11/22/63 上

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (529ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163824802

作品紹介・あらすじ

巨匠がまたもや代表作を生み出してみせた!過去へ旅することのできる「扉」の存在を知った男はケネディ暗殺阻止に挑む。キングにしか書けない壮大な物語。落涙保証の感動大作!

感想・レビュー・書評

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  • 読みたいと思いつつ、中々読めていなかったキングの長編。なにせ2段組500ページ強の上下巻構成のボリューム。キングの長編ならそのくらい普通かもしれませんが、ちょっと気合が必要と手をつけられていませんでした。
    過去につながる穴の存在とケネディー暗殺の阻止を頼まれた主人公。正確にはテーマも主人公の条件も違うことは承知でも、つい『デットゾーン』を思い出してしまい、どう展開していくのか興味がありました。
    感じとしては、序盤から飛ばしていく感じで、いつものここは我慢して読み込む期間がない感じでした。ケネディー暗殺の前に、過去の改変に挑むイベントが用意されていることのためと思います。しかもデリーが登場し、邪悪さを出すだけでなく、子供達の内、二人が登場し絶妙なスタンスで話に絡んでいくのも楽しめました。物語中にはショーシャンク刑務所も会話に出てきたりと、ニヤッとさせる部分も目立ちます。
    また、歴史がわかって活動しても救われないことでの悲しみを感じる場面は、何か力があっても苦しむことがあると言うキングの話らしく感じます。
    特に人の善意と悪意が、誇張されているにしても、対比的に描かれることで、人の善意の部分がよく描かれていて、よかったです。もちろんアクション系は、ホラー要素も含まれていて、その辺もキング調です。

  • グリーン•マイルの切なさ、デッド•ゾーンの悲しみ、そしてスタンド•バイ•ミーの叙情と感動。…いやあ、いくら鳴り物入りのキング新作でも、そりゃちょっと誇大広告なんじゃ…(^_^;)。と読み始めた上巻。いやいやいや、ありえるかも?というのが、読了後最初の感想。

    最初のインパクトを経て、過去の世界で綴られていくジェイクの日々が、細やかな喜怒哀楽が、たぶんハッピーエンドではない結末を予感させて、哀切なことこの上ない。言うもおこがましいけど、さすがエンタの帝王。昔のB級ホラーテイストの頃から見え隠れしてたストーリーテラーとしての才能が、円熟の極みに達しとる。秋の夜長にふさわしい長編。

    そして「目あてのものは手に入った」というフランクの墓参り。なんの伏線にもならないまま事件は収束し…と思ったら、こう来ますか!不穏な気配はありつつも、淡々とした日常を描いている中に、極上のミステリみたいな伏線の挟み方。いっぺんキングの本格ミステリ読んでみたいなあ。

    ちょっとにやっとしたのは、ITのベヴァリーとリッチーの登場!そうか、ここのデリーはあのピエロがいる街なのね…( ;´Д`)…いまだに奴は私のトラウマ。ドナルド怖いー。

    さて、至福の時間はまだ続くのだ。レッツ下巻!

  • 図書館のカウンターに届いた上下巻それぞれが500ページ超えの本を見たとき、「絶対に返却期限内に読み終えることはできない」と空恐ろしくなったけれど、あらあらびっくり!
    導入部分はなかなか進まず、途中で投げ出すんじゃないかとも思えたけれど、そこからはやめられない、止まらない。

    高校教師のジェイクは、行きつけの食堂のおやじに信じられない依頼をされる。
    食堂の奥には密かに1958年9月19日に通じる穴があって、1963年11月22日のジョン・F・ケネディの暗殺を阻止せよ。ケネディが生きていたらベトナム戦争は起きずに、多くの犠牲を払わずに済む。ただし、一度現在へ戻り、再び穴を通って過去へ行けば、それまでの変化は全てリセットされる。

    穴を通って過去で生きたジェイクは、1958年から1963年までの間に、暗殺犯のリー・オズワルドの単独犯である確証をつかむ。そして過去の人々と交流し、影響を残し、セイディーという女性と恋に落ちる。
    ジェイクはケネディ暗殺を阻止できるのか?
    セイディーとの恋の行方はどうなるのか?

    本の題名は11/22/63でケネディ暗殺阻止をテーマに描かれてるようだけれど、そうではない。過去のほんのちょっとした行動が未来にどんな影響を及ぼすのか。愛する人を救うためにするべきことは何なのか。

    返却期限を気にせず、もう少しじっくり読んでみたかった。電子書籍にもなったから、いつか再読しよう。

  • 最近のキングはめっぽう面白い!今回も初期の作品に匹敵する面白さではないか!?

