金色機械

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 657
レビュー : 136
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163825601

感想・レビュー・書評

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  • 分厚さに怯むも、読み出したら止まりませんでした。
    でも、タイトル思い切りネタバレというか、まぁネタはすぐにバレるんだけれども、未来のかぐや姫…っていうより、思いっきり『★ターウォーズ』のC-3POっての?の脳内イメージが払拭できず、金色様が出てくるたびに最初は興醒め(笑)。
    でも、このズレ感が癖になってきて、「幕引き」のくだりはおっ♪と思えました。
    恒川さんは金色お好きだなぁ。
    前作の『金色の獣…』にも似た雰囲気なのかな。どんな内容だったか忘れちゃったけど(^^;;
    個人的には初期作品を超えるほど好きにはなれませんでした。
    読後感の良し悪しよりも、読書そのものを楽しめる、そんな一冊。

  • これはおもしろかった!
    このひとは長編ファンタジーをもっと書くといいのに。

    舞台は日本。時代物ファンタジーってどんな?と思った。
    人の殺気が目に見える女郎屋の主,そこへ訪れたのは命を終わらせることができる娘。
    お話自体は二人の過去と,その二人にかかわる人たちの視点で書かれていて,徐々に集約していくところが先へ先へと読み進めさせる。
    さらにそれぞれの視点にちらちら登場するのは不思議な金色ボディーの人型近未来機械。はるか昔に宇宙より来たりて,ひっそりと隠れ住む一族を守り守られてきたというこの金色様が物語の核となっています。でもこの近未来機械あくまでも脇役なところがとてもいい。ぜんぜんターミネーターじゃない。どこか寂しいというか,悲しきアンドロイド感がとてもいい。

    最後やっぱり少し物悲しいところが良い余韻としてのこりました。これはもう一回読みたい。絡まる人間関係をしっかり把握しながら読み直したい。

  • 途方もなく長い、その上時系列も前後するため間を空けて読むと人物の相関関係すらわからなくなる…それでも物語にのめり込み克服すればこれほど面白いものはないのではないかと不思議な感動に包まれる。
    これまでの恒川作品とは趣きが異なり時代物とSFにファンタジーが混在する壮大なパラレルワールド。
    ちょっとネタをバラせばあの存在はまんま3POだしラストはT2じゃねーか!と突っ込みたくもなるのだがそんなことはご愛嬌程度で済まされてしまうのはやはり緻密に計算された構成の力なのだろう。
    これだけ読んでもまだ読みたいと思わせる…恒川光太郎恐るべし

  • 2015年、7冊目。
    そして、2015年、恒川光太郎、3冊目。
    今回は江戸時代のとある、山合の地方の町とその周辺を舞台にして、時系列を行き交い、様々な登場人物の視点で描かれている。それらが、実に的確に噛み合いつつ、ストーリーが進行していく。
    そして、金色様と遥香の誓い。金色様が真に望んだモノ(コト)とは……。
    全体的には、時代SFファンタジーで括られるかとは思うが、個人的には、イイ意味で、特撮時代活劇(うる覚えの記憶の「風雲ライオン丸」)のような感覚。
    しかし、コレが日本推理作家協会賞受章作なの??
    それでも、今回も、『金色の獣、彼方に向かう』解説(293p)にあるよう
    「恒川作品に駄作なし」

  • おとぎ話のような長編SF時代ファンタジー(?)
    それぞれの人物にスポットライトを当て、時系列はバラバラに、いくつかの物語が寄り集まって最後は一つの縁になる。この手法は同著者の「雷の季節の終わりに」を強く彷彿させるもので、超常的存在(金色様)を中心に据えるところも一緒。
    けれど、恒川先生お得意の“現世と表裏一体の別世界”があるわけではなく、今回は最初から一つの舞台で語られているところが新鮮だった。(一部の者は目隠しをして連れられていく、という点では別世界と称しても問題ないかもしれないが・・・)
    文庫化を待ち切れない数少ない作者の一人です。

  • おもしろかった~~~!!
    結構厚いですが、読み始めたらとまらないです!

