増山超能力師事務所

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1066
レビュー : 193
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163822600

作品紹介・あらすじ

ちょっとおかしな新シリーズ始動!いまや事業認定された超能力で、所長の増山ほか、能力も見た目も凸凹な5人の所員が、浮気調査や家出人探しなど依頼人の相談を解決!

感想・レビュー・書評

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  • もし自分が超能力者になれるなら、どんな能力が欲しいだろう------。
    一時は、透明人間になれる能力が欲しいと思ったことがあった。
    まあ、他人が陰で何を言っているか、或いはやっているかを知りたいという好奇心からだ。
    ただしよく考えると、透明人間は唯一最大の欠点がある。
    誰にも見えないのだから、道路を歩くときには信号などを見極め最大限の注意を払わなければならない。
    横断歩道を渡っていても、左折する車などはスピードを緩めずに私に向かってくるはずだ。
    結果、なんの容赦もなく私を轢き殺してしまうだろう。
    それが怖い。
    歩道を歩いていたって、スピードを出した自転車に思い切り追突されるかもしれない。
    常に集中力を途切らすことなく、周りを見ながら動かなければならないのだ。
    一瞬でも神経を休めたら、お陀仏になるかもしれない。
    それが恐ろしくて、透明人間にはなるのは怖い。

    常識的に考えれば(超能力に常識などという言葉を使うのも変だが)テレポーテーションかな。
    どこにでも移動できるというのは良い。
    熱いなあ、と思ったら、涼しいカナダあたりへ。
    寒さに耐えられなくなったら、ハワイあたりへひとっ飛び。
    名画が見たくなったら、パリのルーブルへ。
    オーロラを見に行こうなんていうのも良いな。

    まあ、そんな非現実的な妄想はさておいて、この作品。
    超能力が社会的に認知されるようになった時代の超能力師を抱える事務所のお話。
    彼らは今まで私が言ってきた高度な超能力ではなく、人に触れることでその人の心や過去を読み取るような、言わば手品師に近いような程度の超能力師たちだ。(それでも一つ間違えると他人を殺めてしまうほどの能力を持ち得る者もいるが)
    彼らはその能力を駆使して、人探しや殺人事件の容疑者探しなどの、言わば探偵事務所のように問題解決に当たる。
    超能力師の存在が認められることによって、その能力を犯罪などに使わぬように、その能力には規制がかけられる。
    彼らは彼らでその境目で悩むことにもなる。
    さらには、自分が超能力者と気づいていない者もいる。
    それを上手くリードして世の中の役に立つようにしたいというのが、この事務所の所長増山の願いだ。
    様々な事件の解決に当たり、彼らの能力が活用されるのだが、最後に明らかにされる増山自身の過去の事件とその償いへの思いへは読者を少しほろっとさせる。
    単なる面白可笑しいだけの小説ではない。
    誉田哲也の新しい一面をまた見た気がする。
    読了後、この物語のシリーズをもっと読みたいと思った。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    調査実績が信頼の証明。お客様のお悩みを、超能力で解決いたします!お困りの際は、迷わず当事務所まで。『武士道』『ストロベリーナイト』シリーズの著者による最高に楽しいエンターテインメント誕生!!

    超能力師という新たな人種のお話し。今回は出場する探偵事務所のメンバーにそれぞれにスポットを当てて過去を紹介!一応頼まれごとは解決するが難事件や大どんでん返しは無い。シリーズ化の前座って感じ。

  • ☆4つ

    こりゃわたしにとってはとっても面白い本です。結論としては、早く続巻を出してもらいたいと思います。

    そして、あの『ストロベリーナイト』や『武士道シックスティーン』シリーズを書いた誉田哲也がまた新しいジャンルに挑戦。で、見事に成功してベストセラーに!って感じがします。ですが、これはホントに個人的感想であって、たぶんこの本はそんなベストセラーにはならないでしょう。「超能力」って流行ってませんからね。

    そういえば「超能力」でわたしが最近強く思うことは、昔あった「テレパシー」という超能力はとっくの前に「ケータイ」によって滑稽な物になってしまったなあ、ということ。遠く離れた人といつでも好きな時にお話ができる能力なのです! と言われても、それがどーした、でおしまいですよね。

    あとはサイコキネシスとテレポーテーションと・・・って、こっちはまあそんなに簡単ではないですよね。でも「3Dプリンタ」などをみていると「こいつがどんどん進化していくと一種のテレポーテーション的なものに成りはしないかい」と思うのです。人間をこっちで全部Dataにしちまって、そんであっちでそれを3Dプリントする。 なんだかあと20年くらいで実現しそうな気がするのはおいらだけ?

