ガリヴァーの帽子

  • 文藝春秋 (2013年9月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784163824703

作品紹介・あらすじ

もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために――。



名手・吉田篤弘が贈る、おかしくく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。

みんなの感想まとめ

多様なテイストが楽しめる短編集は、読者を不思議な世界へと誘います。各話には一抹の切なさが漂いながらも、前向きな感情が根底に流れています。特に「かくかく、しかじか~」では、シャンパンの泡が消えていく様子...

感想・レビュー・書評

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  • あとがき代わりの最終話で「少しというか、かなり毛色の変わった」と吉田篤弘ならぬヨシダアツヒロさんが言うくらい、いろんなテイストの可笑しなお話が8話。ストーリーの整合性とか頭で考えることはほっぽり出して楽しみましょうよ。
    私は「イヤリング」と「名前のないトースターの話のつづき」が好き! 十文字氏にはまた会いたいなぁ。

  • 何というか…どれも一抹の切なさを感じる短編集だった。でも、後ろ向きではなく、前向きな切なさ。
    特にシャンパンの泡を描いた「かくかく、しかじか~」が気に入りました。蘊蓄を傾けたり、人生を嘆いたり、又は賛美したりしながら消えていく泡たち。最後は潔くはじけて消える泡たち。切ないけど前向き。

  • 不思議な短編集。

    すごくすごく美しいものがあったとして、それは一目で美しいと分かるようなものだろうか?
    もしかしたらそこにあることになかなか気付かないような、ひっそりとただそこにある古びた何かだったりするのではないだろうか?

    キラキラ光り輝くものの美しさはずっと留めておくことが出来ない。
    一瞬のきらめきを焼きつけたいと願うこと以上に無駄なことはきっとない。
    果たしてあのきらめきが美しいのか、その光を受け取った私が感じる恍惚が忘れられないのか。

    この短編集を読んでいるといろんな次元に頭がさまよっていく。
    ふわふわと浮かぶ泡のように。
    私の一生もシャンパンのアブクと同じ、ほんの一時の戯言のようなもので、
    でも、その短い間に私が考えることがどんなに馬鹿げていても、誰にも届かなくても、
    それもひとつの答えであることには変わりないはず。きっと。

    何を美しいと思うかだって、結局それを見たものに委ねられている。
    美しいと評価されるものにはなんら責任はないはず。きっと。

    この短編集はとても美しい。と私には感じられた…という話。

  • 短編集だと言うのに
    あたまが朦朧としてくる。

    ほんの一瞬でも気を抜くと、
    ぽーんと思考は物語の端っこへ飛ばされ、
    ながぁ~く続く道のど真ん中で佇む事となる…

    用意のいい著者は
    アスファルトの中にキラキラ光る石を埋め込み、
    下を向かせて歩む様、巧みな仕掛けをしている。
    風の様な物語の続きを遠くに聞きながら
    <光る石>を掘り出したくてたまらない私は
    目を凝らしてうーんと近寄ってみたのだが…

    あ、そうか。
    気がつけば、アスファルトを覗き込んでいるのは
    う~んと幼い頃の私か。
    (ダイヤモンド…)
    と、でも思っているのだろう。

    ふっ、と顔を上げれば
    手の中のキラキラの正体はおそらく人それぞれ。
    ただ、道の先はまだ遠くどこまでも<何かで>輝き続けている…

    物語から思考が逸れる事は私にとって珍しい事じゃない。
    (ひとつも頭にはいってこねぇ~~)
    と、悲鳴を上げた脳がぶらり、どっかへ行っちゃうのはいつもの事。

    ただ、魂のふらふら散歩が妙に楽しかったな…
    と、感じた奇妙な短編集。

  • 帯の「色とりどりのおもちゃ箱のような短編集」
    その言葉がしっくりくる○
    曖昧な境界線にわけわからなくなったり、
    奇妙なのに楽しい、あやふやさがおもしろい。
    時々眠気も誘う。そんなおもちゃ箱。