    暮れ六つの鐘が、と始まるところで、
    おお、時代ものかあっと始まる物語。
    しかし、時代もので金色機械、機械??っと思いつつ読みすすめていくと、なにやら金色さま、というものがちらりとでてくる。
    最初、異国人ネタなのか?と思ったんだよなあ。
    柳原さんのマンガでもあったが、金髪ってのが異形の者に思われるって設定なのか、と。
    が、どうも違うようだ、と思っていたらその金色さまサイドでの語りが始まって、びっくり!!
    いやー、さっすが恒川さん、思わぬものを見せてくれるなあ。
    まあ、結局、どこから、どうやってきたのか、とかは
    分かんないですが、いやあ、すごい設定だー。
    しかも、殆どSF設定なのに、SFっぽさがない、とゆーか。機械なんだけど、機械じゃない、とゆーか。
    そして、だんだんと人間関係がつながってゆくとこが、
    うわあ、そこにくるかあって感じで、ぞくぞくしちゃいました。
    今回はあんまり恒川さんのホラー感は薄かったように思いますが、時代ものなんだけど、とてもユニークなものを読ませてもらったなあ、という感じ。
    いやーほんっとおもしろかった!!

  • いやー!良くできてた!おもしろかった!
    恒川光太郎は夜市がピンとこなくて、それ以来読んでなかったんだけど、読みやすい上に設定が細かく作り込んであって隙がなかった!
    久々にぐいぐい引き込まれて勢いよく読み切った。
    おもしろかった!

  • 江戸時代、常識を超越した存在の「金色様」と、女をさらい盗み殺しも行うならず者の巣窟の「極楽園」。これらに人生を翻弄される人々の、恩讐と因縁の絡まった物語。
    ときにユーモラスな「金色様」の存在、描き方が出色でした。かなりに残酷ばかりな人々の生きざまのなかに、裏方である人知れぬ存在である金色様の個性がときに救いのように紛れ込んでいて、おかしみを生みます。
    人の縁は計り知れぬものです。
    恨みが、慕情が、計画が、ときにくるりと裏返る。
    どんなに深い根を持つそれらも、くるり、くるりと。
    その揺蕩う感情を持つ人間というものの愚かさと、そしていとしさを感じた物語でした。

    普段の恒川氏の物語には「知らぬ間違うところに迷い込む」というような側面があるように思うのですが、今回のお話はその感覚とはちょっと違いました。より広大な幻想性を物語全体から感じ取れました。
    つまり、物語という壮大な嘘に酔わされる気持ちよさに浸れたのでした。しあわせでした!

  • 恒川光太郎の長編。
    まったりと異世界に連れて行ってくれる。

  • 非常に面白い物語です。

    江戸時代のどこかの地方。宇宙船の故障により月に帰れなくなった人々。彼らが救助を待つため、住民と最小限の接触を保ちながら暮らす鬼御殿と、その長を支えるロボットの金色様。それとは無関係の、手で触れることで命を奪う能力を持つ家系。非常に変な設定であり、かつその理由や詳細は全く説明なし。ただ背景としてデンと据えてある感じです。伝奇物語。

    こういうツッコミ所満載の設定は苦手な方なのですが、そうした奇妙さが気にならないくらい面白い。
    小気味良い文章、登場人物たちの方向の違いはあれど前向きな個性、時間軸をばらした構成、サスペンスフルなストーリー展開など、色んな要素が交じっているのだろうけれど、とにかくページをめくる手が止まらなくなる。450頁ほどの分厚い本ですが、サクサク読めてしまいます。戦いのシーンも多くアクティブな話なのに、何をしてもどこか薄暗く、もの哀しい。このあたりが恒川さんの「味」ですね。

    『夜市』や『風の古道』の印象が強く、恒川さん=ノスタルジック・ホラーという私の認識を変えたほう良さそうです。昨年読んだ『無貌の神』もそうでしたが優れた幻想譚の書き手と考えることにします。

著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、『夜市』で日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。同作で直木賞候補に。14年、『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。著書に『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』『南の子供が夜いくところ』『竜が最後に帰る場所』『金色の獣、彼方へ』『南の子供が夜いくところ 』『スタープレイヤー』『ヘヴンメイカー』などがある。

「2019年 『白昼夢の森の少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

恒川光太郎の作品

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