- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163821108
感想・レビュー・書評
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とても仲の良い人との付き合いって、とくに学生時代は、永遠に続いていきそうな気もしてしまう。だが、どんなに密な繫がりでもあっさりと切れてしまうこともある。わけも分からず断絶を経験した主人公が自分を生かすために、過去と向き合っていく物語。人生は自分の力ではどうにもならないこともあり、自分一人の力で生き延びなければいけない時もある。人との繫がりは儚いものだけど、その思い出だけでもとても尊いものである。
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ものすごく人間味のある話だと感じた。
初めてこの本を手に取った中学生の私には、まだ経験が浅く視野が狭かったのもあり理解できず挫折してしまったが、20代の今、再び手に取って本当に良かったと思う。
多崎つくるという人物は、おそらく多くの読者の共感を得る人物なのではないか。作中の言葉を借りるなら、彼は「どんな言語で説明するのもむずかしすぎるというものごとが、私たちの人生にはある」ということを最も体現していると感じた。 -
村上春樹の自伝の「職業としての小説家」と村上春樹特集の雑誌は読んだことあるけど小説は今作が初めて。村上春樹作品って小難しいっていう偏見があったけど意外とサラリと読めた。主人公の多崎つくる、無個性とか以前に感情が薄い人間だなと思った。生まれつきの性格なのか分からないけれど理由も分からず仲間はずれにされたら普通は怒り狂いそうなのに仕方ないって自分を責めて納得しようとしているのが痛々しかった。損して生きてる感じがした。今更過去は変えられないけれど過去のモヤモヤを自分の足で回収しに行って旧友達と話したことには意味があったと思うし、これからつくるの人生は以前よりずっと血の通ったものになっていくんじゃないかな。結末がどうなったか書かれていないタイプの小説だったけど「えー続きは?ここで終わるの残念!」ってモヤモヤした気持ちにはならなかった。
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3.5
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終わり方が素晴らしい。終わりがないという方が正しいのかも。終始つくるの視点で書かれていて、つくるが誰かと会話をし、つくるが感じる感情の経験を味わうことのできる作品でした。良作です。
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"913-M
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沙羅とつくるはどうなったんだろう