った―!!
      なんと映画版の秋川役が瑛太とは!!
      ドラマ版は永山絢斗でしたよね?
      兄弟対決じゃないですか。
      いやー、なんともにニクイキャスティング。
      どっちに軍配が上がるんでしょう。
      楽しみですね~。

      それにしても映画版、豪華すぎやしませんか。
      もう名前を見るだけでお腹いっぱい(笑)
      これはヒット間違いなしなんだろうな。
      是非みたいな~。
      その前に早くドラマ版を全部見てしまわないと(^_^;)

      そうそう、映画されたりドラマ化されると突然主人公がイケメンになっちゃうってよくありますよね(笑)
      私は幼いころ銀河鉄道999の哲郎が映画でいきなりイケメンになったことに目が点でした。
      もちろんピエール瀧がイメージにはぴったりですが、スクリーンで見るのは佐藤浩市がいいかなと思うのが乙女心、もといオバサン心です(笑)

      興奮してちゃんとした御挨拶もせず・・・。
      私は夏バテ知らずで元気です。
      円軌道の外さんもお体お気をつけて!

      .
      2015/07/28
  • 長かったー!

    事件の真相が気になりどんどん読み進めれたが、警察組織内でのごたごたが苦痛でした。

    男のメンツやプライド、大組織のどうにもならない抗争。好みではなかったが、三上が最後に結論を出した仕事へのスタンスはかっこよかったし、雨宮さんの煙を見上げたシーンは泣いた。三上夫婦の会話のシーンも良かった。

    でも疲れたので☆3で。
    普通の警察物の小説をたくさん読んでいたらもっと楽しめたのかもしれない。
    広報管からの視点が警察物初心者には難しかった。

    追記
    読了後ドラマを見たら、いろんなシーンで涙涙でした。原作読んだ後に見れて良かったです!

  • 2012年「このミステリーがすごい 第1位」。

    すば抜けた評価で、第2位の宮部みゆき「ソロモンの偽証」を抑え栄冠に輝いたこの作品。
    さすがに圧倒的な筆力で読み手に迫ってくる。
    警察庁の内部抗争劇を主にしながら、上下関係やマスコミと広報室のつばぜり合い。
    さらには、昭和64年に起こった、未解決のままの少女誘拐事件、通称「ロクヨン」。
    などなど、縦糸と横糸を縦横無尽に絡ませながら、物語は進んでいく。
    人としての生き方。組織内でのあり方。家族との接し方。
    様々な事件や争いに翻弄されながら、主人公であるD県警広報官三上の葛藤と苦悩が描かれる。
    600p以上に及ぶ長篇でありながらが、中盤過ぎからは息をもつかせぬ展開に一気読みだ。

    14年前に起こった時効寸前の事件「ロクヨン」とは、どこで結び付くのか?
    途中からはもっぱら、その一点に興味が注がれる。
    そして──。
    ああっ、と誰もが予想だにしない展開で、物語は「ロクヨン」と絡まり、新しい事件が急展開を迎える。

    いやあ、面白かった。優れた小説とはこういうのを言うのですな。
    横山秀夫さん、さすがです。
    警察組織の狭間の中で、人間としての純粋な感情を失わない三上。
    壊れかけた夫婦関係。地元マスコミとの信頼関係。刑事部と警務部との確執。
    すべてが物語の終焉に向かって鮮やかに収斂していく。
    誰もが読んで絶対に損のない傑作です。

  • Audible読了
    濃霧のように重たい雰囲気。しかし不思議とクセになる作品だった。何気なく映画のキャストを見てしまってからは、佐藤浩一の顔芸が付きまとった。適役。
    内容は、マスコミvs県警という構図で、匿名報道の是非が繰り返し問われる。

    ──匿名が覆い隠したのは(加害者の)菊西華子と言う名ではなく、(死亡した被害者の)銘川亮二と言う人間がこの世に生きた証であった
    確かにA子B男では誰も気に留めない。名というものが放つ人間の尊厳を考えさせられる。

    それを覆うようにして幾つもの対立が物語を深める。警視庁vs県警、刑事部(元部署)vs警務部、キャリア組、元上司、元同僚、わらわらと出てくる存在感たくましい登場人物の綱引きが常時テンションを張っていて、主人公はまんなかで右往左往。肝心の事件は下巻までまったく進まない(笑)
    加えて行方不明の娘と不安定な妻がセコンドにびったり張り付き、もはや『サイレントヒル※』のような五里霧中感。
    ※KONAMIのホラーゲーム 街全体を霧が覆ってどこから敵が飛び出すか分からない

