ゾーンにて

  • 文藝春秋 (2013年5月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784163821504

作品紹介・あらすじ

福島第一原発から半径20キロ圏内は、警戒区域となった。人が立ち入ることのできない場所〈ゾーン〉に棲むものたち。 現代の巫女・田口ランディが、極限に生きる命の輝きを描く「魂身の」中篇集。

みんなの感想まとめ

震災後の福島を背景に、現代の巫女が描く命の輝きと人間の無力さをテーマにした作品は、読者に深い思索を促します。震災に関する多くの作品が存在する中で、この作品は特に、被災地の現状に対する複雑な感情を巧みに...

感想・レビュー・書評

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  • 図書館にて。
    震災の後、震災のことを自分の作品の中に取り入れる作家はたくさんいたが、この作品もそう。
    物資を届けるでもなく、ボランティアに参加するでもなく、でも現状は知りたいし、放射能は怖い。
    復興は進んでほしい、福島の現状も想像できるしいたたまれない、何とかしてほしいと思う、でも自分がどうかかわっていいかわからない。
    そんな安全な(安全かどうかももう確認していないが)日常の中でもはや非日常にしてしまっている被災地の現状を憂う、そんな自分の世界を代弁しているようだった。
    この作家はこういう視点の描き方が本当にうまいと思う。
    そして結果的に、傍観者たるこちら側に何かを投げかけているのだと思う。
    強いアピールでもなく、共感を求めるでもなく、問いかけるでもないけれど。
    忘れてはならないということを思い出させてくれる。
    考えさせられた。そういう感想も詭弁なのかもしれないけど、無力でも自分はどうなのか考えるくらいはしていきたい。

  • ランディさんはいつも不思議な「ゾーン」について書かれるので「さて今回はどんなゾーンやら?」と思っていましたら今一番ホットなゾーンについての小説。
    ランディさんらしい感性と文章がこれでもかと表現されています。
    書かずにはおられなかったのだと感じます。

    しかし。この小説は賛否、共感反感、わりとはっきり分かれるだろうなと思います。
    きっと「ゾーン」を取材されて書かれたのでしょうし、その作家魂には敬意を表します。
    でもその時の衝撃が強すぎてまだ、言葉や表現にこなれきっていない感じがしました。
    何とかこれを伝えたい表現したい、というのは伝わるのですが寝かせたりないといいますか、どことなく「惜しい」感じがしました。

    4つの短編集とも「取材元の消化不足」という感じで、牛の話が多いので準えて言うならば、まだ第一の胃の辺りか第二の胃へ向かう辺りとお見受け。
    第4の胃まで行ってよく消化されてから書かれたものを是非読ませていただきたいです。

  • 何が正しくて
    何が間違っているのか
    全てが矛盾していて
    ゾーンのように区切れないもので
    あふれかえっている
    一方にはよいことも
    もう一方には悪になる

    ゆれながら
    でも
    誠実でありたいと願う
    作者の気持ちが伝わるように感じた。

    装画:持塚三樹
    装幀:大久保明子
    2013年 文藝春秋

  • まだどう言葉にしていいのか・・・言葉にできない。
    福島のこと、3.11のこと、忘れたくないし、忘れられない。でも、私には圧倒的に何かが欠けている。ずっとそう感じてきた。その何かがこの本には描かれている、そんな気がするのはたしかだ。

  • この時期にこのテーマで小説にするってすごいと思う。どんな問題でも当事者とそのまわりの人という関係性はあるわけで、
    どんな立ち位置で言葉を発するか、どういう態度で自分はいるのか。。。。

  • 2011・3・11から、なにも変わっていない。
    なに一つ変わっていない。
    なにが危険で、どこへ行けば安心なのか。
    「愛は地球を救わない・・・」本当の事って?
    伝わっているのだろうか。
    遠ざけない。忘れない事。それを思う。

  • 10年位前まで田口ランディの小説は面白かったのだが、最近の作品はどうもイマイチ。福島の原発問題を扱っているが、どうも響くものがない。中途半端に挿入される男女関係がすべてをぶち壊す感じだ。

  • 田口ランディさんの本はやっぱり好き。
    だいたいなんでも好き。
    重たくて、人が触れるのを躊躇うような題材なのに、変な人がたくさん出てくるから面白くて引き込まれる。かつ考えさせられる。
    良き本でした。

  • 一気読み

  • 東日本大震災の原発事故をテーマにした短編集。

    読後、本当に悲しくて虚しい気持ちになった。
    僕は、ピューっと吹くジャガーというギャグ漫画が好きで、
    確かガイガーカウンターが出てくる話がある(震災よりずっと以前の話)が、全く笑えない状況に今はなっている。

    ヒリヒリする感じ、登場人物の体温や息づかいが伝わってくる感じ、生と死の思考。
    生きるって当たり前にあるようで実はすごい奇跡なんだな〜と改めて実感。

  • 【20キロの線で分けることの意味ってなんだろう】福島の今を見たくて作家・羽鳥よう子は「ゾーン」に踏み込む。震災で人生の方向転換を余儀なくされた人々の想いをリアルに描く四篇。

  • 東日本大震災後の福島が舞台。
    人の手によって作られた原発のダメージは、自然の猛威による
    ダメージと違い、長く苦しい復興への道となることを
    改めて感じ入りました。

  • どうして人は原発を作ってしまったんだ。人の住めない町を作ってしまったんだ。とうとうこの国から消えてしまった。
    モルモットのエンディングが示すことは重い。

  • 震災が題材。
    なかでも『牛の楽園』が好みかな。
    病気の男の独特の雰囲気と牛を育てていた女の接し方がいい感じ。
    震災でいろんなことがあったんだとはわかっているけど、どう受けとめたらいいのかわからない。

  • 福島の放射能汚染区域内での短編が4つ。

  • 広島原爆投下の日、式典の様子をテレビで見ながら読んだ。
    68年前の原爆と2年前の原発事故
    ゾーンの中か外か、曖昧な境界線、
    ゾーンの中と外がハッキリとした人々の境界線。田口ランディ凄いな。
    読み終わってから、全てのものは一つのものから出来ているっていう事がグルグルと頭を巡っている。

  • 原発事故当時のモヤモヤした気持ちが思い出されてどんより。何も好転してないのに、今はすっかり平気な顔して生きてるけど。

  • ゾーン 福島第一原発から半径20km以内のエリア。
    ゾーンの匂いと、近未来を描いた中編4作。

  • 切なくてため息が出てしまった。
    放射能汚染地域の福島のことを考えるとやるせない気持ちになる。
    そして、人間は本当に自分本位で身勝手な生き物だと痛感した。
    弱い者に対して、声を上げて反論できないものに対して。

    そして、食べ物を戴くときにはその命に感謝することを忘れないようにしようと思う。

    寝る直前に読むことがなんとなく躊躇われて、読み始めてから随分と時間が経ってしまったので、正直言いうと前半部分は少し忘れてしまった。
    けれども、ぜひ読み返したい一冊。
    そして、読んで欲しい一冊。

  • なかなかパワーのある書き手だった。それも女の。男には書けない。

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著者プロフィール

作家。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第4巻 スピリチュアリティと環境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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