菩提樹荘の殺人

  • 文藝春秋 (2013年8月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784163824000

作品紹介・あらすじ

若き日の火村、そして若さゆえの犯罪――シューベルトの調べにのり高校生・アリスの悲恋が明かされる表題作、学生時代の火村英生の名推理が光る「探偵、青の時代」、若いお笑い芸人たちの野心の悲劇「雛人形を笑え」など、青春の明と暗を描く。

みんなの感想まとめ

若さをテーマにした短編集で、青春の明暗を巧みに描いた作品が揃っています。特に「探偵、青の時代」では学生時代の火村英生が登場し、その名推理やほっこりとしたエピソードが印象的です。また、アリスの未発表作が...

感想・レビュー・書評

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  • 火村&アリスシリーズの短編集。
    若さがテーマとなっていて、「探偵、青の時代」は大学時代の火村のエピソードが「菩提樹荘の殺人」では若かりし頃の作家アリスの未発表作タイトルが出てくる。
    「探偵、青の時代」の火村のほっこりエピソードも出てきて印象深い。
    火村&アリスシリーズの長編読みたいなぁ…

  • 有栖川有栖さんの短編作品はテーマがあって好きだ。この作品も同様で、「若さ」がテーマであり、でも作品ごとにカラーは異なっていて面白い。
    『雛人形を笑え』『探偵、青の時代』が好き。

  • 「若さ」をモチーフとした作品集で、学生時代の火村英生の名推理を描いた「探偵、青の時代」も収録。ドラマはだいぶ設定を変えていたけど原作のほうが好きかなあ。良くも悪くも変わらない"浮いてるけど疎まれてはいない、おかしな人気がある”(アリス談)学生時代の火村先生の姿に和む。本業の漫才師に「漫才上手いですね」と言われる火村とアリスのやりとりが楽しいし、"万年青年より老いに寄り添える人を見る方が心が安らぐ”という火村先生の主張にも共感できる。

  • あとがきにあるように『若さ』をモチーフにした四編。
    「アポロンのナイフ」「菩提樹荘の殺人」は動機の面白さがあった。
    「探偵、青の時代」はシリーズでは珍しい大学時代の火村の話だが、当時から切れ味抜群だった。

  • 読みやすくてサクサク読めた。「探偵、青の時代」が一番好きだったかも。
    若かりし頃の火村が急に外国語で喋るようわからんやつって評価されてるのウケてしまった。火村英生、おもしれー男…
    飲み会の輪に入れなくて寂しそうに帰るのもかわいいとこあんじゃん!!ってなってしまった。

    菩提樹荘ではアリスが自分のトラウマを話しながら火村が自分のトラウマを語ってくれるのを期待するんだけど、火村はそうすることはせず、アリスも自白を期待する割に自分から踏み込むことはできなくて「私たちは、いつも同じところで絶句する」とまとめてたのが印象的。

  • 火村シリーズ。あとがきにもあるように、「若さ」をテーマにした中編集で、火村の大学時代のエピソードも含まれる。相変わらずの安定感。以前気になっていた、アリスの見当違いの推理も以前ほど気にならなくなって来たのは、慣れ?それとも年を取ったから?最初の作品を読んだのは、20代中盤。永遠に34歳の二人の年齢はとっくに超えた…

  • 久しぶりの読書にこの一冊。
    割と楽しめたかなと。
    著者も登場人物として1役を担い、事件を解決していくお話。ミステリーものの王道をいってる気がしました。

  • 火村シリーズ短編集。テーマは「若さ」。軽く読める作品。「アポロンのナイフ」は切なくなるお話。「探偵、青の時代」は火村さんが学生時代のお話でこれもちょっと可哀想だったな。

  • 短編集。

    火村の過去とアリスの未発表作品のタイトルが分かる。
    が、そこまで重要性はないかな。読んでなくても問題ないレベル。

    個人的には表題作が一番面白かった。

  • 火村英生シリーズは安定に面白い。
    短編で、若さをモチーフにしたとなっていたが、いろんな若さが詰め込まれていて楽しかった。

  • 面白い!特に『探偵、青の時代』と『アポロンのナイフ』が好きです。


    アポロンのナイフ

    私は今まで加害者の氏名の公開に疑念を抱いてきたけれど、火村先生の「逮捕者の名前も顔も公表しない社会というのは、警察がいつどこの誰かをしょっ引いたかが隠匿される社会だ」にハッとさせられた。社会の秩序を維持するために必要なことだったんだなと。しかし今回の事件はそんなの関係がない。少年犯罪はそういう意味では気軽なものだ。罪を冒したものだけが守られているのは、私は納得がいかない。被害者であったはずの少年が実は加害者で、それがわかった瞬間、名前も顔も失う。恐ろしい世の中だなと思う。
    結局、アリスが見た少年が坂亦だったのかも分からないまま終わってしまうのが、逆にリアリティがあってスッキリと読めた。