    タイム・トラベルというSF的設定ながら、そこはキング、「トミー・ノッカーズ」で宇宙人の侵略を描いてもまぎれもないホラーになってしまうように、普通のSFにはならない。科学的にスケールが大きくなるわけでもなく、国家的プロジェクトになるわけでもなく、ただただ個人的な物語。でも、歴史を揺るがす分岐点に影響がでるはずの行為に及ぶのです。そこを、自然に読ませてしまうところがすごい。

    まだ、60年代の米国を光も闇もつぶさに描いたうえで、最近のキングの優しさを感じる文章。もう、たまりません。

    相変わらずの分厚さも出張泣かせです。行きで上巻を読み終わってしまった。重くて下巻は持ってきてないぞ。帰りはどうすればええんじゃ~。

  • 「スティーブンキング読んでるの」というと周りの人は一様に二の腕を抱え「怖いんでしょう…」と声まで震わせる。

    確かにキングの本はホラーだったりSFものでもやたら怖かったりレイプありドンデンありで怖いモノ尽くし。すべて読んではいないけれど。

    でもこの本は(あえて上のみ)まさしくタイムトラベラー。胸躍る、そして胸痛む大活劇。
    しかも、歴史をぼくの手で変えちゃる!という正義感あふれる一見、ダイナミックなそして純な青春モノという見方も。

    過去に住むというとバックツウザヒューチャーではこれをこうすると現在がどう変わるかがわかった。
    既存の映画しかり、ドラえもんの漫画しかり。

    しかしこのジャィク、もしくはジョージ青年、何年間にもわたり住み続けなければならず、その蝶の羽ばたきによりどう21世紀が変わるのかさえも分らないまま羽ばたきをやめない。

    ほとんど一気読みで「上」を読み終え、「下」は手元に無いこの今の状態、どこかに早く本を手にする兎の穴は無いものか!!という苛立ちにも似た、ワクワク、ドキドキ感で眠れそうにない。

  • スティーヴン・キングのストーリーテラーとしての秀逸さが光る!
    二段組でめちゃ分厚いが、一気読み間違いなし!
    個人的に、キングの過去作品が本作にポツポツと出てくる点がニヤリとした。

    下巻も楽しみ♪

  • なかなか読み進められなくて2ヶ月近くかかってしまった。物語が動き出すまでがちょっと長いけど進み始めると先が気になる!ドラマ化しているようなのでドラマを見るのも楽しみ。次、下巻いってみよー!

  • この数字の羅列は何?と思ったら 1963年11月22日 ケネディ大統領が暗殺された日だったのね。

    ダイナーのマスター、アルの頼みで教師のジェイク、
    今は学校の用務員をしているハリーの一家惨殺が父親によって行われたハローウィンの日に食品庫を抜けてタイムスリップしてその父親を殺し一家を救うんだけど、バタフライ効果はどうなってしまうの?
    現にこの世界で生きていこうと決め、恋人セイディーもできたのに、まだデビューもしていないローリング・ストーンズの歌を口づさんだり、まだ誰も言っていないスラング的な言葉をいっぱい言ったり、すっかり怪しまれることになってしまって、しかもラスト近くに、この恋人は自分が殺したハリーの父親のフランク・ダニングの妻かもしれないの?
    でも子どもを4人儲けているからあの境界線の元夫ではないよね。ダニングが、名前も違うし。

    オズワイルドの話しは後半になるんだろうけど、この前編とどう繋がっていくのかあー早く読みたい~

  • 昔の作品と比べればその作風は随分と洗練された様に思えるが、読み手の心を物語の世界へあっという間に奪い去る力強さは衰えを見せる所か弥増す勢いだ。
    物語の行方が気になり先へ先へと読み進めずにはいられない。
    文字を目で追う間も惜しい程のもどかしさに囚われて。
    下巻に向けては随所に散りばめられた伏線共々物語がどの様な収束を見せるのか、楽しみだ。

  • はっきり言って今年度NO.1でしょう。傑作です。ドラクエⅩをPLAYする手を止め、読みふけりました。真面目な書評は、、下巻にします。

    予想どうり文春2013ミステリーベスト10の第1位でした。

    先ほど発表されました。このミステリーがすごい!でも第1位を獲得。
    2冠を取りました。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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