    ほかにも気になった点は、主人公が何度も本音を押し殺すところ。しかも言う寸前で。もう言ってくれよ、と叫びたくなる。「本音イコール自己愛」という作者の厳しい主張がヤワなハートに刺さった。
    これは映画もチェックしてみよう。

  •  2012年このミス第一位。2013年本屋大賞第二位。すごいっ。
     ここまでの話題本を読まずにすごすなんて、本読みの名折れでしょう、ということで、ぶっとい本ですが、ガアーっと読みました。

     D県警警務部広報官 三上義信。警察の窓としてマスコミに対峙する彼は、警務部ではなく刑事部に長く身を置く存在。
     警務部とは庶務で、刑事部とは営業みたいなものか。
     二年の辛抱、けれどやれるだけの改革を、という思いで、警務部長に与することなく独自の路線を貫く三上。しかし、三上の娘が家出をし、赤間が三上のために親身になって動いたことから、三上は赤間に屈服を余儀なくされるー


     とまあ、これは、ストーリーの本の一部です。本当に、一部。だてに、647ページあるわけではありません。これは、ネタバレにすら、なってません(笑)
     ロクヨンとよばれる誘拐事件に隠された秘密、その事件の裏に隠されたメモ、無言電話。これらが、警務部と刑事部の対立、三上とその同期 二渡の謎の行動と絡んで、一つの結末に集約していきます。
    もう、見事見事。一気読みをおススメします。
     
     けれど、一つ言うなれば、登場人物紹介と、相関関係図がほしかった・・・
     

    • bandit250fさん
      今読み終わりました。凄い作品でしたね。余韻に浸って、気の利いたレビューが思い浮かびません。ayakooさん、いつも的確なレビュー書きますね。...
      今読み終わりました。凄い作品でしたね。余韻に浸って、気の利いたレビューが思い浮かびません。ayakooさん、いつも的確なレビュー書きますね。羨ましいです。考え考えしながら書くと、いつも褒め言葉の羅列になってしまいます。ayakooさんの様に一気にほとばしる様な文章が書きたいな~。
      2013/06/21
    • HNGSKさん
      banditさん>>読みましたか!?読みましたか!?無言電話、そういう伏線はってたかあーってうなりますよね。雨宮の執念にもうならされますよね...
      banditさん>>読みましたか!?読みましたか!?無言電話、そういう伏線はってたかあーってうなりますよね。雨宮の執念にもうならされますよね。
      さすがに、このミスと本屋大賞高位受賞しただけのことはありますよねー。
      2013/06/21
  • 本の帯にある通り『究極の警察小説』に偽り無し。非常に面白い。面白過ぎる。昭和64年1月5日に発生した誘拐殺人事件、その背後にある爆弾、刑事部と警務部の対立、警察とマスコミの対立が渾然一体になり、怒涛の結末へとなだれ込む。

    横山秀夫の作品は殆んど読んでいるが、その中でこの作品がベスト1だと思う。『臨場』『第三の時効』『ルパンの消息』が次点かな。

    警察内部の対立の構図は一般の企業にも言えることだろう。権力、ポスト争い、隠蔽体質などなど。自分の会社とも重なるところが多く、非常に面白かった。

    これは文句無しの大傑作!

  • 警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。刑事など一握り。大半は光の当たらない縁の下の仕事です。神の手は持っていない。それでも誇りは持っている。一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。D県警は最大の危機に瀕する。警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。
    「BOOKデータベース」より

    濃い.
    3センチほどの分厚いハードカバーの本書を手に取ったものの、読みきるまでに時間がかかることが予想され、なかなか手つかずにいたのにたった2日で読んでしまつた.
    駆け引きとか思惑の予想とか、自分が苦手とするところなので、食傷気味.しかし、それを補ってあまりある面白さだったと思う.読み進める手が止められなかった.
    警察の闇、でも闇だけではない.闇の中に潜む正義、正義の中に潜む闇.執着.情.
    わずかな状況認識から推測と想像といろんな感情がどんどん湧いてきてからまって次の状況と混ざり合って反応してものごとを進んでいくのがすごく濃い印象を与えていて、面白いんだと思う.
    見紙の娘さんが家を出て行った後の消息がまったくわからないことにやきもきするけど、事件になって事態が明るみに出てくるものばかりなわけはないので、これはこれなんじゃないかと思う.

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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