    長いこと傍にいて、猫を見ようとしたんだなとアリスだからこそわかってしまうのにはほっこりした。それでも一歩踏み込めない部分があって、わからないままでも構わないと思っているのは今共にいる火村先生を信頼してるからなんだろうなぁ。二人の関係って良いなと思う。優しく温かい思い出が留まり続けるのは救いだな。

  • 初読と思ったら既読。
    火村准教授と有栖川先生の掛け合いが楽しい。
    短編集で、火村准教授の学生時代の話になる青の時代が、この中では一番好き。

  • 火村英生教授が活躍する作家アリスシリーズの21冊目(by Wikipedia)。中編4作収録。

    ■感想
    いずれも珠玉に感じた4作品。あとがきによると、収録作は「若さ」がモチーフとのこと。1編目から通り魔殺人の被疑者少年が逃亡、という緊迫した状況で幕を開ける。
    火村教授と有栖は、本書では自己満足の悪意や衝動的な行動と対峙することになる。ナイフで急所を一突きするように鋭い指摘を繰り広げる火村は、どこか冷淡であり、頼もしいというよりも悲壮感を感じてしまった。そんな彼の人間性を補うために、猫のエピソードが存在するのかも知れない。
    話は変わって、本文によると42、3才から老眼を尖兵とした身体の変調が色々と押し寄せてくるらしい。34から歳を取らない(設定の)火村と有栖が羨ましい。

    ■あらすじ
    連続通り魔殺人事件の被疑者少年が逃亡中に殺人事件が発生/芸人の相方がペンキまみれの奇妙な姿勢で死亡/火村の学生時代のエピソードを有栖と知人が語る/メディア露出の増えた文化人が菩提樹の辺りで変死

    ■初出
    ・アポロンのナイフ 「オールスイリ」(2010年11月)
    ・雛人形を笑え「つんどく!」vol.1 (2013年4月)
    ・探偵、青の時代 「オールスイリ2012」 (2011月12月)
    ・菩提樹荘の殺人 「別冊文藝春秋」2013年9月号

  • 「若さ」をモチーフにした短編集。
    「アポロンのナイフ」が一番面白かった。未成年の犯罪を公開しないことについて、最近読んだ他の本でも触れられていたので印象に残った。

  • いつも安心して読めるシリーズものミステリ、それも短篇集って有り難い。
    サクッと気分良く読んでオーライ。
    ご馳走様でした。
    (昨日読んだ吉村昭と比べたら読み応えはなかったけど、それを言うのは筋違いってもんでしょう)
    このシリーズって土地勘ない関西が舞台だから、遠いんだか近いんだか分からない…って毎度同じことを思うけど。

  • 今回も短編集。おもしろかった。
    作家アリスと火村先生の過去が書かれている編があって、なんだか胸が締め付けられるようだった。こんな過去を持っていたなんて驚いた。

  • 学生時代の火村が語られる作品もはいった短編集。
    少年犯罪や実名報道についての考察も興味深い。
    「若さ」がテーマの作品集ということですが、ついに火村とアリスの年齢に追いついてしまったなあ…。

  • 作家シリーズ短編集。
    著者はシリーズ初読みでも問題ないように書いていると思いますが、シリーズを追っかけてきた人の方が楽しめる内容かと思います。

    今回のテーマは「若さ」ということで、主役の二人が老いを考えたり、過去を振り返ってみたり、都合上歳をとらない二人が時間を感じているというのは、シリーズの中でも新鮮さがあります。

    一番ボリュームのある「菩提樹荘の殺人」がオーソドックスなミステリで、あとの3編は変わり種。
    「雛人形を笑え」だけはどうかと思うものの、意外な展開を見せるものもあり、楽しく読みました。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
















    【アポロンのナイフ】若い男女の死体発見の事件に、巷で騒ぎになっている少年による無差別殺人が見え隠れし不穏な空気が漂います。
    こういった大きな事件の片隅で、火村とアリスが誰も注目していなかった事件に気づくというのが良いです。あまり壮大にせず、一犯罪学者の立場を超えない展開に好感。実名報道についても興味深かったです。
    凶器が少年の手に握られていたとはいえ、すぐに少女殺害事件と結びつけてあんな行動をとるとはこのおじさんは凄い。少年が本当に殺人犯でなかったらどうするんだ。
    そして、おじさんの未成年者犯罪についての持論を聞いた上で、ビニール袋の不在から真相を見抜いた火村の思考も凄いです。
    逃走中の少年と繋げるのかと思いきや、少年犯罪を軸に全くの別方向から解決を持ってくるとは。
    アリスが出会った少年が何者だったのか、重要じゃないけどちょっと気になる事柄が未解決で終わるのにも想像を掻き立てられ余韻を残します。
    それにしても、ついでだからといってもコインを拭いてあげるアリスは優しい。

