月下上海

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 782
感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163823508

感想・レビュー・書評

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  • こういう2時間ドラマっぽいエンタメ好きです。
    一気読み。以下ネタバレ全開。

    ただ、槇だよなあ。ヒロインを汚し過ぎだし、最期にこの男は違うでしょ?と思う。締まらない。もっとどぎつい過去を持たせて中盤で哀しく消えるキャラクターだと思う。大好きな椎名桔平さんで脳内映像まわしていたので、後半虚しくなりました。枯れた瑠偉が何者にも縛られない人物として再会し、ヒロインがもう少し庶民的に変わるのかと思えば、そうでもなく…。夏もとても魅力的な男として書かれているのに、どうして殺すの〜。チャンバラ活劇エンタメ?ならば、ヒロインが幸せになるために、可能性を残して欲しい。最終的にヒロインと関わった男は全員不幸になるっていう、どん詰まり。
    昔昔、大層な別嬪さんが色んな男と色々ありました。っていうだけの話になっちゃってる。うーん。うーん。幼少時のエピソードや瑠偉との関係などはとても切なくていいのに。

    面白いけど、面白くないんだよー。
    いや面白いけど。。。モヤモヤ

    他の作品も是非読みたいです。

  • 戦争前後の退廃と混沌の上海を舞台にした話かなと
    思っていたら全然。。。
    なんというか、これもめっちゃ少女漫画(しかもハーレクイン系)
    だった。。。
    さほど筆力も感じなかったし。
    イケメンが悪役でヒロインを犯すのだけど、
    なんかそれも書き手が喜んでいるみたいでいやだった。。。

  • ソロモン流で見て興味を持ったので読んでみました。

    普段は社員食堂のおばさんで、松本清張をもらった新人の作家さんという二足のわらじをはいている方。

    テレビで見る限りとても男前で素敵なオネエサマでした。


    さて、内容は、登場人物の衣装や、舞台となる上海の景色やその空気はとても素敵に描かれていたのできっと映画やドラマになると映えそうです。一気に読めましたし、読んでいて上海に旅に行きたくなります。

    この時代が舞台の本を読むと、戦中の大変な中それぞれの運命に翻弄され一生懸命に生きた人たちの姿を思うと、自分もなすべきことを為していゆかねば・・・と思っちゃいますね。


    個人的な好みとしてはストーリーとしてはもう少し捻りというかドロドロの深みがあったほうがいいかな(汗)

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子は、戦時統制下の日本を離れ、上海に渡った。謀略渦巻く魔都・上海で、多江子が出会う四人の男たち。憲兵大尉・槇庸平、民族資本家・夏方震、医学生ながら抗日運動に身を投じる黄士海、そして多江子の前夫・奥宮瑠偉。いま、運命の歯車が回り始める―。第20回松本清張賞受賞!

  • 魔都上海で繰り広げられる男女の愛憎劇。
    スパイを強要された暗い影を持つ財閥令嬢が、スパイする相手と恋に落ちてしまう。

    全く、食堂のおばちゃんが書いたとは思えない妖しい雰囲気のする小説です。(褒めてますよ)

    最初は上海の風景説明がなんだかイメージしづらくて読みにくかったんですが、主人公の八島多江子の過去の話となると一気に読ませてくれました。

    大切な人に必要とされながらも女としては見てもらえない。
    なんてせつないんでしょう。

    上海ってちょっと行ってみたいですね。
    なんだか知らない場所なのにノスタルジーを感じそう。

  • カバー絵と、戦時中の上海が舞台ってことでワクワクして読んだのですが、、、。
    男性陣に魅力を感じられなかったな~残念。
    中国人運動家の青年なんて、いたのかいないのかってくらいしか出てこなかったし、、。

  • なんだかわからないうちに、のめりこめる作品でした。

  • 2013年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(2階)
    請求記号: 913.6//Y24

  • 内容紹介
    第二十回松本清張賞受賞。スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。
    昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がった。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた。不本意ながらも夏方震に近づいた多江子は、その人間的な大きさに惹かれて行く。夏もまた、首と心に大きな傷を持った多江子の強さと孤独に惹かれ、心から愛するようになる。やがて夏の求愛に心を開いた多江子は、槙にきっぱりと任務を断り、夏の胸に飛び込み、共に生きる決心をする。だが、多江子の何気なく漏らしたひと言からヒントを得た槙は、工作員を捕え、夏をスパイ容疑で逮捕してしまう。多江子は槙の利己主義につけ込み、莫大な謝礼と引き替えに、夏を憲兵隊本部から連れ出す取引をする。そして夏を実家の八島海運の貨物船で密航させ、上海から逃がす。だが、成功に油断した多江子は槙に犯されてしまう。槙の真の狙いが八島海運にあると察した多江子は、命懸けの対決を余儀なくされる。そして……。

    予想してたのよりずっと面白かった。

  • 【第二十回松本清張賞受賞!】スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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