検察側の罪人

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 213
  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163824505

作品紹介・あらすじ

検事は何を信じ、何を間違えたのか。東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた人物だった。男が今回の事件の犯人であるならば、最上は今度こそ法の裁きを受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる――。正義とはこんなにいびつで、こんなに訳の分からないものなのか。雫井ミステリー、最高傑作、誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 読み応えのある、一級のリーガルサスペンスといってよいだろう。一時問題になった特捜部の恣意的捜査。冤罪問題。そして時効の課題が重く迫る。
    時効の壁に、まんまと逃げおおせる犯罪者。その時の被害者および関係者の心中如何やと。
    法律が改正され、時効の廃止された現在では、こういった問題は起こらないといえるだろうか。しかし、特捜部の体質、冤罪は、今後の課題としてまだ残っている。

  • 正義とは何か。
    検事沖野が背負ったものは秋霜烈日のバッジの重さと尊敬する先輩検事への疑念。
    バッジを外す決意をした沖野は事件の真相に迫る。

    冤罪はかくも容易く作られてしまうものなのか。
    これは読み応えあり。
    袴田事件の再審が決定した今リアルに迫る1冊。

    いろいろと考えるところは多い作品だったけれど
    最後は泣いた。
    正義とは? そして真実の意味とは?
    久しぶりに強く余韻が続く作品でした。

  • 2016/11/24 500ページの単行本でしたが、後半からは一気に進みました。何か昔読んだような筋はあったけど傑作。★5

  • なかなか読み進められず、でも最後まで頑張って呼んだ甲斐があったと思う。

    検事のお話。
    新人検事が担当する事件の容疑者が、先輩最上検事の因縁の相手だった。
    最上がいた寮の一人娘が以前殺され、逃げ延びた犯人が今回別の容疑者になる。

    最上筆頭に今回の事件に関しては犯人じゃないそいつを、なんとか犯人に仕立てあげるお話。

    それを疑問に思い検察を辞めてまで容疑者を助ける新人。

    結果的に先輩検事の最上さんを逮捕することが出来たけど、その犯人は結局クソやろーだし正義って何?
    新人くんがしたかったことって何?
    最後はスッキリ!!じゃなく、彼のもやもやと自問自答で終わるところが良い。

    正義とは、正しいとは、人が人を裁くとは。
    感情を持った人間が、他の人の罪に関して制裁を決めるっていったいその制度なんなの。

  • 正義っていうのは
    痛みを伴わずに振りかざすことが可能な凶器。
    権力者の大義名分。
    だけど、爛れた欲望から生まれる悪意に立ち向かえる折れないつっかえ棒にもなるんだよな。

  • 冤罪は決して起こしてはいけないこと。最上の正義がズレてしまったのは悲しい。そこで沖野が立ち上がり、かつての尊敬する最上と対立関係になるが、最後で結局正義とは何なのか自問自答してしまう。

  • 最後の松倉見てたら冤罪で死刑になっても
    やむなしだったかも。
    検事でも裁判官でも弁護士でもだろうけど権力をもってて
    上に立つ人間ほど私情に踊らされてはいけない。
    映画版、松重さんの諏訪部役は見てみたいなあ。

  • ストーリー自体はさすが雫井さんで、
    読み始めはスローだったけど後半はぐいぐい読めた。

    ただ、どうにもこうにも理解できないところもあった。
    最上の家族の心情とか。
    松倉の今後をどう考えるべきか、とか。

    沖野はどんな人生を送るのかな。

  • 映画化されることで、何かと話題なので読んでみた。
    前半は過去に強姦殺人事件を犯しながら、時効となり、立件出来なかった犯人が別件で容疑者となり、何とか有罪に持ち込み、過去の事件の復讐を企てようとするベテラン検事・最上の様子がメインで描かれる。個人的な感情で冤罪を企てる最上には全く同情出来ない。それは最上の元で容疑者に接していた沖野も同様で、彼は最上に反発するかのように検察庁を辞め、国選弁護士、雑誌の取材記者と共に事件の真相に迫っていく。
    立件されたら99.9%が有罪となる刑事事件に沖野の正義は勝てるのか?その様子を描く後半3分の1は読み応えがある。
    欲を言えば、最上の偽装工作よりも、沖野との対決部分にもう少しページを割いていると、もっと面白かったかもしれない。
    最上の動機にはあまり納得出来ないが、沖野の葛藤は同情出来る部分がたくさんあった。
    映画もそんな展開になると、さらに問題になりそうだけど…

  • 警察が犯人と目星を付けたら、そこからその容疑者を犯人にするべくストーリーが組み立てられ、それに沿って証拠集めをしてく。
    こういうふうにして冤罪は作られていくんだなーという思い。

    それに対して、まっすぐに正義を貫こうとする若手検事沖野。

    すっかり沖野に肩入れして読んでいたけど、沖野の正義は貫かれたはずだけど、どうなの。

    晴れて釈放された松倉の態度と白川弁護士の言葉。
    もう、これ、わたしの中ではどんでん返しとも言える衝撃だった。

    沖野がすべてを投げ打って貫いた正義は正しかったのか・・・なんてしみじみ考えさせられてしまった。
    もちろん、冤罪は絶対あってはいけないことだけど。

    この作品で泣くとは思わなかったけど、沖野と一緒に泣いてしまったわ。

    • xxnenexxさん
      奥野ってだれですか?読みました?
      奥野ってだれですか?読みました?
      2018/05/06
    • ひかるさん
      あ、沖野でしたね。失礼しました。訂正しておきます。
      あ、沖野でしたね。失礼しました。訂正しておきます。
      2018/05/06
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著者プロフィール

雫井 脩介(しずくい しゅうすけ)
1968年、愛知県生まれの小説家・推理作家。専修大学文学部卒業後ひとたびは就職。出版社などを経て、1999年内流悠人(ないる ゆうと)という筆名で応募した『栄光一途』が第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、2000年同作でデビューする。
2004年『犯人に告ぐ』が、2004年版「 週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、2005年版「このミステリーがすごい!」で第8位、第26回吉川英治文学新人賞の候補として選ばれ、第7回大藪春彦賞を受賞。豊川悦司主演にて映画化・ドラマ化。代表作となる。
2006年に恋愛小説『クローズド・ノート』を発表し、沢尻エリカ主演で映画化。2013年刊行の『検察側の罪人』は2013年度「週刊文春ミステリーベスト10」4位など評価を受け、2018年8月24日木村拓哉・二宮和也共演で映画化。

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