    シャンパンの泡のお話が、深くてとても良い。
    彗星を見るということ。
    泡たちが教えてくれる。人生とは☺︎

    トースターと孔雀パイ、哀しく可笑しく美しい。
    ずっと漂って、聞いていたい。
    童話の世界にずっといたい子どものような気持ち。
    この独特な世界観。やっぱり好きだなぁ。

    「イヤリング」「かくかく、しかじか」
    「ゴセンシ」 が特にお気に入り。

  • 待ってて良かった。
    篤弘さんとは楽しいことのベクトルが同じ方向を向いている気がします。
    お畏れながらm(__)m

  • いつもの吉田篤弘さんの繰り出す
    不思議感
    たまらなく すっぽり はまり込んでくる小品
    うーーん なんだか (読み手が)放り出されてしまう小品
    それでも やっぱり ついつい ページを繰ってしまう

    椅子に座って読んだり
    ソファーに寝っころがって読んだり
    結局 お終いまで たのしませてもらっている
    まさに 自由読書のひとときを堪能させてもらいました

  • 短篇集。表題作は虚構と現実の境界線がどことなく曖昧で、ふわっとした読後感でした。好きな短篇は『ものすごく手のふるえるギャルソンの話』で、ギャルソンに接する人たちがとにかく優しいです。叱るのではなく諭し、勇気づける店長や恋人が好印象でした。もうひとつ好きな作品は『かくかく、しかじか――あるいは、彗星をみるということ』で、最初、句点の話かと思いきや意外なものがつらつらと語っています。メタフィクションのような最後のあとがきも、個人的にはおススメです。いつか『話のつづき』が読みたいですね。

  • ・ガリヴァーの帽子 ○
    ・イヤリング
    ・ものすごく手のふるえるギャルソンの話 ○
    ・かくかく、しかじかーあるいは、彗星を見るということ

    ・ゴセンシ
    ・御両人、鰻川下り
    ⇨吉田健一のマネ?出来のあまり良くないコピーのよう な印象
    ・名前のないトースターの話のつづき ○
    ・孔雀パイ △

  • 「イヤリング」が好きである。

  • 長編かと思っていたら、短編集でした。
    「かくかく、しかじか」と「ゴセンシ」が好みだった。短編だが、書きかけのようにも感じられてしまい、物足りなさはある。

  • 短編集。読み終えてからふと断片的に思い出す。神様は耳が遠い、とか。酩酊する首二つとか。
    「孔雀パイ」洋館に作家とシェフの男二人暮らしってシチュエーション良いな!と思ったんだがござるな似非王子の登場で台無しだった(笑)。
    なんだか文章も世界も迷路な感じ。迷子になりながら読んで、読み終えても脱出できた気がしない。

  • 【もういちど、ガリヴァーを呼び戻すために--。】名手・吉田篤弘が贈る、おかしくく哀しく奇妙で美しい、色とりどりのおもちゃ箱のような短編集。

  • 不思議な雰囲気を持つ短編集。
    「?」と云う気持ちになる物が多いのですが、
    「美しく歳を取る」がテーマだったとか、
    そう云われるとストンと落ちてくるものがありました。
    兎に角、そーっと深呼吸をするような文章です。
    少しずつ読み進めたくなる一冊。

  • 【ものすごく手のふるえるギャルソンのはなし】
    ぜひ!
    物語の続きを!
    ギャルソンのその後が気になります!

  • 作家の話

  • スタイルさまざまに料理された9つのお話。あっさり。あるようで無かった捉えどころが味、なのかも? それをあじわうように読む。全体的に軽やかで、美味しくいただきました。ごちそうさまでした。

  • 2014 1/18

  • ちょっと西洋っぽくカタカナめな感じでなんか苦手感があった。

  • 吉田さんの世界ですなあ。
    奇想天外摩訶不思議を軽やかに、飄々と通り抜けていく短編集。
    二人の男と鰻と川の話が、印象深い。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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