  • 信頼と実績の当事務所が、超能力で人助け!
    ここは、超能力が事業認定された日本。
    日暮里駅から徒歩10分のちょっとレトロな雑居ビルの2階に増山超能力師事務所はある。
    所長の増山率いる、能力も見た目も凸凹な所員たちが、浮気調査や人探しなど悩み解決に奔走。
    メンバーは……
    「面倒臭い」が口癖なのに、女にめっぽうモテる所長・増山
    才色兼備で気が強い、元女番長 悦子
    エロいことを考えては怒られる見習い脱出の篤志
    見た目は不細工、おなかも弱い健
    制御不能な能力が玉にきず、美形の見習い明美
    超能力より年の功 経理担当の朋江

  • 超能力が日本で認められ、増山超能力師事務所の人々が超能力で依頼を解決していくお話。事務所の関係者が各章ごとに語り手てとなる。ドラマになったら面白そうだな〜と思ったら、ドラマになってる模様。著者の本は色々読んだけど、今までとは全然違うテイストだけど面白かった。次作もあるようなので早く読みたい!

  • 3.8
    面白かったけど、終わり方があまり好きじゃなかった。
    サスペンス風な展開もありながら、終わりは意外と言えば意外でしたが、ちょっと拍子抜けでした。

  • 面白い人たちの事務所

  • 超能力が資格として認定され、浮気調査や失踪人探しなど超能力師事務所を舞台にした連作短編集。
    依頼の内容より増山社長と事務所で働く5人の人たちに順に焦点をあてた物語で、ミステリーとして読むともう一つひねりが欲しいところ。
    最後は増山社長を取り巻く謎というお約束の作りで、これは面白かった。

    ドラマではココリコの田中直樹が増山役をやっているが、本書に書かれたイメージそのもの。
    他の登場人物も内容も原作に忠実で、ドラマの好感度が高まった。
    (図書館)

  • *いまや事業認定された超能力で、所長の増山ほか、能力も見た目も凸凹な5人の所員が、浮気調査や家出人探しなど依頼人の相談を解決! *
    登場人物それぞれの視点から書かれた短編集。超能力を使いつつ、人間観察もフル活用しての探偵業、意外な展開や解決策が面白く、さくさく一気に読んでしまいました。そして、軽やかなストーリー展開の中に、それぞれのシリアスな事情が挿み込まれているところも良かった。シリーズ化、楽しみです。

  • 「この世に超能力者が居て、今自分が頭の中で考えていることを読まれたら怖くて恥ずかしくて生きていけない」と想像したこと数知れず。
    そして同時に「自分自身にそういう力があって、人の頭の中が全部見えるのも嫌だ」とも思う。

    そんなことを考えることがあるから、本書のテーマは面白かった。

    各章で、さして大事でもない部分なのに「何時に何をした」と記述があるから、「これって重要なことで、最終章で全部繋がるのかな?」と気を回していたら、全く何の意味も無く無駄骨だった。

    それ以外にもわざと全体的に少しずつ中途半端な部分を残しているのは、最初から続編ありきの構想なのだろうか?

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著者プロフィール

誉田 哲也(ほんだ てつや)
1969年、東京都生まれの小説家。学習院中・高等科を経て学習院大学経済学部経営学科卒業。卒業後にミュージシャンを目指していたが、椎名林檎の存在で断念。格闘技ライターを経て作家活動に入る。
2002年、『妖(あやかし)の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
代表作は、映画化もされた『武士道シックスティーン』に始まる「武士道」シリーズ。姫川玲子シリーズの『ストロベリーナイト』はドラマ化・映画化された。ほか、『ジウ』シリーズ、魚住久江シリーズ『ドルチェ』『ドンナ ビアンカ』や、『ケモノの城』『プラージュ』などがある。

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