    【雛人形を笑え】新人漫才師コンビの一人が殺害されるという事件。漫才師コンビだけでなく、火村とアリスも漫才を披露しており「笑い芸」に統一された1編。
    とはいえ、事件の解決や物語のラストまで下手な漫才のごとく滑った印象。
    論理も推理もあったもんじゃありません。
    死んでいた被害者の奇怪な態勢が、どういった状況下だったのかいろいろと考えを巡らせており、ダイイングメッセージだと結びつくのは良いとしてもガッカリ感は否めない。
    これ、自白以外で立証できるのかな。
    関西を舞台とする作品を多く書く著者が、大阪の名物でもある漫才師を題材にしたのは楽しい。淡泊そうなコマチさんのマニアックぶりにもニヤリとしました。

    【探偵、青の時代】探偵の片鱗を覗かせた火村の大学生時代のお話。
    こういう共通の秘密を抱える集団の中に紛れ込んだ一人の探偵、という構図はとてもワクワクします。全員で協力して隠蔽する秘密を暴くことにゲーム性があり、阿川さんが言う通り危険な楽しさ。
    事件自体は些細なものの、自転車の危険運転や飲酒が問題になっている昨今、大したことじゃないで済まされなのかも。
    火村はついでに3台全部の車の下を見たと言っていますが、ついでにそんなところを3台分も見ないだろうと思ったので猫というのにはなるほど。
    おそらく、猫の鳴き声を聞いて車の下は全部みて回ったに違いありません。1台目に見た車の下に猫をみつけたとしても、猫が動いたら追いかけたり、他にもいるかもしれないと一応全部の車の下を覗くことは猫好きなら納得。

    【菩提樹荘の殺人】さらりと菩提樹のメロディーとタイトルを一致させるあたり、流石学者と作家だなと音楽に疎い私は感服。
    トランクス一枚で上半身を湖に浸した死体という状況がおもしろいです。
    またまた被害者は有名人ということですが、女性との交際の精算でこじれた場合、本来世間体などで脅迫される立場になりがちな有名人が、逆に脅迫していたというのはおもしろい。
    犯人の動機も今回は特殊です。容疑者が4人に絞られていたからこそ判明しましたが。
    死体を異様な状況にして服に自分の痕跡を残してまで、鞄をあの場所に戻すのには疑問があるものの、じゃあどうすればよかったか、というのはやはり結果論なのでしょうか。
    アリスと火村のドイツ語のやりとりには笑いました。
    わたしは女ですが、火村が指摘するまで髪や化粧というのには全く気付きませんでした。コマチさんなら気付きそうだから、今回は兵庫県警なのかな。最近大阪府警ばかりが登場していたので野上さんの嫌そうな顔が見られて嬉しいです。

  • 短篇が好き。学生時代のはなしもでてくる。

  • 【図書館本】やっぱりこの作者は安心して読める。そしてヒムアリ大好きだ。一番印象に残ったのは表題作。次いで『雛人形~』。でも4作品とも好き。ミステリとしては少し物足りないけど、ヒムアリ要素的な意味で。ま、短編ってそんなものか。 あとがきに“キャラの過去は考え出すのではなく、知る瞬間がある”とあった。ヒムアリは作者が作ったキャラだけど、友人とか知人とか、一人の人間として生きてると感じた。ヒムアリも生きてる! サザエさん軸だけどwww

    アポロン:そういう犯罪もありなのか……。事件自体はシンプルでわかりやすかったけど、動機……。アリスの鎖国読書月間ちょっと羨ましいw
    雛人形:お笑い(笑芸?)がテーマにあって、ちゃんと(?)ヒムアリで漫才してくれる辺りさすが有栖川さん(作者)。関西人の血、ですかねw
    青の時代:タイトルでKinKi Kidsの某曲がぐるぐる。全然合わないw 火村先生可愛い。冒頭の猫がどう絡むのかと思いきや、見事w さすが火村先生。可愛いよ可愛い。
    菩提樹:『百年法 上/山田宗樹』の内容がまだ頭に残ってる状態だったので、火村があの世界にいたら……と考えた。無駄に老いたくはないけど、価値のある老い方が出来たらいいな、万年青年は……ねぇ? 青いままじゃ色々痛いしw アリス処女作にまつわる話を火村にしたのは衝撃的だった。火村の謎と同様話さないものだと(勝手に)思っていたので。それでも火村は明かさない。個人的に、それが明らかになればシリーズが終わってしまう気がするので、気にはなるけど謎のままでいい……。

    とか大筋に関係ない感想w やっぱりこのシリーズヒムアリで読んでるな。キャラ読み万歳\(^o^)/

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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